ラインを枝などに掛けてムシルアーを吊るし、水面で止めたり、叩いたりしてバスを誘う「ムシのチョウチン」は、「トーナメントアングラーの秘密技」というイメージが強い。 それは事実ではあるけれど、遊びで使っても興奮できる要素が詰まっているのもまた事実。 バスの反応を目で見ながらいろいろ試せる。バイトの瞬間が見える。何よりよく釣れる。 楽しむための基本を青木大介さんに教わった。
ムシは自由だ!この夏、バスの機嫌をうかがう楽しさを味わおう
◎Basser編集部
この記事は『Basser』2017年9月号に掲載したものを再編集しています。
ラインを枝などに掛けてムシルアーを吊るし、水面で止めたり、叩いたりしてバスを誘う「ムシのチョウチン」は、「トーナメントアングラーの秘密技」というイメージが強い。
それは事実ではあるけれど、遊びで使っても興奮できる要素が詰まっているのもまた事実。
バスの反応を目で見ながらいろいろ試せる。バイトの瞬間が見える。何よりよく釣れる。
楽しむための基本を青木大介さんに教わった。
Q 「ムシのチョウチン」は見えバス専用技?
「8割サイトです」
8割はサイトフィッシングで投入します。
表層にバスが見えるときや、水面でエサを食っている状況ですね。
バスを寄せる力は弱いので魚を探している過程で投入するのは効率が悪すぎる。
バスが多いエリアで、シェードが濃すぎて魚は見えないけど、絶対にいるはず……というときはOK。
これが残り2割です。
バスが表層を意識してさえいればフィールドも時期も問わず出番があります。
クリアなリザーバーでも、マッディーシャローでも大丈夫。
5~9月は活躍する確率が高くて、一番楽しいのは6~8月ですね。
表層にバスが見えたり、エサを食べているシーンを見たらムシを試してみよう。時にはボトムにいる魚が浮いてくれることもある
Q どの枝に掛ければいい?
「バスごとに個別診断が必要。どこかに『刺激的なスポット』があるはずです」
これは難しい質問。状況によって変わってくるからです。
基本は見えたバスの進行方向の枝を使いますけど、バスの反応次第では後ろに落すこともありますし、距離も個体によって考えます。
魚にヤル気があって一撃で勝負をかけたいときは近くしたり、スレていると感じたら遠くしてみたり。
そのほか、たとえば優勝した今年6月の弥栄湖戦では「岸ギリギリ」もしくは「浮遊物の際」にムシを落せる枝を選ぶことが超重要でした。
ボトム系のサイトで沈み物にルアーを添わせるのと同じで、水面の釣りでも岸や物にムシを接触させることがバスにスイッチを入れるキッカケになることがあるんです。
岩や木など、バスごとに「刺激的なスポット」がどこかにあるはずです。
逆にバスは沖で小魚を捕食しているときはオーバーハングの先端にラインを掛けてあえて沖のオープンウォーターで誘うのが効いたりします。ムシルアーだけどねらうのは小魚食いの魚なんです。
釣れる距離と方向は魚ごとに違う。これが実際のところです。バスごとの個別診断を楽しみましょう!
沖か、岸ギリギリか、浮遊物の脇か……。バスにとって刺激的なスポットは必ずどこかにある。それを読むこともムシの釣りの楽しみ
Q 水面を叩くリズムは?
「『いろいろなこと』を試せる隙がある魚は釣れますね」
無限のパターンがありますね。
簡単な場合だと、水面にポチョと落とすとビューンと飛んで来てパクッとしてくれる。
けど、スレた魚はそうはいかない。バスの性格や食べているエサごとに正解は違います。
基本は一定のリズムで水面を叩くこと。
これでバスが寄ってきてくれるならそのまま続けてみる。
逆に浮かべておくだけで近づいてくる場合も、そのまま止めておくのがいいことが多いです。
「反応してくれれば同じことを続ける」が基本スタンスですね。
それで食わなければ、さらに「いろいろなこと」を試してみる。
たとえばムシを高く上げてそこから一気に強く落とすとか、水に浸けずに誘うとか。
時には空中でバイトしてくる魚もいますよ。
逆に水中に沈めて普通のノーシンカーリグみたいに操ると釣れることも多いです。
バスが見えているわけですから、反応と相談しながらいろいろやってみてください。
試行錯誤させてくれる隙のあるバスは基本的に釣れます。
難しい魚はそのまま泳いでいったり、逃げちゃったりしますから深追いしないほうがいいです。
ちなみにアワセはバイトが出たらすぐ入れてください。即アワセが一番掛かります。
リズミカルに水面を叩く、不規則に叩く、浮かべておくだけ、空中で上下させる、高いところから一気に落とす、沈める……。チョウチンのパターンは無限に考えられる
後編は8/9公開予定!!お楽しみに!
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