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編集部2021年12月14日

北海道道東・塘路湖のワカサギ・アイスフィッシング 前編

ワカサギ 全国おすすめ釣り場 北海道 NorthAnglers

いよいよ今冬もワカサギ釣りの季節。道東は魅力的な釣り場が目白押しだが、この記事では塘路湖をピックアップ。よく釣ることで知られる女性アングラーのスタイルを拝見。

氷上釣りシーズン到来

写真・文=佐々木大(釧路市)

 いよいよ今冬もワカサギ釣りの季節。道東は魅力的な釣り場が目白押しだが、この記事では塘路湖をピックアップ。よく釣ることで知られる女性アングラーのスタイルを拝見。

 

釧路市から車で40分の塘路湖(標茶町)

 道東のワカサギフィールドといえば阿寒湖や糠平湖、網走湖が有名だが、魅力的なフィールドはまだある。釧路市から車で40分ほどで行ける塘路湖(標茶町)もそのひとつ。春は解氷と同時に短期間ながらアメマスの数釣りが楽しめる湖として地元はもちろん、管外からも多くのアングラーが訪れる。そして冬はワカサギ釣りが楽しめる湖として知られる。

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当歳魚や小型中心のイメージを持っている方が多いかもしれないが、2020年の塘路湖はけっこう型がよかった

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道東太平洋側の標高8mにある塘路湖。冬でも快晴の日が多く、天候に左右されにくい。雲ひとつない景色の下、ワカサギ釣りが楽しめる

 以前から塘路湖に通う知人に「凄く釣る女性がいる。きっと佐々木君も勝てないよ」と聞いていた。その方は、加納萌子さん。私も人並み以上にワカサギ釣りをやってきて「勝てないよ」と言われると興味を抱かずにはいられない。縁あって2020年シーズン、加納さんと一緒に釣りをすることになった。数日前から渋いという情報が流れるなか、「釣れなかったらどうしよう……」と加納さんは心配していたが、やる気は満々といった感じ。初めて塘路湖でワカサギ釣りをしたのは小学生のときで塘路湖歴は長い。

ブドウムシ+軽めのオモリで釣果を伸ばす

 ワカサギ釣りをしている方に塘路湖の印象を聞くと、「釣れるときと釣れないときの差が激しい」などの意見が返ってくる。私の場合、行き当たりばったりで人目(テント集落)を避け、孤立して釣りをすることが多いが、期待外れの釣果に終わることもしばしば。

 そんななか、とにかく釣ると評判の加納さんは2020年シーズン、最高600尾超えの釣果を叩き出している。二刀流でやっていたら1000尾いっていた!? 普段の釣果を聞くと、シーズンを通じて、その日の平均以上は釣っていることが多いようだ。一方の私はというと30尾という日も……。釣り開始前、たくさん穴を開けて魚探で反応を見た後、テントの設営場所を決めていたのが印象的。こうした行動が安定した釣果につながっているのだろう。

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二刀流で各穂先を凝視する加納さん。微かなアタリを見逃さず、どんどん掛けていくようすは圧巻の一語

●ブドウムシ効果?

 2月、日の出と同時に釣りをスタート。朝は食いがたっているはずなだが、前情報どおり状況は芳しくない。私もカメラを構えながら釣りを開始するが、アタリはほとんどない。

 加納さんを見るとブドウムシを使用している。サシよりも濃厚で大量のエキスが出るブドウムシは集魚効果が高く、その有無で大きく差が出る場合もあるという。私も以前、ブドウムシを使っていた時期があった。しかし、付けることで仕掛けの落ちるスピードが遅くなったり、深いポイントで上げ下げしているうちに水中でブドウムシが回転して仕掛けがチリチリになるのが早くなるのがネックだった。が、そうしたデメリットをふまえても効果を実感している方は多い。仕掛けの上げ下げ時に回転しづらい浅い湖ならトラブルも少ない。

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◎釣り座
左右の穴を近づけ、なるべく視野内に穂先をまとめている。若干窮屈そうだが、段差のあるクッションに座り、身体が辛くならないように工夫していた(上)。釣り座中央に置かれたイケスにはワカサギ外し、仕掛け、カウンター、トングをコンパクトに設置(下)

 日が高くなると、徐々にアタリが増えてきた。ブドウムシ効果かどうかは定かでないが、私の単発なアタリに対し、加納さんは頻繁にアタリが出ている。そして確実に掛けていき、みるみるうちに差が開く。アタリの多さや手返しの早さを間近で見ていると、本気でやっても敵わないと感じた。

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◎エサ
ブドウムシは渋いときに試す価値あり(上)。いろいろな方に聞いても集魚効果はサシを切って使うより、はるかにブドウムシのほうが高いらしい。サシは紅サシがメイン(下)。ラビットタイプも試したが、体液の「ジュワッと感」は普通のサシがよく、1匹をカットして使っている

●オモリは軽め

 加納さんの釣りスタイルで目を引いたのはオモリが軽いこと。私は水深が浅くても落とすスピードを速くするためと、ワカサギが暴れて巻き上げ時に氷の縁にハリ掛かりするトラブルを軽減すべく5g以上を使っている。

 一方、加納さんは2~3g。水深により重さを変えるが、塘路湖で4g以上を使うことはほぼないそう。さらに私は底釣りに徹する際、オモリを底に着けてラインをかなり弛ませる反面、加納さんはあまりラインを弛ませない。

 この日は二刀流でやっていたが、トラブルもなく釣り慣れたようす。左右の穴の間にイケスを置き、ワカサギ外しを素早く使って数を伸ばしていく。朝の食い渋りが嘘のように、あっという間に3桁釣りを達成した。

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◎オモリ
いろいろ試した結果、現在はタングステンに落ち着いている。塘路湖では2~4gを使い分けている

日中は底付近をねらう

 どの釣り場も朝夕はワカサギが浮きやすく、日中は底周辺を回游していることが多い。平均水深3mと浅い塘路湖の場合、常に底周辺の釣りになるといっても過言ではない。もちろん日によって中層や表層まで浮き、ワカサギの群れを見ながら釣れることもある。だが、そんな場面は多くない。

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探ったポイントの水深は、3.4~3.5m。終日、反応は底周辺ばかり。3mより上に群れが浮くことはなかった

 加納さんはその辺りの事情を考慮して仕掛けにもこだわっている。最近、使用頻度が高いのはハヤブサ『瞬貫わかさぎ 秋田キツネ型6本針』。全長60㎝で、テント内でも手返しよく使えるという。枝ス6㎝の長い下針付きで、ベタ底を回遊するワカサギを効率よく掛けることができる。また、各メーカーからフッ素コート仕様のハリが出ているが、フッキングのよさから好んで使っている。

 この日も底での反応がほとんど。下から3番目以上のハリに掛かることは皆無だった。仕掛けの間隔から考えると、ワカサギは底から30㎝以内を回遊していたことになる。



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