編集部2021年10月29日

海のルアー釣りに必要なタックル:リール・ライン編

アジ メバル アオリイカ シーバス-海 知らなきゃ困る超基本

 

 

ターゲット、使用ルアー、シチュエーションに合わせた適切なタックル(釣具)を揃えることが、釣果を出すための第一歩である。

ロッド、リール、ライン、ルアー、そして釣りをするうえで必要な基本の道具

写真&文◎新保明弘 写真◎つり人オンライン 
※この記事は『海のルアー釣り入門』(新保明弘著/2014年出版)を再編集したものです

 ターゲット、使用ルアー、シチュエーションに合わせた適切なタックル(釣具)を揃えることが、釣果を出すための第一歩である。

 

スピニングリールはサイズと巻き取り速度に注目

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リールを巻くことをリトリーブという。速さに変化を付けるとよい時も

 海のルアー釣りで最も多用されるのがスピニングリールである。構造を簡単に説明すると、スプールというイト巻き部分の周囲をベイルアームが回転してラインを巻き込んでいく。キャストの際にはラインを人差し指にかけてベイルアームを返し、キャストする。ベイルアームに付属するラインローラーでラインを直角に方向転換して巻き込み、キャスト時はらせん状に放出されるため、ラインにねじれ、ヨレが生じやすい。

 サイズについては(本書ではシマノの表示例で解説)一番小型の1000番~最大は30000番まであるが、岸からのルアー釣りでは1000番から大型の青ものをねらう場合の10000番までが使用される。

 巻き取り速度に関しては、PG(パワーギア)、ノーマルギア、HG(ハイギア)、XG(エキストラハイギア)があり、ギア比によってリールのハンドル1回転の速度が決定される。PGは巻き取り速度が遅いが、力強い巻き取りが可能。XGは巻き取りが最も速い反面、巻き取り力はPGよりも劣る。自転車のギアを想像していただけるとイメージしやすいだろうか。

 しかし、現在ではHG、XGといったリールでも回転性能の向上により、普通に使用する限りでは、感覚上の巻き取りの抵抗感の差はないといってよいだろう。

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スピニングリール

リール選択の基準

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数字の大きいほうがリールも大きくなり、ライン巻き量、ラインキャパも多い

 スピンングリールの選択基準であるが、大きさはシーバスをメインに小型の青もの、アオリイカもねらうのであれば3000~4000番。アオリイカをメインにシーバス、小型青ものを想定するならC3000番(Cはコンパクトの意味、小型スプールの溝が深くなっており、イト巻量が多い)~2500番を選択するとよい。アジング、メバリングには1000~2000番を選択する。

 巻き取り速度に関しては、ルアーを速く動かしてアクションさせるにはXG、HGなど巻き取りの速いものがよい。これらは波の影響や風の影響を受けてイトフケやラインのたるみが出やすい状況でもイトフケを回収しやすい。PGはゆっくりと巻いて流れにルアーを漂わせるようにアクションさせたり、ロッドを細かく動かしてアクションさせる、巻き取り抵抗が大きいルアーを使用する場合などに適する。

ベイトリール

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ベイトリール

 ベイトリールは、両軸リールともいわれ、ラインスプールの中心軸を文字どおり両側から支え、真っ直ぐラインを巻き込む構造のリールだ。そのため力強い巻き込みが可能だが、キャストの際はスプール自体が逆転してラインを放出することになり、ラインの放出とスプールの回転が乱れることによってバックラッシュ(ラインのもつれ)が起きやすい。

 一方で、スプールの回転を指で調節するサミングという動作が容易で、港湾部や河川内で障害物周りの釣りをする時にはキャストコントロールしやすい。また、大きなルアーをキャストする場合にも使用される傾向にある。

スピニングリールにもベイトリールにもドラグがある

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ドラグをしっかり調節しないと大型魚とはファイト、やり取りができない

 リールを使用する釣りにおいて重要な役割を果たすのが、ドラグといわれるシステムである。ドラグとは、ねじ込み式で、魚に強く引っ張られた時にラインの放出される力を調節できるシステムである。より簡単にいえば、ラインが切れる前にスプールが逆回転してラインを送り出す量を調節できるシステム。

 スピニングリールには、スプールの上(リールの一番上の部分)にドラグ調節ノブがあり、ベイトリールには、ハンドルとリール本体の間に星型の調節ノブが付いている。

 ドラグを締めたままでラインの限界を超える力を持つ魚と引っ張り合いをすれば、ラインが切れてしまうのは当たり前のこと。特に海のルアーフィッシングでは、細いラインを使用している際にも思わぬ大ものが掛かることが往々にしてある。ドラグ調節の仕方をしっかりと把握しておくことは、非常に重要なのだ。

ドラグの基本は使用ライン強度の1/4~1/3の強さで設定

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 ドラグの調整の目安は、使用ラインの種類を問わず、ライン強度の1/4~1/3の強さで設定することが基本である。目安としてはライン強度が12ポンドと表記されている場合、1ポンド450g×12で5400g=5.4kgの強度。この1/4~1/3の強さだから、1.3~1.8kgの範囲で調節する。

 大切なのは、リールをロッドにセットしてラインを通した状態で計測すること。2人で行なう際はラインの先をバネ秤などに結び、ゆっくりとロッドを起こしながら目盛りを読んでもらう。この時、ロッドとラインの角度は90度前後で行なうことが理想である。1人で行なう際は、張っているラインを横から挟む感じで計測できる専用のドラグチェッカーを使用するか、2.0kgまでの設定ならば、ペットボトルに水を入れる量を調節して吊り上げて計測することも可能だ。ちなみに注意点は、室内などで計測する場合は計測中にラインが切れるとロッドが跳ね上がり危険なので、なるべく屋外で行なうようにしていただきたい。

 また、ドラグ調整は厳密に行なうことができればこのうえないが、どうしても現場で調節しなければならないことが多い。その場合は、行なう釣り、使用するルアーで感覚的に合わせられるようにしておきたい。

 シーバスねらいやエギングでは、ルアー、餌木を付けた状態でキャストし、着水後、ロッドを強くあおった際にドラグが数回チリチリと鳴るか、滑る程度に調節することが目安となる。重たいメタルジグなどを使う場合は、それよりも強めに設定しておく。そうしないとキャストの際にドラグが滑り、指を負傷する可能性があるので注意が必要である。

PEラインの特徴

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PEライン

 PEラインとは、複数のポリエチレン繊維をロープのように編み込んで作られたものだ。現在では、技術の進歩から4本ヨリ、6本ヨリ、8本ヨリと編み込む繊維の数がより多くなってきている。

 特徴として特筆すべき点は、伸び率が5%以下(1mのラインを引っ張ると最大で5cm程度伸びる)と低いこと。そのためルアーの動きや魚のアタリが手元に伝わりやすい、感度がよいことが挙げられる。また、同じ太さであればナイロンラインやフロロカーボンラインの2倍以上の強度があり、キャストの際に飛距離が出やすくなる。塩分や汚れ、紫外線などによる劣化にも強く、長持ちする。ラインの腰、硬さが少なく、スピニングリールのヨレにも強い。こうした数々の利点から現在、海のルアー釣りではPEは主流のラインとなっている。

 これだけを見るとパーフェクトなラインに感じるが、難点もある。まず価格が高い。比重が水よりも小さく、風にあおられやすく、強い横の流れの中では使用しにくい。

 伸び率の少なさは、魚がヒットしてから激しく暴れた際にハリ外れやバラシを誘発しやすい。また、結び目がほどけやすく、ルアーに直接結んで使用できないため、ショックリーダーを入れなければならない=入門者には練習が必要、などの点が挙げられる。

ナイロンラインの特徴

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ナイロンライン

 ナイロンラインとは、ナイロンを素材としたモノフィラメント(単線繊維)ラインである。PEが登場する前は、海川・釣法を問わず長らく主流のラインとして釣り人に愛用されてきた。現在では、その特徴を生かした場面で使用されることが多い。

 ナイロンラインは伸び率が30%近くあるのでクッション性が高く、魚がバレにくいという特徴がある。比重は1.2程度で若干水に沈むため、ラインが水になじみやすい。適度な腰があり、必要に応じてショックリーダーを入れることもあるが、基本的には直にルアーを結んで使用するため、入門者でも扱いやすい。海のルアー釣りでは、メバリングやアジングで使われることが多い。難点としては、塩分や汚れ、紫外線などによる劣化が激しいため、小まめに交換が必要なこと。目安としては連続使用3回か、次に使用するまで期間が空いてしまった場合は交換したい。

フロロカーボンラインの特徴

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フロロカーボンライン

 ナイロンラインと同様に単線繊維で、フロロカーボンを素材としたラインである。特徴としては伸び率が10~20%でナイロンラインよりも感度がよく、比重も1.8程度で水によく沈むことから、流れの速い状況でも軽いルアーを沈めやすい。また、障害物のスレ、根ズレによる傷には最も強い。そのためショックリーダーとして使用される頻度が最も多い。使用による劣化に対してはナイロンラインよりも強く、比較的長く使える。

 難点は、4ポンド以上の太さで顕著に表われるが、比重の大きさと素材の硬さから、スピニングリールのスプールに対する馴染みが悪いこと。また巻きグセ、ヨレが付きやすく、ライントラブルが起こりやすい。

 メインラインとしては、根ズレに強いという特徴から根魚ねらいに多用されるが、この場合ヨレによるトラブルをなくすため、主にベイトリールで使用される。スピニングリールではアジングなどのライトゲームで4ポンド以下が多用される。

エステルラインの特徴

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エステルライン

 新世代ラインとして、エステルを素材としたモノフィラメントラインが登場している。フロロカーボンよりも伸び率が少なく、フロロカーボンに次ぐ比重があり、水になじみやすいことから、細いラインでアジングやメバリングに使用されている。

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