自分が使いたいものしか作らないというポリシーをまさに具現化した『掴めるっス!』。虫エサは超苦手な石川さんはもちろん、イソメは全然大丈夫派の戸塚さんも今では『掴めるっス!』のハードユーザーだ
ムシエサは怖くない!
写真と文◎編集部
虫が怖くて釣りができるか! そんな声も聞こえてきそうだが嫌いなものは仕方がない。 じゃあ、その手でおにぎりを食べられますか? じゃあ、虫嫌いな人はひとりでの釣りをあきらめるの? じゃあ、これを使ったほうが手返しもよくなるとしたら? 常備しておくのが大人のマナーなのかもしれない。
この記事は月刊『つり人』2022年9月号に掲載したものを再編集しています
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目次
- 前編:虫エサは苦手でもエサ釣りは好き
- 後編:掴めるっス!で手返しも向上
虫エサは苦手でもエサ釣りは好き
うにゅうにょうにょうにょ……。
野島防波堤に渡す『村本海事』さんに予約していた元気に蠢くアオイソメ4パックを受け取ると、弱らないように氷を入れたクーラーボックスに仕舞い、野島橋のたもとから渡船に乗り込む女性アングラーがふたり。
オフィス・ユーカリの名コンビが真夏の野島防波堤に見参。沖釣りサイズのカサゴを連発!
「うちが釣具店だったからエサの配達とか高校時代から手伝っているんだけど、どうしても虫エサが苦手で……」
そう語るのはオフィス・ユーカリ代表にして日本の女性プロアングラーのパイオニアとして知られる、「Neiちゃん」こと石川優美子さんだ。
実家が釣具店ということで、イソメエサはいつも日常的にいる存在だったが、ある日、たまたま電気を消した暗い店内で大量のイソメを素足で足を踏んだことがあり、それ以来、虫エサが苦手になったそうだ。
とはいえ、イソメやミミズは釣りをするうえで避けて通れない。
「まあ、避けていましたけど(笑)。バスやトラウトのルアーに。でも、虫エサが苦手というだけでエサ釣りが嫌いなわけではないので、虫が大丈夫な人と一緒に行って、『エサなくなった。付けて』ってやるんだけど、正直、面倒をみてもらうのも気を遣うんですよね~」
一方、「アッコちゃん」こと戸塚明子さんは大丈夫な人とのことで、「ぶちぶち切れます(笑)」というから頼もしい。
そんな苦手派も大丈夫派も揃って使っているのがオフィス・ユーカリの新商品『掴めるっス!』だ。作ったのは当然、苦手派の石川さん。
「基本的に自分が使いたいものを作るというのがポリシーなんで、まさにこれは自分で作るしかないと。だってないと困る(笑)」
自分が使いたいものしか作らないというポリシーをまさに具現化した『掴めるっス!』
虫エサは超苦手な石川さんはもちろん、イソメは全然大丈夫派の戸塚さんも今では『掴めるっス!』のハードユーザーだ
ピンセットや割りばしのようなもので挟んだり摘まんだりしても、ハリにきちんと装着しにくい。どうせなら、真っすぐ伸ばした状態で摘まんで、好みの長さにカットしたり、硬い頭部にハリを刺したり、ミミズなら途中のハチマキ部分に刺したりと自在なほうがいい。また、どうせなら夜間でも見やすいグローカラーがいい。などなどのアイデアを盛り込んでイチからデザインしたのが『掴めるっス!』だ。
「ルアーなら手際よくテンポよくルアーをローテーションしてサクサク釣っていく社長(石川さんのこと)が、エサ釣りとなると途端に『ぎゃあ、気持ち悪っ!』『アッコちゃん、やって~』となって、正直お世話が大変でしたが、『掴めるっス!』が完成してからは完全放置です(笑)」
この日も朝の渡船で青灯に渡ると、あとは各自でエサ付け。なお、野島防波堤ではイソメエサを使った本格的な投げ釣りなら、シロギスのほかマダイ、アイナメ、カレイなどもねらえるが、石川さんと戸塚さんはライトなベイトタックルで楽しめるブラクリ釣りをご所望。虫エサは苦手だが、ブラクリ釣りは大好きなんだとか。
餌つかみ『掴めるっス!』はココがスゴイ
このようなクリップ型になっている
まずは端の部分を使って平らなところ(たとえば容器の蓋など)に1匹を乗せる
こんな感じで窪みを利用してイソメを真っすぐに掴む。スリットが空いているので好きなところからハリを刺したりハサミでカットすることができる
アオイソメの一番硬い部分の顔のあたりにハリを刺せばエサ持ちがよくなる
こちらはスリットの隙間からチョン掛け。余分はハサミでカットすれば触ることなくエサ付けが完了!
イソメだけではなくミミズも同じように使える。ハゼ、ウナギ、イワナなどなど用途は多そうだ
虫エサのみならずサバなどの切り身エサも手を汚さずにスピーディーにエサ付けできる
あらかじめカットしてあるサバの切り身をブラクリ用にさらに小さくカットするのにも便利
後編「掴めるっス!で手返しも向上」へ続く……
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