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編集部2019年6月10日

堤防釣りは竿1本で楽しめる! 仕掛けを替えていろんなターゲットをねらってみよう

アジ アオリイカ シロギス イワシ 魚種別釣りガイド

海釣り入門に最適なのが堤防だが、ターゲットに合わせたタックルや寄せエサを揃えるのは大変。そこで、誰でも手軽にチャレンジできるようにサオ1本で楽しめる堤防フィッシングをお教えしよう!

アジ、イワシ、アオリイカ、シロギスetc...ワンタックルでOK!

写真と文◎時田眞吉

海釣り入門に最適なのが堤防だが、アジやイワシを釣るならサビキ釣り、クロダイ、メジナならウキフカセ釣り、回遊魚やマダイならカゴ釣りと、ターゲットに合わせたタックルや寄せエサを揃えるのは大変。そこで、誰でも手軽にチャレンジできるようにサオ1本で楽しめる堤防フィッシングを紹介します!

ワンタックルでOK


 まず用意するタックルだが、キャスティングが可能な3~4mのサオを選びたい。具体的にはエギングロッドやシーバスロッドが使いやすい。これにPEラインの1~1.5号が100mほど巻ける小中型スピニングリールをセットすればOK。

01_IMG_0132 エギングタックルなどが1セットあれば、多彩なターゲットをいろいろな釣り方で楽しむことができる

 そして、必ずライフジャケットは着用するようにしたい。また濡れていたり、ノリが付着している堤防も中にはある。そんな場所は非常に滑るため、滑り止めの靴(スパイク)が必要となる。ライフジャケット同様、釣り人の命を守るアイテムの1つだ。

 また、これから気温の上昇する季節となるため帽子と偏光グラスは必需品。特に偏光グラスは目の保護だけではなく、海面の乱反射を防ぎ水中が見やすくなるため、ポイントを捜す場合にも役立つのだ。

 そのほか、飲食物や釣れた魚を保冷しておくクーラー、手を洗いたい時に海水を汲み上げるロープ付き水汲みバケツなどもあると便利だ。

朝マヅメは、投げサビキでアジ!


01_IMG_4499 手軽な堤防は海釣り入門にも最適。丸1日釣りを満喫しよう!

 釣ってよし! 食べてよし! の堤防フィッシングターゲットがアジ。夏から秋にかけて、関東沿岸どこでもアジを釣ることができる。もちろん、房総半島や伊豆半島など、潮通しのよい地域ならなおさら。東京湾内でも大黒海釣り施設や、本牧海釣り施設など、手軽な釣り場でも釣果が手にできるのだ。

 ただし、いつ行っても必ず釣れるという訳でもない。アジは回遊魚。魚の群れが回ってこなければ、もちろん釣れない。いつ回遊してくるかは魚しだいなので、できるだけ回遊してくる確率の高い時間帯に釣行するのが肝心。

02_IMG_9589 アジは回遊魚。群れが入ってくれば数釣りも夢ではない

 その時間帯とは日の昇る直前と、沈む直前……そう朝夕のマヅメ時。回遊魚たちが一番活動的になる時間帯である。使用するのはサビキ仕掛け。寄せエサのアミエビは必要なし。サビキ仕掛けは、寄せエサとして撒くアミエビに似せた擬似バリで魚を掛けるルアーである。だから、サビキ仕掛け単体使用でも魚は掛かってくる。

02_IMG_0698 朝マヅメがチャンスタイム。堤防の先端から思いっきりキャストしよう

 投げサビキに使用する仕掛けは市販品のアジねらい用でOK。ただし、沖釣り用ではなく堤防、波止用と明記されたサビキを選びたい。注意したいのがハリの大きさと幹イトの太さ。近ごろでは投げサビキ専用の太ハリス仕様などもリリースされている。アイテム的に魚皮とスキンをそれぞれ各1種類ずつ持参すると万全だ。

02_IMG_0845 近ごろでは投げサビキ専用の市販仕掛けも手に入る



 また、市販のサビキ仕掛けはハリ数が6本前後と長いため、2~3本の枝バリをカットしたほうがキャストしやすくなるはずだ。そのサビキ仕掛けをミチイトに装着し、ナス型オモリの3~5号をセットすれば準備OK。

 ポイントは寄せエサを使用しないため、アジの魚影の濃い場所を捜すことが大切。基本的に潮通しがよく、水深があるところをねらう。水深のある堤防先端から外向き、コーナー部にかけては、潮の動きに変化のある1級ポイントだ。

 釣り方は至極簡単。仕掛けをキャストして着水後ただ巻きするか、海底近くまで仕掛けを沈めてから、シャクって落として、シャクって落としてを繰り返して足もとまで探ってくる。基本的に、アジはサビキ仕掛けが落ちていくヒラヒラに反応して食いついてくるので、シャクってばかりではヒットは望めない。仕掛けがオモリに引っ張られて落ちる時間を与えてやることが大切だ。

02_IMG_0093 投げて巻くだけでアジが食ってくる。女性でも簡単にトライできる

アジが釣れたら、アオリイカねらいに変更


陽が昇りきるとアジの食いも一服することが多い。サビキ仕掛けを餌木にチェンジ。エサとなるアジが回遊していたなら、それを捕食しにアオリイカが周辺にいる可能性も高いはず。PEラインにフロロカーボンの1.5~2号を1mほどリーダーとして結ぶことをお忘れなく。

03_IMG_0693 藻場に寄ってくるアオリイカ。タイミングが合えば数も望める

 ポイントはアジの釣れた場所だが、偏光グラスで水中をぐるりと見回して藻のありかを確認すること。足もと周辺に密生する海藻だけでなく、できるだけ沖に点在する海藻まで見つけたい。そこまでして海藻を意識する理由は、アオリイカが海藻の周りに集まる習性を持っているためだ。四国方面では、アオリイカのことを「モイカ」と呼んでいるくらいだ。

 海藻の周辺に集まってくる理由は、海藻が産卵床となっているためアオリイカたちは春から初夏にかけて卵を産み付けるために海藻周りに集まってくる。従って、見えにくいアオリイカを直接捜すより、海藻の生えている場所を見つけるほうが手っ取り早い。


 使用する餌木は3~3.5号。カラーは定番のピンクとオレンジに地味系のグリーン、ブラウンを加えた4色を基本にするとよいだろう。

03_IMG_5087 餌木は3~3.5号。カラーは定番のピンク、オレンジのほか何色か用意していくとよい

 釣り方は餌木の着底を確認した後、大きく2~3回シャクって再度着底。その繰り返しで足もとまで探ってくるのだが、産卵のためにやってくる大型は底近くにいることが多い。

 そのためシャクリは一切行なわず、ボトムの形状をトレースするような気持ちで餌木をゆっくり引き続けるただ引きも効果的。着底した餌木をそのまま引き始めると根掛かりしてしまうため、ロッドをあおっていったん浮かせ、浮かせた状態からタダ引きを開始する。

 ロッドを水平に構え、リールのハンドルをゆっくり回し、底をトレースするように餌木を引く。アタリは海藻が引っ掛かったように一瞬重くなり、直後にグーングーンとアオリイカ特有の泳ぎが伝わってくる。ただし海底の根や起伏の激しい所では、根掛かりが連発し閉口するので注意が必要だ。


◆関連記事 アオリイカを本格的にねらってみたい方にはこちらが参考になります。
千葉県勝浦市・松部漁港のアオリイカ釣り

日中は、テンビン仕掛けでシロギスねらい


 さて、太陽が頭上近くになると回遊魚やイカたちの活性は低くなるが、活発にエサを食べる魚もいる、それがシロギス。初夏は数釣りが楽しめる絶好のシーズン。餌木をテンビンオモリに付け替えるだけと準備も簡単だ。

 しかし、本格的な重いテンビンオモリや、長さのある投げ釣り仕掛けは使えない。そこで登場するのが、釣具店に並ぶ「チョイ投げ仕掛けセット」。短めの2本バリ仕掛けに、5~8号のテンビンオモリも同封されていて、これひとつあれば、すぐにチョイ投げが楽しめる。

04_IMG_0111 小型テンビンと仕掛けがセットになった市販仕掛けが便利

04_IMG_07021 幹イトに50本の枝スが連結された市販仕掛け。ハリも小型でシロギスの吸い込みも抜群

 また、小型のテンビンと仕掛けを別で用意してもよい。仕掛けはシロギス専用で50本の枝バリが連結されたアイテムが使いやすい。ここから2、3本ほどのハリ数本をカットしてテンビンに結び付ければいいだけ。

 テンビンに仕掛けを結ぶ際、枝ハリスまでの距離が短いかな……と、気になる場合は、リーダーとしてフロロカーボンの2号を30㎝ほど付けておき、ヨリモドシを介して仕掛けを接続する。

 エサはアオイソメやジャリメなどのイソメ類をハリ付けするのだが、生エサが苦手だったり、時間的に買い求められないようなら、「パワーイソメ」や「ガルプ」などの人工エサや、水で戻す乾燥イソメなども利用できる。エサの大きさはハリの大きさプラス1㎝ぐらい。あまり大きく付けすぎると、アタリはあるもののハリ掛かりしないので注意。

04_IMG_0188 ハリ付けするのはジャリメやアオイソメ。苦手な方は人工イソメでもOK


ポイントは堤防の上から海を見て判断したい。黒く見える藻場&岩礁帯と、白い&青い砂地がハッキリ見えるはず。アオリイカでは黒く見える海藻帯の際へキャストしていたが、シロギスを釣るなら、青白く見える砂地を狙うのだ。

04_IMG_0436 初夏のシロギスは数が楽しめる絶好期だ

 青白く見える砂地へ向けて仕掛けを投入。スプールをフリーにしてオモリの着底を待つ。底に着けばイトの出が止まるのですぐに分かる。そこから、ゆっくりと仕掛けをサビいてくる。サビくとは底を感じながらゆっくりトレースすること。テンビンオモリをズズッと引いてくるのだ。 リールを巻いて動かすのでは意味がなく、サオ先でズズッ、スズッと動かしたい。こうすることで、海底のようすをサオ先で感じ取れる。もし、ズズズッというテンビンの動き方が、ズーンと重くなったら、ヨブと呼ばれる砂浜の起伏がある証。そんな場所にシロギスたちは付いている。

 ヨブやカケアガリなどの変化のあるところを見つけたら30 秒ほど仕掛けを落ち着けて、魚の食う時間を作ってやるのも効果的。アタリがなければ、またズリズリとサオ先で仕掛けを動かす、この繰り返しだ。

 アタリは明確で、サオ先を大きく震わせるがアワセは不要。掛かった時にテンビンの作用でハリ掛かりさせるからだ。何投かしてアタリが遠くなったら、左右にズレて探ってみると、またアタリが続くはず。

 そして夕マヅメのチャンスタイム到来となれば、投げサビキでアジをねらうもよし、じっくりエギングで大型アオリイカに挑むのもよし! タックル1つと、サビキ仕掛け、餌木、チョイ投げ仕掛けセット&イソメエサ……これだけで堤防フィッシングを1日堪能できるし、クーラーにはうれしいお土産も詰め込めるはず。ぜひ、お試しいただきたい。

◆関連記事 シロギスを本格的にねらってみたい方にはこちらが参考になります。
大阪府貝塚市/貝塚人工島のシロギス釣り


なんでもいいから魚を釣りたいときはこれ!


 アジも回遊せず、アオリイカの姿もない。どういうわけかシロギスも音沙汰なし。自然を相手にしているだけに、そんな場合もあり得るのだ。なんでもいいから魚を釣りたい! そんなオデコ逃れの術をお教えしよう。

kakomi_ph_02 市販されているカワハギ用のドウヅキ仕掛けがおすすめ


 まず、障害物などを隠れ家にするのが魚の習性。となれば、堤防自体が魚の付き場と考え、その周りをねらうのである。堤防の際には海草やエビ、カニなどの甲殻類、貝類などが付着している。それをエサとする魚たちは必然的に堤防の際へと集まってくる。堤防の際は、岩礁帯の海底と同じ役割を持っていると考えてよい。

 そんな魚たちを手にする方法がイソメをエサにしたドウヅキ釣り。キツネバリ1~2号クラスの小バリを使ったカワハギ用のドウヅキ仕掛けをバッグに忍ばせておくとよい。

 釣り方は、堤防の際に仕掛けを沿わせて上下のタナを探るだけ。底近くでアタリが出ることもあれば、中層でアタリが集中することもある。メジナやメバル、カワハギにカサゴなど多彩なターゲットが期待できる。

kakomi_ph_04 堤防の際ギリギリに落とし込んで海底から宙層までを探ってみる
この記事はつり人2018年7月号でも読むことができます

 



2019/6/10

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