田んぼや沼、池などの流れがほとんどない水辺を好んで生息するアメリカザリガニ。水田が残る地域ではその周辺に生息しているが、緑が豊かな都会の公園にも多く見られるのが特徴だ。釣るための道具も簡単にそろえることができ、本格的なサオや釣りイトがなくても大丈夫。
身近な水辺でいつでも気軽にトライ
まとめ◎編集部
田んぼや沼、池などの流れがほとんどない水辺を好んで生息するアメリカザリガニ。水田が残る地域ではその周辺に生息しているが、緑が豊かな都会の公園にも多く見られるのが特徴だ。釣るための道具も簡単にそろえることができ、本格的な竿や釣り糸がなくても大丈夫。それでいて、やってみると意外なほど奥は深い。
この記事は月刊『つり人』2017年9月号に掲載したものを再編集しています
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目次
違反しないよう注意しよう!ザリガニは「条件付特定外来生物」に
アメリカザリガニは2023年6月1日より、強い繁殖力から全国各地に分布し、固有の生態系に影響を及ぼしたことから「条件付特定外来生物」となり販売や販売目的の飼育、輸入、自然に放つことなどが禁止となった。違反すれば罰せられるので必ずルールを守って楽しもう。
なお、その場で釣ってリリースすることや、現在ペットとして飼育している個体を引き続き飼うことや川や池などで捕獲したり少数の人に無償で譲り渡したりすることは可能となっている。
また、釣り場でよく見かけるミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)も同日に「条件付特定外来生物」となった。
参考
ザリガニ釣りとは?
田んぼや沼、池などの流れがほとんどない水辺を好んで生息するアメリカザリガニ。水田が残る地域ではその周辺に生息しているが、緑が豊かな都会の公園にも多く見られるのが特徴だ。釣るための道具も簡単にそろえることができ、本格的な竿や釣りイトがなくても大丈夫。それでいて、やってみると意外なほど奥は深い。
棒切れに糸にエサ。手近な道具だけで生きものを釣り上げる興奮が味わえる
元々はアメリカのミシシッピ川流域に生息していたもので、日本では昭和初期(昭和2年)に、ウシガエルのエサにするために鎌倉に移入したものが広まったといわれている。雑食性で植物も動物も食べるが、生きた魚を捕まえたりするわけではなく、普段は死んだ小魚や落ち葉を食べている。
ザリガニ釣りの道具は棒切れの竿にタコ糸でOK
網で捕まえることもできるが、おすすめはスルメをエサに使った「ザリガニ釣り」。竿の代わりになる木や棒を1本用意してタコ糸を結び、その先にエサのスルメを結ぶだけで充分釣りになる。タコ糸の代わりに細いビニール紐でもよい。スルメは長すぎないように5~6cmほどの長さにして真ん中を縛れば、狭い草の隙間なども比較的釣りやすい。
休日の公園散歩のついでに手軽に楽しめるのがザリガニ釣りだ
また、1.5mくらいの振り出し式万能ザオ(金魚ザオでも可)を用意できる場合は、タコ糸の代わりに1号前後の釣り糸を使って、その先に同じようにエサを結ぶと、遠めにいるザリガニもねらえるので釣果が伸びる。人気釣り場で人が多い場合に有利だ。
そのほか、魚取りや虫取りの網があると非常に便利。水面から少し上まで持ち上げたザリガニの下にさっと網を差し出せば、ザリガニがエサを途中で放しても悔しい思いをせずにすむ。ただし、網を怖がってかえって放されてしまうケースもある。
ザリガニ釣りの道具&エサ
スルメは短めに切って真ん中を3回ほどしっかり片結びする
ザリガニ釣りの道具。竿は棒切れで糸はタコ糸でOK。1.5mほどの振り出し式釣り竿でもよい。エサはコンビニで売っているスルメ。あとは釣ったザリガニを入れる鑑賞ケースやバケツを用意する
市販のザリガニ釣りセットも便利。写真はマルキユーの『ザリゲッチュ』という商品。タコ糸とクリップとエサがセットになっており、これだけですぐに釣りができる
ザリガニ釣りの方法・やり方
ザリガニは近くにこれらのエサを落としてやると、匂いに誘われてすぐにやってくる。ハサミで挟んで自分が落ち着いて食べられるところに持って行こうとするため、タイミングを見計らってそっと持ち上げ手もとに引き上げる。
慣れてくれば水中が見えない場所でも釣れるが、まずは杭、石、水草などのザリガニが好む物陰の周辺を確認する。すると姿が見つけられるので、なるべく目の前にエサを落としてやる。ザリガニがある程度釣れている場所であれば、エサを落としてみるとどこからともなく寄ってくることもある。
ザリガニを見つけたら近くにエサを落とすとすぐに寄って来る。少しエサを引っ張るくらいの反応が出たらゆっくり糸を引き上げる
途中で障害物にぶつかると驚いて放してしまうので、衝撃を与えないようにスッと手もとまで引き寄せればOKだ
ザリガニが釣れる場所と時間帯
ザリガニは晴れているほうが見つけやすいが、ベストタイムはザリガニの警戒心が緩みやすい朝夕のマヅメ時(早朝もしくは日没前)。とはいえ、日中も釣れるので、まずはあまり気にせずに釣り場に行ってみるとよい。
釣り場は自然の多い都会の公園の池などがおすすめだが、それらの中には動植物の採捕を禁止している所もある。ただし、ザリガニ釣りに関しては大丈夫だったり、休日にザリガニの捕獲(釣り)イベントを実施するところもあるので、インターネットなどで近くの公園名とザリガニで検索してみよう。
ザリガニ釣りのポイント。まずは杭や草の陰をチェック
ザリガニは杭や水草のある場所を好む。広い水辺を釣る場合はこのような場所をまずチェックしてみよう
ザリガニの飼い方は?
アメリカザリガニは丈夫で飼いやすく、身近に触れ合える水辺の生き物だが、生態系に悪影響を及ぼす恐れのある外来生物でもある。飼えなくなったからと言って、野生に放つのは絶対にやめるべきである。5年ほどある寿命の最後まで世話をするか、飼えない事情ができたときは責任をもって処分をする覚悟が必要だ。
また、共食いの習性があるので、飼育は1つの水槽に1尾が基本。持ち帰る際は最後まで飼える分だけにし、そのほかのザリガニは必ずその場でリリースする。他の池や川には決して放さないこと。
飼う時は、エサは水が汚れにくい、ペットショップで販売されている専用エサがよい。水の量は呼吸がしやすいように、ザリガニの背中が隠れるくらいにし、身を隠せるように石を組んだり塩ビパイプなどを入れてやる。水は週1回を目安に臭わないうちに替えてやれば大丈夫だ。
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