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編集部2020年1月21日

兵庫県淡路市・志筑新島のコブダイ釣り

全国おすすめ釣り場 兵庫 コブダイ

厳寒期の淡路島で密かにブームになっているのがコブダイ釣り。全長60㎝、70㎝、ときにはそれ以上の怪魚と身近な釣り場でわたり合えるのだから、その迫力、スリルに磯釣りファンでなくても熱くなる。京阪神からすぐの淡路島は、コブダイ釣り最前線なのである。

フカセ釣りで迫力満点! 手軽にモンスターとファイト

レポート◎高崎冬樹

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磯釣りのモンスターが身近なターゲットに

 とにかくターゲットが豊富で大阪湾の奥座敷と呼ばれ、関西アングラーのプチ遠征釣り場として人気が高い淡路島も、さすがに厳寒期となると釣りものも限られてくる。

 そんな淡路島で密かにブームになっており、マニアックなアングラーが熱くなっているのがコブダイ釣りだ。関西では寒鯛(カンダイ)と呼ばれ、その名のとおり低水温に強いベラ科の魚である。その昔は磯釣りの対象魚で、イシダイ釣りの外道という扱いだったが、記者が若かりしころは渡船利用で播磨灘に浮かぶ家島諸島の磯に底ものタックルをかついで出かけたほど瀬戸内海で唯一ねらえる幻の大型魚だったのだ。

 ところが現在、コブダイは大阪湾や播磨灘のそこかしこで、その姿を確認することができる。当時は意識していなかっただけかもしれないが、昔に比べコブダイは確実に増えているように思う。おかげでコブダイは防波堤で手軽にパワーファイトが楽しめる身近な魚になったのだ。

 特にコブダイ釣りに熱を上げているのが、なぜかルアーアングラーのみなさん。それほどハードではないルアータックルにジグヘッドならぬ『虫ヘッドパワー』など太軸フックのリグを結び、これに大型冷凍エビやカキをセットしてブッ込み、置きザオでアタリを待っているのだ。今回、取材に訪れた2月10日の淡路島でも、コブダイねらいのアングラーを何人も見かけた。


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タモ枠は大口径60㎝。炬口港では海面まで高さがあるので6mクラスの柄がほしい


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ハリにゴム管付きオモリなどをセットして水深を測り、ウキが海面から30㎝ほど沈む位置にウキ止メイトを調整


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底付近をねらうので寄せエサは生のオキアミに比重があるクロダイ用配合エサを1袋。コブダイには付けエサもビッグ! 生オキアミ3Lサイズ、冷凍の大エビなど


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ハリは太軸で10号以上。太いフロロハリスが結びにくければ「カン付」タイプを使ってもよい



 その一方でフカセ釣りでコブダイをねらう「モンスターフカセ」なるジャンルも人気を集めている。とにかくヒラマサでもねらうような頑丈な磯ザオで全長60㎝、70㎝、ときにはそれ以上の怪魚と身近な釣り場でわたり合えるのだから、その迫力、スリルに磯釣りファンでなくても熱くなる。そう、京阪神からすぐの淡路島は、コブダイ釣り最前線なのである。

これ一冊で丸わかり!関西の船釣り最新テクニック
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大阪湾、播磨灘、和歌山沖、若狭湾など、関西の主な海域を舞台に、大人気の「船テンヤタチウオ」「タイラバ」「落とし込み」など12の釣りの基本と実践を詳しく紹介。『つり人』連載時の情報に加え、よりハイテクニックな視点からのアドバイスや分かりやすい釣り方のイラストも大幅加筆。ほかに「メバル」「イサギ」「キス」「鬼アジ」「マダコ(船タコエギング)」「カワハギ」「マダラ」「深海釣り」「イカメタル」も紹介しています。



波止際ギリギリ タナは底から少し上

 今回、フカセ釣りでチャレンジするという、まるは釣具洲本店スタッフの井手良一さんとともに、お店から至近距離にある炬口港に出たのが午前7時半。防波堤沖側の壁面はスリット構造になっており、その中に多くのコブダイが潜む絶好ポイントなのだが、折からの強烈な北風で沖側はスリットに入った波がサラシを作って一面真っ白。当然、釣りにならないので港内向きでしばらくサオをだしたがアタリはなく津名方面にポイント移動。

 こちらは風も波もかなり穏やか、日曜ということで釣り人も多く、ようやく釣り座を志筑新島の防波堤に確保した。コブダイは波止際の海底を移動するそうなので、ウキ下を海底から30㎝ほど切った深さに調節し、井手さんが足もとの壁際に仕掛けを入れる。

 すると「あれ? ちょっと仕掛け重かったかな?」と、どんどん沈んでいくウキを見ながらサオを起こす井手さん。その瞬間に強い引きでサオがひん曲がる。「しまった。根に入られました。うわっ、コブダイのアタリやったんや!」と絶叫! しかしその後、二度三度と根から出ては根に張り付きを繰り返したコブダイもついに観念。まだコブが突き出していない50㎝ほどのメスだったので一気に抜き上げた。

 残念ながら釣果はこの1尾だけだったが同日、偶然にも虫ヘッドパワーでコブダイをねらい、淡路島南部の土生港で70㎝をゲットしたオーナーばりスタッフの西浦伸至さんと合流。モンスターハンティングの迫力トークで盛り上がる。お2人によれば水温む4月頃になるとフカセ釣りでの釣果がダントツによくなるとのことだった。


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モンスターにはまだまだのサイズだったが本命をゲットした井手さん。「ビッグなオトコになれよ!」とすぐにリリース。コブダイは雌性先熟、50㎝を超えると性転換しコブが突き出てくる


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爆風の炬口(たけのくち)港。本命の沖向きは釣りにならず港内向きをねらってみたが反応なし



釣研『昼夜アダプター』
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6号以上の太いナイロンミチイト使用時、軽いフカセ仕掛けで遊動式にした場合、中通しウキだと、どうしても仕掛けの落ちが遅く海底スレスレの深いタナまでなじませるのに時間がかかる。環付きウキを使えば話は早いが、中通しウキしか持ち合わせがない場合に便利なのが中通しウキを環付きタイプにチェンジできる釣研『昼夜アダプター』。コブダイ釣りでは不要だがトップにケミホタルをセットできる。ただし中通し穴が狭いもの、上下にリングが付いているウキは使用不可。



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志筑新島の防波堤に移動して1投目で磯4号ロッドがひん曲がる!


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モンスター予備軍なので一気に抜き上げる


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同日、土生港でオーナーばりスタッフの西浦さんがゲットした70㎝。井手さんと一緒にサオをだし「僕も、こんなん掛けたかったなあ」と思った記者である

まるは釣具 洲本店
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住所=兵庫県洲本市下加茂1-656 営業時間=3月末までは月~金曜9~21時、土曜5~21時、日曜・祝日5~20時。年中無休 問合先=℡0799-23-1075



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交通●神戸淡路鳴門自動車道を利用。津名一宮IC、淡路島中央スマートIC、洲本ICから各釣り場へ。まるは釣具洲本店へは淡路島中央スマートICからが最短距離



レポート◎高崎冬樹
昭和35年生まれ。神戸市北区在住。得意な釣りは磯のグレ釣り。友釣り歴は30年以上だが、ここ数年はご無沙汰……。フリーのライター・カメラマン・編集者


この記事はつり人2019年4月号でも読むことができます



 

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