基本的にはエギが目立つかどうかを重視して下地やボディーの色を選ぶとよい。最初の一本を選ぶなら3.5号でマーブルの下地にオレンジやピンクのボディーがさまざまな状況に対応できる。
はじめてのエギはマーブルオレンジの3.5号がおすすめ
写真と文◎編集部
イカの王様といわれるアオリイカ。ヤエンやウキ釣りなど釣り方はいろいろあるが、簡単に始められるのはエギングだ。釣り味も食味もよいアオリイカは春に大型が釣りやすい。美味しいイカを求めて手軽なエギングでねらってみよう。
この記事は月刊『つり人』2021年6月号に掲載したものを再編集しています
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低活性時はボトムでのヒットも
朝一番で釣り場に到着し、最初に使ったエギはデュエルのEZ―Qキャスト喰わせ3.5号のオレンジ。前日の雨によって水温は下がり活性は低いと予想し、あまりダートしないタイプのエギをチョイス。堤防の外側に向けてキャストしていく。「沖合のカケアガリ沿いに回遊するやる気のあるイカをねらいます」と計良さん。この岩地港は港内に藻場があり、そこへ産卵のために集まってくる。イカはカケアガリなどの地底の変化に沿って回遊してくるため、そこで待ち構える算段だ。
サオを曲げてテンションが抜けないように寄せていこう。カンナにはカエシがないのでテンションが抜ければ簡単に外れてしまう。足一本でかろうじて掛かっている場合も多い
大型のイカは抜きあげると身切れしてしまうのでギャフを使う。胴体の先端をねらって引っかけよう
ファーストヒットはボトムステイ。着底したらシャクらずに放置しているとサオ先をグーっと持っていくようなアタリがあった。アワセが決まり水面まで上げてみると足一本のフッキング。やはり活性は低いようだ。その後、沈黙が続くかと思いきや日も昇りきったところでヒット。今度は同じエギのブルーで中層を探っていた時だった。さらにその30分後にはついにキロアップを追加! エギはヤマリアのエギ王Kのピンクでボトム周辺のフォールでヒット。このエギはフォール姿勢が安定しやすいのが特徴だ。計良さんはヒットしたエギを続けて使わずにさまざまなエギを試していたが、この日はあまり動かないように設計されたエギに軍配が上がっていた。その後は潮が動きだしたタイミングで1パイ、夕方光量が変化したタイミングで1パイを釣りあげたのだった。
はじめてのエギはマーブルオレンジの3.5号がおすすめ
エギ選びはさまざまな種類とカラーがあるため、入門者が頭を悩ませる要因のひとつだ。いろいろなカラーがあればさまざまな状況に対応できるのは間違いないが、膨大な選択肢はかえって釣りを難しくしてしまう。エギには主に2.5~4.0号まであるが、春イカであれば3.5号が基準となる。
計良さんがエギを選ぶときの主な要素はアクションとカラーの2つ。アクションには、シャクると左右に大きく動くダート系とあまり動かない波動系がある。ダート系は大きく動くことでアピール力が強いため、高活性なイカが釣りやすい一方、スレたイカは警戒してしまう。波動系は大きくシャクらないでふわふわと動かすタイプ。あまり動かないのでアピール力は弱いが警戒心の高いイカを釣りやすい。ダート系は初めての場所でサーチをする時に、波動系はイカがいるのが分かっている時に使うのがおすすめだ。
もうひとつはカラー。まずはエギ特有の下地について知っておきたい。下地とはエギに巻いてある布の下に貼られているテープのことでシルバーやゴールド、レッド、ケイムラ、夜光、マーブルといった種類がある。下地は光の反射具合を調節する役割があり、光量や潮の濁りぐあいによってエギを目立たせるように使い分けるのが基本だ。シルバーは天気がよく澄み潮の時、ゴールドはマヅメ時や暖色系の常夜灯下、レッドや夜光は濁り潮や深場、闇夜の時、ケイムラは曇りの時がそれぞれ効果的。マーブルはさまざまな色が入っているためオールマイティーだが、特出した性能はない。
ピンクはイカから見ればグレーに見えている。計良さんはエギの背中後部にアワビシートをバイトマーカーとして貼っている。ランディング後に音を立ててアワビシートを齧る個体もいた
次にボディーカラー。ナチュラルな青や緑からアピールの強いオレンジや赤までいろいろなカラーがあるが、これは人間目線の話。イカは色盲であるため、白黒の世界で見えているそうだ。そのためイカには、青や緑、黄色は白に、オレンジやピンクはグレーに、赤や紫は黒に見えている。これを踏まえて使い分けをすると視認性が高い白系は天気がよく澄み潮の時、シルエットで見せる黒系は光のない夜や濁りが強い時、中間であるグレー系はローライトなマヅメ時や曇りの時に使うのが効果的だ。
まとめると、基本的にはエギが目立つかどうかを重視して下地やボディーの色を選ぶとよい。最初の一本を選ぶなら3.5号でマーブルの下地にオレンジやピンクのボディーがさまざまな状況に対応できる。
5、6月まで春イカは釣れ続け、シーズン後半になっていくほど大型の期待も高まる。アオリイカの強力なジェット噴射を味わい、釣った後も美味しく食べられるエギングを始めてみよう。
飛距離を出すカスタム
エギは構造上、重心が前方にあるため、キャストする際にふらついて飛距離が落ちてしまう。飛距離がもう少し欲しい、向かい風に向かって投げる、そんな時はこのカスタムを試して欲しい。
まずはカンナの一本、背中側を伸ばしておく。リーダーを背中側から沿わせて伸ばしたカンナまで持ってくる
あらかじめリーダーに通してあるシモリ玉を伸ばしたカンナにも通す
するとエギが逆さに吊られることになる。これでキャストすれば後方重心となり、飛行姿勢が安定して飛距離が出る。着水すれば浮力のあるシモリ玉はカンナから外れ、通常のフォール姿勢となる
イカを美味しく食べたいなら締めは必須。目と目の間をナイフやハサミで刺して全身が白くなればOK。専用のイカ締めツールもある
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