九十九里ビーチラインの橋脚周辺に入ると、川幅は100m程で左岸が砂泥地になっており、右岸は護岸されている。黒羽は立ち込みながらハゼをねらう。2.7mのノベザオにミャク釣り仕掛け、エサはアオイソメだ。
ハゼ、マゴチ、クロダイ、キビレ、シーバス……
まとめ◎編集部
大海原が見える砂浜もいいけれど、河川の最下流部にある干潟がとっても素敵な場所なのをご存じだろうか。 アオイソメを這わせばハゼが入れ食いになり、ルアーを投げればクロダイやマゴチ、時には80cmクラスのシーバスが食ってくる。 トップウォーターのメッキやキビレねらいもエキサイティング。何でもアリの河口干潟へご招待!
この記事は月刊『つり人』2021年10月号に掲載したものを再編集しています
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目次
- 前編:河口の干潟は手堅さも夢もある!
- 前編:ポッパーで水面爆発×4
- 後編:一宮川のハゼは良型揃い!
- 後編:フリーリグでクロダイ&マゴチ!
一宮川のハゼは良型揃い!
次に2人が向かったのは一宮川河口付近。九十九里ビーチラインの橋脚周辺に入ると、川幅は100m程で左岸が砂泥地になっており、右岸は護岸されている。黒羽は立ち込みながらハゼをねらう。2.7mのノベザオにミャク釣り仕掛け、エサはアオイソメだ。居食いの繊細なアタリが取れるようにミチイトはPE0.8号にしてハリスを1cmにした。地形が遠浅なので、仕掛けを入れたいポイントまで立ち込んで近づくことができる。泥底が一段深くなっている場所を見つけて仕掛けを入れるとコンコンという小気味のよいアタリ。12cmのハゼが釣れた。このあとも12~15cmが連発! 一宮川のハゼは型がよい。
ハゼは汽水域に多く生息し泥底の地形変化を好む。干潟はうってつけのハゼ釣り場だ。この日のアベレージは12 ~ 15cmと大きかった
一宮川の河口付近。左岸が泥砂になっており、右岸は護岸されている。地元の釣り人に話を聞くと、シーバス、クロダイ、キビレ、ハゼ、マゴチがねらえるという
干潟周辺は浅場が広がるが、ところどころに岩場があって根掛かりした。とくに橋脚周りのボトムはゴロゴロ。クロダイセンサーがビンビンに反応!
泳がせ釣りのエサにするには少し大きすぎるけど、引き味を楽しめる!なんともうれしい誤算である。このあと、潮が満ちてきたので移動し、せっかくなので対岸の護岸エリアも探ってみる。岸際は階段状になっており、水門周りの段差をねらうとゴンゴンという強いアタリ! 釣れたのは20cm級のウロハゼであった! 古代魚チックなルックスと鋭い歯にうっとり……。ハゼクラでマハゼ&ウロハゼをねらうのも楽しそうだ。
ウロハゼを黒羽が釣った。ハゼクラやバイブレーション、ミノーなどに果敢にアタックしてくるという。その引きは超強烈!
フリーリグでクロダイ&マゴチ!
正午近くになると風が強くなり水面が波立ってしまい、トップウォーターには厳しい環境になってしまった。そこで佐々木はルアーをポッパーからフリーリグに変更した。7gのシンカーにチニングの定番・クレイジーフラッパー2.8インチをセット。
着底後、サオを上げてイトを張らず緩めずの状態でボトム付近を巻く。シンカーがボトムを常にかすめるイメージだ。根掛かりしにくいため、石やカキ瀬などの障害物にコンタクトさせ続けながらワームを泳がせることができるのだ。
巻いてみると、橋脚周辺はハードボトムになっており、沖には沈みモノ(沈船?)や地形変化があることがわかった。クロダイ釣れそう~! とルンルンで巻いていると、干潟からねらえる橋脚下流のハードボトム帯でバイトが頻発! ちょうど時合に当たったのか、わずか10投で10バイト近くあった。しかし乗らない……。魚が小さい……? などと疑心暗鬼になりつつ、せっかくなので対岸の護岸もチェック。本気食いをいざなうため巻きスピードを上げてみる。するとひときわ強いアタリが出て、そのまま巻きアワセするとついに乗った! 上がってきたのは30cmでヒレピンのキラキラした美しいクロダイ。うーん、最高じゃないか!
干潟対岸の護岸もチェックするとフリーリグに30㎝クラスのクロダイがヒット!!
クロダイを釣ったフリーリグ。シンカーは7g。ルアーはケイテックのクレイジーフラッパー2.8インチ
このあともアタリは続いたが、なかなか乗らず。このあと35cm級のクロダイ(キビレかも)が掛かるがこちらはバラシ。
乗らなさから察するに、このエリアはもしかすると20cm前後の若いクロダイやキビレが多いのかもしれない。ハゼが当たってきている可能性もある。
一方、黒羽はハゼの引き釣りをしていたが根掛かりが多く、また唯一のアタリも逃していた。小さいハゼのストックも少ない。ということで黒羽もルアーロッドを握り、フリーリグをセット。シンカーは5gでワームはハリーシュリンプ3インチだ。根掛かりしても外れやすいフリーリグのメリットを実感しながら巻いていると、これまた干潟沖のハードボトムで「トゥン!」というアタリが頻発。乗らないアタリにムキュムキュしていると、夕マヅメにサオがぶち曲がった。釣れたのはマゴチ! リベンジ成功である。
ハゼの引き釣りを試す黒羽だが、根掛かりが多発。フリーリグに作戦変更することに
黒羽はフリーリグを投入。橋脚周辺のハードボトムを探る。サオは立てながら巻くと根掛かりしにくい。水底の地形変化をこするように巻くとバイトが増えた
夕方のチャンスタイムに30cmのマゴチをゲット! シンカーは5g。ルアーはボトムアップのハリーシュリンプ3インチ
ここで時刻は16時30分。これから夕マヅメのラストスパートというところで、ふたりは信じられない光景を目にする。干潟の沖で10cmほどのイナッコがざわついたかと思えば水面が割れまくっているではないか。しかも単発ではなく、幅30mほどの大規模ボイルが断続的に1時間近く続いている! 追っている魚の正体はシーバス。なんでわかるかというと、時おり全身をさらけ出してイナッコを襲っているからだ。サイズは小さい個体で60cm、大きい個体で80cmオーバー! 河口干潟、ワイルドすぎるぞ!
必死でポッパーを投げる佐々木だったが、シーバスは本物に夢中でルアーを追ってはくれなかった。同時にあまりの捕食音にビビってしまったのか、あれだけあったフリーリグへのバイトはゼロに。
「いや~すごかったね……」。ヒザをガクガクさせながら干潟を歩くふたり。長官! 釣査結果を報告します! 河口干潟はやっぱり手堅さも夢もある五目パラダイスでした!
ボイルはなんと1 時間ほども続いた。ルアーを投じたがエサに夢中だったのかバイトはなかった
一宮川から15km ほど北にある南白亀川のようす。釣り人に話を聞くと、クロダイやキビレ、シーバスやマゴチがねらえるという。マゴチとヒラメねらいのルアーマンが3人ほどいた
まだまだいるぞ! 河口干潟の魚たち
ヒラメ
実は河口にも多いヒラメ。アベレージサイズは海のほうが大きい傾向があるが、かなり手堅くねらえる河口もある。干潟や砂浜の沖はとくにチャンスだ。シンキングミノーやスピンテールジグ、シャッドテール系ワームのただ巻きでねらうのが定番。エサ釣りならばハゼエサが可能性大! 置きザオでねらうより引きながら探るのがよい
シーバス
10cm のセイゴからメータークラスの超大型まで、河口干潟ではあらゆるサイズの可能性がある。アオイソメやイワイソメ、ハゼエサのブッコミ釣りが定番(クロダイ、キビレも同時にねらえる)。ルアーならばトップウォーターからボトムの釣りまで可能性あり
メッキ
ロウニンアジやギンガメアジの若魚。秋になると河口に入ってくる。引きはびっくりするほど強い。小型トップが定番だ。速いアクションで見切られないようにするのがセオリー
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