暖かい黒潮が最後に接岸するのが外房エリアだ。温暖な地域を好むアオリイカ。太平洋側では、今回紹介する勝浦エリアが、ねらって釣れる最北端のエリアでもある。
アマモ場の居着きを直撃
渡邉長士◎レポート
レポーター=渡邉長士
昭和56年生まれ。千葉県いすみ市在住。「釣れる魚は釣れる時に釣る」をモットーに地元の房総半島を中心に旬な魚を常にねらっているマルチアングラー。釣りは5歳の時から始め、アジング歴は10年以上
この記事は『つり人』2016年7月号に掲載したものを再編集しています。
この時期のアベレージサイズは1㎏クラス
過去にはキロオーバー13バイ!
暖かい黒潮が最後に接岸するのが外房エリアだ。温暖な地域を好むアオリイカ。太平洋側では、今回紹介する勝浦エリアが、ねらって釣れる最北端のエリアでもある。松部漁港が位置するのは勝浦湾内の西部。湾内なので荒波が打ちつける外房でありながら普段は穏やか。北側と西側には山が迫っているので、エギングの大敵となる風にも強い。
港の内外は水深がおおよそ4m前後とエギングがやりやすい。底質は砂地が多く、場所によっては岩礁帯がある。岩礁帯にはカジメやワカメ、砂地にはアマモなどの海藻が点在する。
外房エリアは早ければ3月からアオリイカが釣れ始める場所もあるが、松部漁港は5~7月がハイシーズン。その理由は松部漁港の周辺がアオリイカの産卵場所に適しており、外房エリアの産卵時期となる5~7月が最もアオリイカが多い。
平均釣果は日によってバラツキはあるものの、産卵時期なので海藻帯には居着いているアオリイカが少なからずいる。この時期のアベレージサイズは1㎏前後で最大では2・5㎏クラスがねらえる。
港の外側では群れが入ると連続でヒットすることもあり、過去には1時間ほどで1~2㎏サイズを13バイキャッチしたこともあった。
エギング超思考法
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太めのラインで藻際をねらう
タックルは8~9フィートのエギングロッドにリールはダイワなら2500番。ギアはノーマル、ハイギアのどちらでもOKだが、個人的には海藻帯の際までねらいたいので素早く回収できるハイギアがおすすめ。ラインはPE0・5~1号にリーダーはフロロカーボンの2~2・5号が基本だが、やや太めのPE0・8号前後にリーダーは2・5~3号がおすすめ。ラインを細くすると飛距離アップなどが望める。だが、このエリアは流れが弱く、水深も浅いのでラインが太いことによるデメリットが出にくい。逆に海藻が多いのでラインを細くしすぎると引っ掛かった時にラインブレイクが多発してしまい結果として海藻帯をタイトにねらいにくくなる。
風の影響を受けにくい穏やかな湾内に位置する松部漁港はエギングをするのにぴったり
餌木は3・5~4号のノーマルタイプが基本となるが、よりスローにねらいたい時にはシャロータイプを使う。ディープタイプは強風時に有効なので、1つは用意しておきたい。
Aは松部漁港で1番のポイント。一見すると何もないが、この正面だけアマモ帯があり、産卵を意識した群れが沖から入って来る。
Bは堤防の先端から扇状にねらうが、意外と港内側のほうが実績は高い。船道にも海藻はあるが、港内側が産卵場となるので居着きが多い。
Cは灯台のある堤防で数年前までは禁漁区とされていたが、今は釣りができるようになった。しかし、漁協側からは入れないので、南側の磯伝いに歩いて来なければならず、潮位によってはニーブーツ等が必要になる。釣り方のキモはカウントダウンで海藻の上面をタイトにねらうこと。潮のタイミングも重要で、沖からフレッシュな群れが入ってくる上げ潮をねらう。
交通●圏央道・市原鶴舞ICからR297を勝浦方面へ進み、R128との立体交差を右折し鴨川方面へ。松部漁港入口交差点を左折し松部漁港へ
問合先●コスタフィッシングサービス(℡0470・73・7738)
2017/5/25