この話は、つり人社編集部での体験をもとにしています。実在の人物や団体とは120%関係があります。
編集長・ササキの教育的指導で実戦投入。その結果…
文◎黒羽宗俊
この話は、つり人社編集部での体験をもとにしています。実在の人物や団体とは120%関係があります。今回はウッド製ビッグトップウォータープラグの魅力と、つり人社の狂気を感じた1日をご紹介させていただきます。
筆者プロフィール
黒羽宗俊/1989年茨城県出身。10年付き合った彼女との別れ、11年夢を追い続けたバンドの解散、コロナ禍の自暴自棄をバスフィッシングに救われて2021年につり人社の門を叩く。2022年春からレンタルボートに乗りはじめ、オカッパリとは異なる世界観に刺激を受けながら鋭意釣戦中。
高価なルアーが投げられない
今回私がご紹介するのは、ノリーズがアカシブランドとコラボして販売しているウッド製トップウォータープラグ「ベジテーションシリーズ」です。ベジテーションシリーズの中でも私が持っているのはウォッシャー(画像左下)、ウォッシャークローラーフカフカ(画像左上)、ウォッシャークローラーマッスル(画像右上)、ウォッシャジュピタ(画像右下)の4種類。人気が高く、なかなか手に入りにくいルアーですが、たゆまない釣具屋巡りでコツコツと集めました。ちなみに現在の定価は8000円(+消費税)と決して安い金額ではありません。
私がレンタルボートに乗り始めたのは2022年4月のこと。それまではオカッパリで釣りをしていたため、ルアーロストが怖くて希少なルアーや高価なルアーを実戦投入できませんでした。投げたとしても、安全なオープンウォーターに投げてアクションを見て満足する程度です。ボートに乗ってからは、ルアーを引っかけたとしてもボートで取りにいけるし、回収棒やルアーキャッチャーを使えば大抵のルアーは回収することができます。これまでロストが怖くて投げることができなかったルアーだって投げられるはず。
しかしながら、ボートに乗りはじめてからも「高いルアーは投げられない」傾向は続きました。壊れたらどうしよう。万が一取れずになくなってしまったらどうしよう。そんな漠然とした不安から、ベジテーションシリーズをボックスの中に眠らせていました。
投げられないルアーから、絶対的信頼ルアーへ
6月上旬、Basserササキ編集長と新利根川に行こうかという話になりました。テーマは「トップウォーターでデカバスを釣ろう」です。H-1グランプリ(ハードベイトオンリーのバス釣り大会)新利根川戦で準優勝経験もあるササキさんに、おすすめのトップウォータールアーはありますか? と聞いたところ、「新利根川はミズヒマワリみたいなフローティングマットカバーの隙間を釣っていくから、移動距離の少ない首振りができるルアーがいいよ。甘い音で着水音から誘いになるウッドプラグがオススメだな。ウォッシャー持ってる?」と返ってきました。
「持ってはいるが、ナマズに壊されるのが怖いから使いたくない」と答えると「壊されたっていいんだよ! 食ってくれてどうもありがとうございます! だろ!」と手厚い指導を受けました。
このまま話が長引くと精神衛生上まずいと判断した私は「はい!」と食い気味に答えて、言われるがままウォッシャーを使ってみることにしました。いつ行きますか? と尋ねたところ「あした」と食い気味に返ってきました。あ、あした……!? あしたは午前10時から北浦湖畔で佐々木さんと一緒に撮影の予定ですが……。
「10時に北浦でしょ。1時間前集合するにしても新利根川で3時間もボート出せるよ!」
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翌日、水神屋ボートから出船した私たちは対岸に渡り、右岸を新利根川河口方面に向かって船を流しました。ナガエツルノゲイトウやミズヒマワリのようなフローティングマットカバー(以下、水生植物で統一)の際にウォッシャーを投げて、サオ先で「チュッチュッ」とアクションを入れて首を振らせます。水生植物の際に浮いている魚を、移動距離の短いルアーでネチネチねらうイメージです。しかし、なかなかルアーが首を振りません。
「ラインスラックを巻き取りすぎてイトが張っているから、ルアーが首振りできずに前に来ちゃってるな。最初の何回かは空振りしてもいいから、ラインスラックを出したままでサオを動かしてみて。空振りしている時間が着水後の食わせの間にもなるよ」とササキ編集長の指導を受けます。言われてみるとたしかに、いちはやくルアーを動かそうとするあまり、着水後にイトを巻き取っていました。空振りをしてもいいからと自分に言い聞かせて、ラインスラックを出した状態でアクションさせはじめることを意識してみると、だんだんと首振りがしやすくなりました。
ウォッシャーを実戦投入して気付いたことが3つあります。
1つ目は投げやすさ。ボディーが約63mmと小ぶりながら重量は1oz弱あるのでピッチングがしやすく、ねらった場所に入れやすいと感じました。
2つ目は着水音。プラスチック製ルアーとは違う「はちゅ」というウッドの甘い着水音に興奮。落ちパクとはこの音のためにあるような気がしました。
3つ目はアクション。首を振ってアクションをするときのヌメッと水にまとわりつくようなターン。M-1グランプリ2022準優勝のさや香の言葉を借りるならば「めっちゃエロいやん……」。
200mほど流したころ、岸から沖に向かって岬状に張り出している水生植物の先端の一部がポケットのようにわずかに凹んでいる場所がありました。「あそこいそうだな」とピッチングでキャスト。2回首を振らせてポーズを入れた次の呼吸。「ちゅぽ」と小さな音でルアーが消し込まれました。
その日以来、私はべジテーションシリーズの虜になりました。
ウォッシャーで釣った1尾目。48cmのブリンブリンなバスでした
2尾目。水生植物のポケットに、着水音が強く出るように弾道を高くして落としたら食ってきました。確信犯的落ちパクと言わせていただきます
ササキ編集長は風が吹き始めたタイミングでジュピタを投入。より強いアクションでアピールさせてバスをキャッチしました
僭越ながら、簡単にべジテーションシリーズに対する私の所感(というか思い出)を述べさせていただきます。
ウォッシャー
ただ巻きでもアクションするが、おもに首を振らせて使ういます。食べごろサイズなため登板が多いです。ラインはPE5号直結。写真は6月11日に新利根川で開催されたトーナメントTHE BATTLE2022に出場した際に釣った1尾。足が震えました
ウォッシャジュピタ
首を振らせて使います。ウォッシャーが「ヌメッヌメッ」ならジュピタは「ジュッジュッ」と強め。カバーが濃いところでも強いアクションで誘うことができます。それなのでダブルフックに変えて、カバーに入れ込んでいます。ラインはPE5号直結
ウォッシャークローラーフカフカ
ハネモノ+腹部にブレード。中高速リトリーブでカンカン音を出して使っています。巻き物用のタックルで使用しています。2022年8月に行われた片倉ダムでの編集部対決では、先輩たちの圧力にたじろぎながらも1尾目を釣ることができました
こちらは亀山湖での1尾。冠水している木の横を通したときにルアーが消し込まれました
ウォッシャークローラーマッスル
ハネモノ。バズベイトを巻くような感覚で使っています。このルアーを世に送り出した田辺哲男さんは、三島湖の取材時にシェイク引きで使っていました。まだ釣ったことがないので2023年こそは釣りたいです
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