ガツンとオトリに体当たりをかました瞬間、ハリスや中ハリスに負荷がかかる。大きなアユになれば悠然と仕掛けを切る。だから強い仕掛けが必要だ。強度を引き出すキモは何か?友釣り歴60年のベテランに聞いた。

解説◎平井幹二(ひらい・かんじ)
写真と文◎月刊つり人編集部
相模原市在住、71歳。GFG(がまかつファングループ)関東地区の本部長。所属するサッカーチームでは現役バリバリのエースストライカー。今年は桂川水系の支流を中心に釣り歩いている。
目次
鮎釣りの仕掛けはなぜ切れるのか|強度を左右する"結束部"の作り方
シーズン後半になると25cmがアベレージという河川も多くなる。25cmクラスなら切れない仕掛けも、28cm超が掛かればあっさり切れてしまうことは充分にある。ここでは複合メタル0.2号を水中イトに使い、25~28cmまで対応する仕掛けの作り方を解説する。
大切なのは結束部
仕掛けの強度はイトの太さだけで決まらない。イト本来の強度を引き出す前にどうしても弱くなるのが結束部、いわば仕掛けの弱点だ。それでも正しく丁寧に結べば強度は落ちない。つまり結びの差が釣果の差につながる。
編み付け+瞬間接着剤が基本|結束の差が釣果の差になる
最近は完成度の高い完成仕掛けが増え、編み付けを覚えなくても釣りはできるようになった。しかし何回も使えば中ハリスが切れたりクセが付いたりする。アユの完成仕掛けは高価なぶん使い捨てにできる人はごく一部で、再利用する人も多いはず。傷んだ中ハリスを交換する際には、やはり結び方を知っておく必要がある。
複数の種類のイトを組み合わせるアユの仕掛けでは、結束は編み付けと瞬間接着剤の使用が基本。まとめて何本も作ることが多いため、結びに慣れていないと強度にばらつきが出てしまう。自身がやりやすい結び方を練習し、安定して結べるようにしておきたい。なお、仕掛けづくりには編み付け器が必須だ。
仕掛けの構造を考えたとき、結束部が少ないほど強度は安定する。平井さんの仕掛けはいたってシンプルで、使うイトも結束箇所も必要最低限だ。
結束を減らして強くする|下付け・上付けイトを省く「ワンピース仕掛け」
平井さんの仕掛けは下付けイトを使わないワンピース仕掛けだ。下付けイトは細いものを使い、水切れをよくしたり高切れを防いだりする役割があるが、それは弱点にもなる。
中ハリスを直接水中イトへ接続するワンピース式は、結束部がひとつ減る分、安定した強度を出しやすく手間も省ける。平井さんが好んで使う理由だ。また、平井さんの仕掛けは上付けイトもない。
複合メタルの水中イトに天井イトを直接編み付けており、ここでも結束箇所がひとつ減って安定した強度が出せる。
ワンピース中ハリスの全長はオトリアユの体長の1.5~1.7倍が目安。25~26cmなら45cm程度だ。もっと長く取る人もいる。オトリに近い部分はどうしても石に擦れるため、中ハリスを長く取れば石擦れに強くなる。
ただしオトリのすぐ上に太いイトが増えると水の抵抗が増し泳ぎが悪くなるため、長く取りすぎるのもよくない。
編み込み回数と接着剤の塗り方に注意|ハナカン部の結束強化
ハナカンの編み付けも強度を意識したい。ここから切れることも充分にある。平井さんは中ハリスに編み付けイトを巻き付けて固定し、最後に結び目のみに瞬間接着剤をしっかり塗布する。巻き付ける回数が重要で、編み付けイトがPE0.6号なら9回がベストとのこと。ただし力加減や使うイトの太さで変わるので、各々で巻き付け回数を調整したい。
25~26cmが平均サイズなら、水中イトは複合メタル0.2号を平井さんは選ぶ。長さは釣り場に応じて調節したい。大河川でサオを水面ギリギリまで寝かせるような流れをねらうなら長くする必要があるが、関東エリアなら3mあれば充分とのこと。水中イトに中ハリスを編み付け、結び止めたら瞬間接着剤を塗布する。編み込みの末端から半分程度に塗るだけで充分で、編み込みが始まるところまで塗ると強度が落ちるので要注意。天井イトと水中イトの接続も同様に編み付けて瞬間接着剤で止める。
天井イトの折り返し部分は、他の編み付けイトを使わず天井イトの端イトを編み付けて遊動するようにし、最後は片結びで固定する。穂先にはぶしょう付けで接続するため、できた折り返し部に新たに切り出したイトで作った輪を通せば仕掛けの完成だ。
強度をなるべく落とさずに仕掛けを作るコツを聞いてみた。「使うイトは余裕を持って切り出すことです。余裕があれば結びやすくなり、安定した強度が出せるようになります」
この記事は月刊『つり人』2021年10月号に掲載したものを再編集しています。
