ターゲット、使用ルアー、シチュエーションに合わせた適切なタックル(釣具)を揃えることが、釣果を出すための第一歩である。
ロッド、リール、ライン、ルアー、そして釣りをするうえで必要な基本の道具
写真&文◎新保明弘 写真◎つり人オンライン
※この記事は『海のルアー釣り入門』(新保明弘著/2014年出版)を再編集したものです
ターゲット、使用ルアー、シチュエーションに合わせた適切なタックル(釣具)を揃えることが、釣果を出すための第一歩である。
目次
- ロッドの種類
- どのようにロッドを選ぶか?
- いろいろ使えるロッドはあるの?
- 【リール・ライン編】スピニングリールはサイズと巻き取り速度に注目
- 【リール・ライン編】リール選択の基準
- 【リール・ライン編】ベイトリール
- 【リール・ライン編】スピニングリールにもベイトリールにもドラグがある
- 【リール・ライン編】ドラグの基本は使用ライン強度の1/4~1/3の強さで設定
- 【リール・ライン編】PEラインの特徴
- 【リール・ライン編】ナイロンラインの特徴
- 【リール・ライン編】フロロカーボンラインの特徴
- 【リール・ライン編】エステルラインの特徴
- 【装備と安全対策編】フローティングベストは主に2種類
- 【装備と安全対策編】タイプ別の利点と欠点
- 【装備と安全対策編】足周りの装備、ブーツとウエーダー
- 【装備と安全対策編】その他の必要アイテム
ロッドの種類
ここでは海のルアー釣りに必要なタックルをロッド、リール、ラインに分けて解説していく。現在、海のルアー釣りに使用されているロッドを大きく分けると、シーバスロッド、青もの・ショアジギングロッド、エギングロッド、メバルロッド、アジングロッドの5つがある。シーバスロッド
●シーバスロッド
日本の海のルアー釣りで、初めて専用ロッドとして世に登場したのはこのロッドだろう。長さは8ft前半から、長いものでは磯のヒラスズキ用の15ftクラスまである。硬さの主な表記はL(ライト)~MH(ミディアムヘビー)だ。
●青もの・ショアジギングロッド
長さは9~13ft。硬さの表記はM(ミディアム)~XH(エクストラヘビー)。H=ヘビーとは硬いという意味で、スピードと力強さを併せ持つ青ものの引きに耐えられるように設計されているロッドが多い。海のルアー釣りの人気上昇のもと、主に2000年以降から新しいジャンルとして世に出てきたロッドである。
●エギングロッド
エギングとは主に餌え木ぎを使用してアオリイカをねらうために開発されたロッドである。1990年代後半から爆発的人気となったエギングとともに世の中に登場してきた。長さは7ft前半から、長いもので10ftクラスまでが主である。硬さの表記はL(ライト)~H(ヘビー)。
文面だけではシーバスロッドと大きな差は見られないが、ロッドの反発力が餌木をアクション、操作しやすいように強かったり、激しい操作でもライントラブルが少ないように小さなガイドがセットされている。中にはライントラブルを限りなく減らすために、ガイドではなく本体内部にラインを通すインナーロッドという種類があるのも、エギングロッドの特徴である。
メバルロッド
●メバルロッド
主にメバルを対象に、小型のジグヘッドリグやシンキングペンシルをゆっくり巻いて使用する目的で開発されたロッド。6ft前半から、長いもので9ftクラスまで。硬さの表記はUL(ウルトラライト)~L(ライト)。
●アジングロッド
古くから人気対象魚であるアジを、主に小型のジグヘッドリグを使用してねらうために開発された新しいジャンルのロッド。5ft前半から、長いもので7ftクラスまでが主である。硬さの表記はUL(ウルトラライト)~L(ライト)。 これもメバルロッドと比べると差が分かりにくいが、ジグヘッドリグ、ルアーにアクションを付けてねらう目的から、メバルロッドよりもやや張りと反発力があるものが多い。
どのようにロッドを選ぶか?
ロッドを大きくシャクる動作を繰り返すアオリイカのエギング
入門者がロッドを選ぶ基準として重要なのは、もちろん目的、ターゲットに合わせたものを選択することだ。入門者が入りやすいものとして、河口や港湾部でねらうシーバスがあるが、その場合には8~9ftでL、ML(ミディアムライト)といったクラスがお勧めである。エギングならば、港や防波堤をメインのポイントと考えた場合、8ftクラスでL~ML表記のもの。磯場やゴロタ場、砂浜もねらうのであれば9ftクラスでML表記以上を選択する。アジング、メバリングに関しては、防波堤や港をメインにねらう場合、短めから中間クラスまで。足場の高い防波堤や磯場での釣り、尺メバルなど大ものを想定した場合は、アジングロッド=7ftクラス、メバリングロッド=8ft以上のクラスを選択したい。
メバルなどのライトゲームではタックルも繊細さが求められる
青もの・ショアジギングロッドは、使用するメタルジグ、ルアーの大きさと、ねらう青もののサイズ、ポイントの地形などを考慮して選択する。80gを超える大型のルアーをキャストする場合や、ヒットする青ものが3kgを超えるサイズであったり、磯場でラインが擦こすれると切られてしまうケースや、ある程度強引なやり取りが必要な場合は、より強いものを選択する。
いろいろ使えるロッドはあるの?
ロッド選びで私が一番よく質問されることだが、やはり目的をはっきりさせたほうがアドバイスしやすいことはいうまでもない。しかし、今のロッドは強度などの性能が大幅に向上しているため、幅広く使えるクラスもある。例として挙げるなら、シーバスをメインにヒラメもねらいたい、エギングや小型の青ものも釣ってみたい方には、9ftクラスでML表記のシーバスロッドがお勧め。エギングがメインで、シーバス、小型の青ものをねらいたいというのなら、8ft後半から9ftクラスのエギングロッドを選択するとよい。メバリング、アジングに関しては、使用するルアーやリール、ラインが極端に小型化、細くなるため、専用のロッドを用意する必要がある。ただし双方間で汎用性があるので、どちらをメインにするかで選択するとよい。