河口の干潟はアオイソメを這わせばハゼが入れ食いになり、ルアーを投げればクロダイやマゴチ、時には80cmクラスのシーバスが食ってくる。 トップウォーターのメッキやキビレねらいもエキサイティング。何でもアリの河口干潟へご招待!
ハゼ、マゴチ、クロダイ、キビレ、シーバス……
まとめ◎編集部
大海原が見える砂浜もいいけれど、河川の最下流部にある干潟がとっても素敵な場所なのをご存じだろうか。 アオイソメを這わせばハゼが入れ食いになり、ルアーを投げればクロダイやマゴチ、時には80cmクラスのシーバスが食ってくる。 トップウォーターのメッキやキビレねらいもエキサイティング。何でもアリの河口干潟へご招待!
この記事は月刊『つり人』2021年10月号に掲載したものを再編集しています
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目次
- 前編:河口の干潟は手堅さも夢もある!
- 前編:ポッパーで水面爆発×4
- 後編:一宮川のハゼは良型揃い!
- 後編:フリーリグでクロダイ&マゴチ!
河口の干潟は手堅さも夢もある!
干潟とは干出と水没を繰り返す平らな砂泥地のこと。ひと口に「干潟」といってもその規模はさまざま。この記事で取り上げるのは、河川の最下流部にある比較的小規模な干潟(通称「河口干潟」)。海の干潟と比べるとエントリーしやすい場所が多く、またウエーディングせずにスポーツサンダルなどで気軽に楽しみやすい。ねらう場所も絞りやすく短時間で満喫しやすいのも嬉しいところ。
夷隅川の河口干潟。水面はボラなどのざわめきで満ちていた。朝イチは干潮で、10m先の水深も60cmほど。だからこそフィッシュイーターがねらいやすいのだ
河口干潟の素晴らしいところはまだある。河口域は河川から栄養塩や有機物が運ばれ、海からは潮汐によってプランクトンが運ばれるため豊富なエサ場が形成され、多彩な魚種が生息しているのだ。ハゼ、セイゴ、コトヒキなどの小魚やクロダイやキビレ、マゴチ、ヒラメ、スズキ、メッキなどがメインターゲット。時には「河口でブリが掛かった」などというビッグドリームも! 河口干潟は手堅さもあり夢もある。多様性と可能性に満ち溢れた五目パラダイスなのだ。
さらに! 干潟は「浅い」のが偉い! 浅場は魚のエサとなる生物の量が豊富で、同時に肉食魚にとってはエサを追い込みやすい好立地。小~大型魚の共同食堂になっている。魚と水面の距離が近いからトップウォーターの釣りも成立しやすい。ノベザオのエサ釣りでは潮位を問わず仕掛けが底に届く。浅いことのメリットは多いのだ。
夷隅川の干潟はカニだらけ。クロダイやキビレのエサになっているに違いない
そんな河口干潟の釣査に向かったのは編集部佐々木と黒羽。目星をつけたのは千葉県外房の夷隅川~栗山川の区間。約40㎞の範囲に8つの河川が流れ込んでおり、ラン&ガンすればどこかでいい釣りができると踏んだのだ。比較的小河川が多く、ひとつの場所のチェックもスピーディーにできそうなのも喜ばしいところ。釣り場の近くの釣具店に話を聞くと、どうやらとくに夷隅川と一宮川の河口にある干潟が有望そうだ。エサ釣りによるハゼとセイゴは状況を問わず数釣りが期待でき、クロダイやキビレはムラはあるが釣果情報が多く、マゴチやヒラメ、大型シーバスのチャンスも充分にあるという。
佐々木はルアーを担当。トップウォーター(ポッパー)でクロダイ、キビレ、シーバス、メッキをねらう作戦だ。この夏に行なった関西の取材(徳島県那賀川河口サーフ)でトップに何度もアタックするクロダイ&キビレを目の当たりにしているのでイメージはバッチリ。「浅くてクロダイとキビレがいればトップの釣りはどこでもチャンスがある」というチニングの名手・中山聡さんの言葉が心の支えだ。
黒羽はエサで釣査。アオイソメでハゼを釣り、釣ったハゼの引き釣りでマゴチをねらう。
ポッパーにバイトするキビレ。佐々木が夏に取材した徳島県那賀川河口でのひとコマ。「トップウォーターは動かし続けなければ見切られると言われているが、活性が良くないときはポーズを入れて食わせの間を与えるのが大事」とチニングの名手・中山聡さんが教えてくれた
ポッパーで水面爆発×4
当日の朝、2人はまず夷隅川の河口干潟に向かった。干潮の潮止まり直後で、潮位は低い。堆積した泥砂が広がるこれぞ干潟! というフィールドだ。佐々木はポッパーを結ぶ。サオをチョンと動かすと口のカップが水を掴み、音と水しぶきで魚を誘う。活性がよければ早い動かし方で食うはず……と連続的に動かして探る。すると3投目でさっそく「バシャ!」。
ポッパー(ダイワのシルバーウルフ チニングバグ)を投げる佐々木。広大なシャローフラットはルアーで探るのが効率がよい
開始早々にコトヒキがバイト! ポッパーとほぼ同じ大きさだが果敢にアタックしてくる。トップは決して一発ねらいのルアーではなく、魚のサイズを問わず楽しめるのだ
上がってきたのは10cmほどのコトヒキ。小さいけれど、アタックの瞬間が見えれば最高に楽しい。
このあと、近くの江場戸川に移動すると、川底に石が沈んでいるエリアでキビレが4~5尾群れているのが確認できた。ボラの稚魚も多く見られる。ここで佐々木のポッパーに1投で3バイト。いずれも乗らなかったが、30cmクラスの立派なキビレが連続でアタックしてきた。キビレやクロダイは干潟のなかでも石が入ったエリアが有望といわれるが、トップウォーターでもそのセオリーは変わらないのだと実感した瞬間だった。次は乗せるぞ~!
江場戸川で釣れたハゼ。ハゼが小さいからこそ、「極短ハリス1cmはアタリがすぐ伝わる」という前号のマハゼの記事(東京の名手・398 さんのハゼ釣りQ& A)の言葉を実感!
キビレのバイトがあった石の沈み場。クロダイとキビレはゴロタが大好きだ
後編「一宮川のハゼは良型揃い!」へ続く……
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