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編集部2022年3月27日

【シロギス釣り】投げ釣りトーナメント優勝者が実践するテンビンの使い分け 前編

シロギス 釣りの仕掛け集

 『投げ釣りパラダイス2022』では、テンビンとオモリの使い分け最前線を特集! 今号の特集記事の中からイチオシ記事を特別公開!シマノジャパンカップ(投)キスで3回優勝、神奈川サーフ所属の伊藤幸一さんが、自身が最先端の競技シーンで使用している5種類のテンビンとその使い分けを詳細に明かす! 

トーナメンター・伊藤幸一さんが競技の世界で使用する5種類のテンビンとは?

伊藤幸一=写真と文

 『投げ釣りパラダイス2022』では、テンビンとオモリの使い分け最前線を特集! 今号の特集記事の中からイチオシ記事を特別公開!

 シマノジャパンカップ(投)キスで3回優勝、神奈川サーフ所属の伊藤幸一さんが、自身が最先端の競技シーンで使用している5種類のテンビンとその使い分けを詳細に明かす! 

伊藤幸一(いとう・こういち)
1971年生まれ。神奈川県在住。シロギスの引き釣りが好きで、地元の湘南エリアをメインに全国を釣り歩く。トーナメンターとして有名で好成績を残す。シマノジャパンカップ(投)キスで3回優勝。神奈川サーフ所属。

投げ釣り競技でテンビン&オモリは注目度が高い

 現在、シロギスの引き釣りにおいてロッド、リール以外で一番注目されているタックルがテンビン&オモリである。最近ではストレートなテンビンや半遊動で一定の範囲だけ動くもの、あるいは形状記憶合金を使用したテンビンなども自作されている。

 オモリも工夫が施され、発泡素材、木材を使用したものもよく目にする。オモリの浮力材の部分にもさまざまなカラーリングが施され、黄色やピンク、ゴールド、シルバーなど、比較的目立つカラーが流行っている。効果のほどは定かではないが、トーナメント優勝経験者なども使用していることから、何らかの効果を感じているのかもしれない。

 私の場合は大きく分けて5種類のテンビン&オモリを使用しているので、その特徴や使い分け方などを紹介しよう。

伊藤幸一さんのテンビン:コーキング材先端部をデルナーテンビンに被せたもの

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1、コーキング材先端部をデルナーテンビンに被せたもの

 このテンビンはL型ブラテンにしたもので、浮力体はコーキング材先端部の円錐状の樹脂材をデルナーテンビンに被せて使用している。内部には発泡トレーを細かくカットしたものを入れて浮力を増している。あまり詰め込まないことがポイント。

 このタイプは沈み根が点在する場所や、波口を探る場合にコブシ大の石があるような所で使用する。浮力体が入っていることで幾分浮き上がりが速く、かつ円錐状の樹脂は石の間をうまく抜けてくれ、滑りがよいのも気に入っている。

 こういった浮力体が装着されたオモリは巻き上げ抵抗が大きく、テンビンが揺れながら上がってくることが多い。しかし、このコーキング材先端部の円錐形状は細身で鋭角であることから水切れがよく、巻き上げが軽いのが特徴。さらに一定のテンションを確保しながらラインを巻き上げることが可能なので、バックラッシュなどのトラブルも軽減してくれる。アタリも大きく出て、かつシロギスの前アタリも確実に感じることができる。また、L型ブラテンなのでアームのバネ性も効いており、ハリ掛かりがよいので結構気に入っている。

伊藤幸一さんのテンビン:ジェットテンビンL型改造

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2、ジェットテンビンL型改造

 富士工業製のジェットテンビンを改造してL型にし、しかも間に発泡材を入れた仕様に仕上げている。ジェットの羽は飛距離を稼ぐためカットしており、空気抵抗と浮き上がりのバランスをとっている。

 手前にアマモや沈み消波ブロックなど障害物がある場所で、しかも飛距離が必要で沖から早く仕掛けを浮かしたい場合に使用する。間に発泡材を噛ませることで、一度浮いてしまえばリーリングスピードを落としてもすぐには沈まず、ロングリーリングでも安心。

 私がよく使用するフィールドは京都府宮津湾・天橋立や地元の神奈川県小田原の御幸が浜海岸(100m付近に沈み消波ブロックがある)である。

 スムーズに浮かせるにはちょっとしたコツがいる。最初からゴリ巻きでも浮き上がらないことはないが、ただ重いだけで思ったほど急浮上してこない。越したい障害物の約1色先から通常の速さのリーリングで巻き始め、テンビンが底を切って浮上し始めたらリーリングスピードを速める。障害物を越すころにリーリングスピードがMAXとなるように調整する。 

 よくあるのが水深のある場所で沖から早く浮かせようと速めにリーリングすること。それはよいのだが、腕に負担がかかって肝心な障害物付近でスピードが落ちてしまう。一度浮き始めたテンビンを沈ませないくらいのスピードで巻き上げるとスムーズに障害物をかわすことができる。

 ジェットの羽は大きいほど水流を大きく受けて浮き上がりはよくなるが、その反面、キャスト時には抵抗となる。かなりの飛距離ダウンとなるので、投げる距離と水深、障害物の高さなどで羽の大きさも数種類あったほうがよい。

伊藤幸一さんのテンビン:タングステン素材のL型ブラテン

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3、タングステン素材のL型ブラテン

 パイロット的に使うテンビンで用途は幅広い。近場の波口から、ハリ数にもよるが7色付近までの距離をカバーしてくれる。特徴はタングステン素材のオモリを使用している点である。近距離でタングステン? と思う人がいるかもしれないが、近距離こそぜひ使っていただきたい素材なのである。

 タングステン素材のオモリは硬度が高い。その硬さがサビキ時には高感度となり底の状況を逐一伝えてくれるのである。また硬い素材ゆえサビキ時の滑りもよく、カケアガリや小さなヨブまでしっかりと情報を伝えてくれる。日本海側でよくあるカケサガリの規模や深さなど、ナマリ素材ではボヤけて分かりにくいケースでもしっかりと把握できる。私はこのテンビンで通すことが多い。

 テンビン部分は、軸部は1mmのステン線で長さは140mm、アーム部は0.8mmのステン線で長さは130mmにしている。テンビンとオモリの接続は、それぞれ輪っか同士をくぐらせているが、そのままだとキャスト時の飛行姿勢が悪く、またブラブラの状態だとサビいた時、ヨブを通過する際に「コクッ」とした首振り振動が伝わる。余計な情報として伝わってくるので、私はささめ針の浮きゴム管(2mm)を被せて動きを制御している。

 それぞれの接続部だが、アームと軸はWスリーブ(ダルマスリーブ)でカシメてからハンダ付けしている。テンビンのアイ(輪っか)も同様にハンダで処理している。ささめ針・アスリートタングステンテンビンの27号、30号をベースにしている。

 基本的に連掛けを想定したセッティングとしている。ブラテンなのでテンビンの重さを介さず前アタリが伝わり、最初のシロギスのアタリを捉えやすい。その後にフッキングとなる訳だが、アームを0.8mm線に替えているのでアタリを弾きにくく、シロギスの乗りをアシストしてくれる。

伊藤幸一さんのテンビン:タングステン素材のL型固定ショートアーム

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4、タングステン素材のL型固定ショートアーム

 軸側のステン線は1mmで長さが100~120mm、アーム側は1mmの軸を折り返して15mmほど残し、0.6mmのステン線を繋いで90~110mmにしている。用途はズバリ!超遠投。100~90mmバージョンはハリ数5本まで。110mmバージョンはハリ数8本までとしている。 

 砂ズリとテンビンアームの接続は直結としスナップサルカンは使用しない。空気抵抗を小さくし、さらに絡み防止のためだ。

 アームの繋ぎは内径1mmのステン管と外径1mm、内径0.6mmのスリーブを介して0.6mmステン線を圧着+ハンダ付けで接続している。Wスリーブより圧着力が低いので充分注意が必要。

 ショートアームにするとステン線が硬くなり、バネ力が強すぎるので0.6mmにしている。空気抵抗の軽減にも繋がる。テンビンのアイ(輪っか)もできるだけ小さく作り、空気抵抗を軽減させる。このようにショートアーム仕様は遠投釣りに特化しており、空気抵抗軽減に注力した仕様となっている。

伊藤幸一さんのテンビン:ノーマルアスリートタングステンテンビン

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5、ノーマルアスリートタングステンテンビン

 販売されたままのものがささめ針のアスリートタングステンテンビンである。私がプロデュースしたテンビンで、飛距離アップとオートマチックなハリ掛かりを両立させたテンビンになっている。

 シンカーの形状に一番こだわった。試作から最終プロトまでテストし、数種類の中から一番飛距離のよかった形状を採用した。ハリ掛かりに関しては、1mmのステン線で硬さの違うものをいろいろと試し、これも掛かりのよかったバネ性のあるステン線を採用した。アーム長もバネ性と掛かりのよさ、飛距離と多点バリを使用した時の両立を考え、130mmが最適と考えた。釣り場で迷った時はこのテンビンを使用してようすを見ることにしている。

 

後編「伊藤幸一さん流のテンビンの使い分け」に続く……。

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