第37回シマノジャパンカップ鮎釣り選手権全国大会が開催され、上田弘幸選手が同タイトル初優勝を果たしました。決勝の結果は上田選手がオトリ込みで25尾、小澤選手が20尾、小林選手が18尾。
まとめ◎つり人オンライン
強豪が揃いの24名が2日間にわたる激闘!
8月31~9月1日、岐阜県郡上市を流れる長良川で第37回シマノジャパンカップ鮎釣り選手権全国大会が開催された。
地区予選そしてセミファイナルを勝ち上がったのは、東日本大会から9名、中日本大会から6名、西日本から6名。そして昨年の上位3名のシード選手を合わせた24名が2日間にわたる激闘を繰り広げた。
今大会の参加選手の顔ぶれは現代アユ釣りトーナメントを席巻する強豪ばかり。まず小澤剛選手が小国川予選、東日本のセミファイナルを勝ち上がって4大会ぶりに全国の舞台に帰ってきた。またダイワ鮎マスターズで3度の優勝に輝く上田弘幸選手、G杯2連覇の谷川光之選手ほか、小林正幸選手、島啓悟選手、猿渡俊昭選手、三嶋英明選手、君野貴文選手、西部俊希選手とメジャー大会で優勝したことのある名手揃いだ。
シマノの全国大会は90分の予選リーグが6試合行なわれる。ABCDのブロックに6名ずつが分かれて主に勝ちポイントによる点数で24名の総合順位が決まる。
勝ちポイントの加算方法は各ブロック6名の1位選手は6ポイントが与えられ、2位以下は1点ずつポイントが減り、再下位は1点となる。また同尾数によるタイとなる順位は0.5ポイントが引かれ、たとえば1位タイが2名いれば各5.5ポイントとなる。そして6試合を終えた時点で総合順位が3位までの選手が決勝の舞台に立つことができる。
予選ブロックのエリアは本部となる奥長良ウインドパークを中心にABが名皿部橋上流から下万場橋、BCが釜淵橋上流の桜並木から杉ヶ瀬ヤナ下流の淵まで。上流ブロックにはたぐり漁が入り、川相もフラットで流れが乏しい釣り場が多い。一方CDは荒瀬やトロ、岩盤帯に大岩も多く起伏があって変化に富んだ川相だ。
初日の4試合を終えて、暫定トップに躍り出たのは小澤剛選手だ。得意の瀬釣りで真っ向勝負し、落ち着いた試合運びで勝ち点22ポイントを獲得。特にCDブロックとなった予選3試合、4試合は絶好調で予選3試合目には全予選通じてのトップ釣果となる21尾(オトリ込み)を釣りあげた。2位につけたのは上田弘幸選手。4試合通じてABエリアという厳しい釣り場が続くなかでヘチを徹底的に探る垂直引き泳がせが功を奏して勝ち点20ポイントを獲得。3位は日比野健太郎選手で勝ち点が18.5ポイント、4位が小林正幸選手で18ポイント、5位が三嶋英明選手で17.5ポイント、6位が松本優吾選手16.5ポイント、7位が金沢辰巳選手16ポイントと続き、この7位までの選手が2日目の予選5試合、6試合でどう勝ち点を重ねるかという展開になった。
2日目。午前6時45分に予選5試合目がスタート。Bブロックには小澤剛選手、日比野健太郎選手、三嶋英明選手が同組となり、星の潰し合いとなるのは必至。Cブロックには小林正幸選手と松本優吾選手が同組。Dブロックには上田弘幸選手がいて、上田選手はブロック内で大きく順位を落とさない限りは安泰の組み合わせといえる。そして小澤、上田の両選手は安定感のある釣りを見せる。小澤選手はブロック順位1位で6ポイントが加算され28.5ポイントで総合順位もトップ独走の態勢に入る。Cブロックの上田選手はブロック順位2位ながら5ポイント加算で25ポイントなり総合順位も2位をキープ。一方、初日3位だった日比野選手は5試合目に釣果なしで総合順位を9位まで落とし、3位に浮上したのはCブロックを戦った小林選手。5試合目の序盤は釣果が伸びなかったものの後半に一気に追い上げて1位タイ。これで5.5ポイントが加算されて勝ちポイントは23.5に伸びる。またAブロックを1位で抜けた金沢辰巳選手も一気に勝ちポイントが加算されて22ポイントとなり4位に浮上。
そして運命の5試合目、小澤、上田両選手は盤石の釣りを見せて1位小澤(勝ち点32.5ポイント)、2位上田(勝ち点31ポイント)のまま決勝進出。3位となったのは小林選手(勝ち点27.5ポイント)である。4位の金沢選手とは勝ち点0.5ポイント差という僅差で決勝に勝ち進んだ。
決勝は本部前の奥長良ウインドパークで12時からスタート。ABCの3ブロックに分かれ、40分(インターバル15分)毎に場所を入れ替え、3試合の総釣果を競う。
1ラウンド目は小澤剛選手がA、上田弘幸選手がB、小林正幸選手がCに分かれて試合開始のホーンが鳴る。ロケットスタートを決めたのは小澤剛選手。開始8分の間に4尾を掛ける早業でギャラリーを沸かす。しかしすぐに上田選手が追い上げる。20分が経過した時点で小澤6尾対上田6尾。小林選手が4尾という接戦が展開していく。
1ラウンド目を終えるころには上田9尾、小澤8尾、小林5尾となり、2ラウンド目が始まると小林選手が3連発をして追い上げにかかるも上田選手のほうがさらにハイペースで掛けていく。
3ラウンド目突入時のスコアは上田15、小澤12、小林11。最終コーナーでは上田選手はAブロックのトロ場をテンポよく、かつ丁寧にオトリを泳がせて探り好循環を導き出す。小澤選手も変化に富んだCブロックの瀬でなんとかまくろうとするが、上田選手のペースには追い付けない。
結果は上田選手がオトリ込みで25尾、小澤選手が20尾、小林選手が18尾となり、上田選手がジャパンカップ初優勝を果たした。
「今回のジャパンカップは郡上の地区予選、郡上のセミファイナル、そして郡上の全国大会とすべてトップで頂点に立つことができました。今年の郡上はサオをベタっとして引く釣りがあまり効かず、泳がせんと掛からん状況が続いていました。この全国大会もまさにそうで、状況にアジャストできたことが勝因だと思います」と笑顔で語った。
強豪が揃いも揃った今大会。頂点に立った上田選手の実力は、まさにトップトーナメンターである。
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