足場の良い水道エリアで冬のクロダイ釣りが楽しめるのが、兵庫県南部の南芦屋浜です。このエリアでのウキフカセ釣りを紹介します。
春の乗っ込みまでウキフカセでロングラン!
レポート◎高崎冬樹
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北面の水道部がクロダイのポイント
兵庫県南部の南芦屋浜といえば、過去の誌面でサヨリ釣りやエビ撒きのハネ釣りを紹介したこともあったが、2018年の台風で破壊された護岸の復旧工事が完了するのは、まだまだ先のこと。サヨリ釣りの南面、ハネ釣りの東面とも現在は立入禁止のままである。2019年1月現在、釣りができるのは北面の水道部だけなのだが、その北面こそが冬場から春の乗っ込みにかけての絶好のクロダイ釣りポイントだ。昨シーズンは例年になくクロダイが少なかったが、この12月からは順調に釣れ始め50㎝近い良型もまじって「取材は大丈夫です」と、南芦屋浜から至近距離にあるフィッシングマックス芦屋店スタッフの川下安則さん。
昨年末に1月7日の取材を約束。年明けを迎え前日に連絡すると「今日はお客さん3人で30㎝強から48㎝までを7尾という釣果でした。期待できますよ!」との心強いお言葉。
取材前日の1月6日、フィッシングマックス芦屋店のお客さん3人の釣果は30㎝強~48㎝を7尾
ポイントは埋立地の北面にあたるので六甲山から吹き下ろしてくる季節風をまともに受ける立地。しかし天気予報では冬型が緩んで風も吹かないとの ことなので、防寒対策もそこそこに7日午前6時にフィッシングマックス芦屋店に出向いた。
早朝の店内で「さすがに僕1人では心許ないので……」と川下さんが紹介してくれたのは地元・西宮市在住の速水眞一さん。現在は淡路島南部に浮かぶ沼島の磯をメインに釣行しているフカセ釣りのベテランだ。
波静かな南芦屋浜北側の水道部。ポイントはサオ3~4本沖で水深は3~4ヒロ
ポイントは奥に見える潮風大橋から東へ5分ほど
繊細なアタリはスリムな棒ウキで
芦屋店を出発し10分もかからず到着したのは潮風大橋を渡ってすぐ右側にある有料駐車場。そのすぐ北側が水道部のポイントなのだが、前日の好釣果が出た場所まで10分ほど歩く。潮風大橋から東に見える歩道橋の少し手前あたりだ。護岸すぐ上の通路はジョギングや散歩の人が行き交う。護岸は広く足場は最高で、サオをだす最下部は石積みになっているが、ここもフラットで釣り やすい。ただ水道部ではウエイクボードを引っ張るモーターボートが頻繁に往来し、多少だが引き波が上がってくることがあるので、荷物は一段上に上げておいたほうがよいだろう。
ポイントは岸からサオ3~4本沖。水深は3~4ヒロで海底は砂または泥。ところどころに海藻が生えているという。フカセ釣りのウキ下は底トントンか若干切った程度。潮が速い場合 はハリス矢引分ほど海底に這わせてもよい。ウキは中通しでもかまわないが、視線が低いため海面上にトップが突き出す長くスリムな棒ウキのほうが確実にアタリを取りやすい。
スリムトップの棒ウキがアタリを取りやすい。オモリ負荷は4Bくらいが標準
2人並んでオキアミのエサで釣り開始。ウキの頭を目がけて寄せエサを撒き、左方向に流れるウキのトップを見ていると、すぐにモゾモゾ、スーっと消し込まれた。ハリに掛かったのは25㎝ほどのマサバ。「1月にサバが釣れ るなんて例年では考えられません。水温低下が遅れているようですね」と川下さん。このサバが実にやっかいだ。オキアミをハリに刺すと底ハワセの仕掛けにまで食ってくる。付けエサをコーンにするとサバは食ってこないが、まるでアタリが出ない。
準備したサシエは加工オキアミの『無双』とホールコーン。コーンはハリに3粒刺すのが基本
この調子でお昼過ぎ、寄せエサが底 を尽くまで頑張っていただいたが、残念ながら2人にクロダイからのアタリはなく、周囲でもサオを曲げている人を確認できなかった。しかし駐車場に向かう帰路、スカリを浮かべている釣り人を発見。お昼過ぎにアタリがありクロダイ をゲットしたという。しかしアタリはこの39㎝の1回だけだったという。
日曜に多くの釣り人が寄せエサを撒いたためクロダイが満腹になり食いが悪かったのか? 「リベンジしに、また来るわ」というベテラン速水さんの言葉が印象的だった。水温が下がりサバが消えればクロダイの爆釣は間違いなしだ!
フカセ釣りのベテラン速水さん。あの手この手で釣り続けてくれたが、ご機嫌斜め?のクロダイからアタリはなかった
フィッシングマックス『チヌMAXプレミアム』『チヌMAXホワイト』
どちらも大阪湾岸で実釣を繰り返したフィッシングマックススタッフが開発したクロダイのウキフカセ用配合エサ。『プレミアム』はマルキユーとの共同開発で遠投性、比重、集魚力だけでなく拡散性も重視した使いやすいタイプ。『ホワイト』は大阪湾での波止釣り用の自信作でオキアミ3㎏に対して1袋ミックスするのが基本
どちらも大阪湾岸で実釣を繰り返したフィッシングマックススタッフが開発したクロダイのウキフカセ用配合エサ。『プレミアム』はマルキユーとの共同開発で遠投性、比重、集魚力だけでなく拡散性も重視した使いやすいタイプ。『ホワイト』は大阪湾での波止釣り用の自信作でオキアミ3㎏に対して1袋ミックスするのが基本
真冬だというのに25㎝くらいのマサバがエサ取り。「中途半端なサイズですねえ」と川下さん
取材日に確認できたクロダイはこの1尾だけ。お腹パンパンの39㎝。早くも乗っ込み? 前日にエサを食べすぎた?
フィッシングマックス芦屋店
住所=兵庫県芦屋市平田町1-41 営業時間=月~木:5~22時、金・土:24 時間営業、日:22時まで(年中無休) 問合先=℡0797・34・4848
住所=兵庫県芦屋市平田町1-41 営業時間=月~木:5~22時、金・土:24 時間営業、日:22時まで(年中無休) 問合先=℡0797・34・4848
交通●大阪方面からは阪神高速神戸線の芦屋出口で降りてR43を西進。神戸方面からは深江出口で降りて東進。精道の交差点から南進し南芦屋浜へ。水道部へのアクセスは潮風大橋を渡ってすぐ右の有料駐車場から
レポート◎高崎冬樹
昭和35年生まれ。神戸市北区在住。得意な釣りは磯のグレ釣り。友釣り歴は30年以上だが、ここ数年はご無沙汰……。フリーのライター・カメラマン・編集者
この記事はつり人2019年3月号でも読むことができます