神奈川の小田原/箱根エリアに冬季のニジマス釣り場がオープンした。アクセスもしやすい川に50㎝を超える大型も多数放流されている。シングルフック&バーブレス、キャッチ&リリース、日釣券1300円で年内いっぱい楽しめる。週末観光も兼ねて訪れてみては?
50㎝オーバーの大型も多数放流
レポート◎つり人
神奈川の小田原/箱根エリアに冬季のニジマス釣り場がオープンした。アクセスもしやすい川に50㎝を超える大型も多数放流されている。シングルフック&バーブレス、キャッチ&リリース、日釣券1300円で年内いっぱい楽しめる。週末観光も兼ねて訪れてみては?
40㎝クラスだけでも200尾以上
2021年にトラウト(ヤマメとニジマス)のキャッチ&リリース区間が下流部に設定された小田原の早川。一般の渓流釣り期間は終了しているが、オフシーズンも引き続き楽しんでもらおうと、10/25からニジマスを対象とした「早川河川漁協冬季特別区C&R(以下、冬季ニジマス釣り場)」がオープンした。期間は12/31まで。時間は午前7時~夕方4時。エリアは上流の山崎地区から下流の風祭魚道までの約1.5kmになる。太閤橋下流の流れと左岸にある駐車スペース。ここから各ポイントへ歩いて行ける
釣りに必要なのは日釣券(1300円)。早川の年券保持者はそのまま利用できる。釣れた魚はすべてリリースで、シングルのバーブレスフック使用がルール。ルアー、フライ、テンカラは全区間で釣りができ、エサ釣りはエリア下流部のみになる。川原は広くどこも歩きやすいが、ところどころに深い場所や対岸に渡るのに川を切る場所もあるのでウエーダーは必要だ。日釣券は釣り場からも近いローソン風祭店か下流の小田原漁港近くにあるFBC釣具店で購入できる。
釣り場は全体的に開けており水際までのアプローチもしやすい
注目はなんといっても放流されるニジマスの数と大きさ。解禁前には60~70㎝クラスが40尾、50㎝サイズが120尾、40㎝サイズが200尾、その他サイズが若干数放流された。このあとの期間中も11月と12月に分けて50㎝サイズが80尾、40㎝サイズが100尾追加放流予定となっている。
石周りや深みを丹念にトレースする
区間内の流れは全体に開けており、川沿いの歩道(一部は車での移動も可能)がある左岸側から楽に川岸に降りられる。一定区間ごとに堰があるので、その直下にあるプールを探ったり、堰堤と堰堤の間にある比較的フラットな流れの中を釣っていくイメージだ。
取材したのは一般解禁前日の特別採捕日。全般にルアーアングラーにヒットを重ねている人が多かった。長野県の松本市から来ていた大沢一芳さんは、6.5gのスプーンでダウンもしくはダウンクロスにキャストし、巻きっぱなしにはせず「たまに止めて戻す」ように流れの筋をトレースしてくる方法で、午前中だけで40㎝クラスを中心に7~8尾をヒット。巻きっぱなしだとルアーを見慣れてきたニジマスが追いきらずに途中で引き返してしまうとのことだった。朝イチには大型のバラシもあったそうで、普段は同様のアプローチで地元から近い犀川でもよくニジマスを釣っているとのこと。
スプーンでヒットを重ねていた大沢さんのアプローチ
スプーンは6.5gをよく使っていた
ルアーは他のタイプでもよく釣れており、横浜市在住のハンドメイドルアービルダー・小平豊さんは、自作のバルサミノーでボトムねらいに使いやすいザンマイ「ソリスト50DD」で50㎝クラスを含む複数のニジマスをキャッチ&リリース。その際は多くのアングラーにねらわれてある程度警戒心もあるニジマスは石周りのちょっとした陰に身を潜めているので、そうしたスポットにこまかくルアーを通していくとバイトを得られるとのことだった。
自作のバルサミノーで良型をヒットさせたZANMAIの小平さん
小平さんのルアービルディングのようすはつり人チャンネルでも公開中!
◆関連動画をチェック!
フルハンドメイドの世界。バルサミノーはこうして出来上がる【鱒の森 2021.10】
もう一人、堰堤下の開けたプールで特大の70㎝クラスをヒットさせたのは、地元小田原市在住の蘆原仁さん。早川で実績が高いというヤリエ「Tクランカップ」を使い、着水後すぐにハンドルをグリグリッと3回ほど巻いてしっかり沈め、あとはボトム付近をノックするように引いてくるという釣り方で特大サイズをキャッチ&リリースした。
こんな特大サイズも流れのあちこちに身を潜めている
堰堤下のプールで特大サイズをヒットさせた蘆原さん
ルアーは実績が高いというクランクベイトを使った
フライやエサ釣りもチャンス
フライフィッシングではニンフタイプの実績が高い。ドライフライの釣りもタイミングによってはできそうだが、中大型のニジマスが大半なこともあって、魚の多くは底層に定位している。この日釣れていた複数のフライフィッシャーも、釣果を得ていたのは太軸のフライフックにビーズヘッドを付けたよく沈むタイプのニンフ(プリンスニンフなど)だった。フライタックルは魚の大きさもそれなりにあるので、5番以上のロッドが必要になる。
フラットな場所でも意外に水深はある。石の周りに丹念にルアーやフライを通す
こうした深場もところどころにある
エサ釣りでは渓流釣りの名手としてもお馴染みの千島克也さんがサオをだしており、太閤橋より下流のエサ釣り区間で30㎝クラスを30尾ほどのほか、40㎝クラスや50㎝オーバーもキャッチ&リリース。エサ釣りの場合、大型がヒットする可能性も踏まえて、サオは長さ7~8mで適合ハリス1.2~1.5号クラスがよさそうとのアドバイス。千島さん自身はダイワ「エキスパート本流P-3 75M・R」を使用し、ラインは1.2号や1.5号の通し。オモリは5Bを1個や3Bの2個付けで対応していた。エサ釣り区間の場合、それほど広い場所はなく、どちらかというと「流れの中にある程度エサを留めておくようなアプローチのほうが多かった」ということで、オモリは重めの選択だったとのこと。ハリはカエシを潰したチヌバリの1~3号。エサは筋子とサーモンだった。
近くには箱根の温泉街や小田原漁港周辺の飲食店街もある早川。アクセスもよく日釣券の価格も手頃なので、気軽にチャレンジしてみてはいかがだろう。
千島さんはエサ釣りで多数のニジマスをキャッチ&リリース
サイズは30㎝ほどが最も多かったが50㎝を超える大型のヒットもあった
釣り場データ
早川河川漁協冬季特別区C&R
●期間:2021年10/24~12/31
●料金:日釣券1300円
●時間:7:00~16:00
●区間:上流山崎地区~下流風祭魚道
●アクセス:西湘バイパス・箱根口ICから5分。神奈川県立生命の星・地球博物館の裏にある太閤橋左岸下流に広い駐車スペースがある。そこから上下に川沿いの砂利道を歩いて移動可能
●ルール:釣れた魚はすべてキャッチ&リリース。シングル&バーブレスフックを使用
●釣り場情報:https://www.facebook.com/HakoneHayakawa/