>山梨県の南部町に暮らす望月竜也さんにとって、4月は毎年忙しいシーズン。裏山には春の恵みが顔を見せ始め、野山を歩けば山菜や渓魚が待っている。変わらない地元の自然に元気の素をもらう一日
竹の子掘りと渓流釣り
解説◎望月竜也
こちらの記事は月刊『つり人』2020年6月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
山梨県の南部町に暮らす望月竜也さんにとって、4月は毎年忙しいシーズン。裏山には春の恵みが顔を見せ始め、野山を歩けば山菜や渓魚が待っている。変わらない地元の自然に元気の素をもらう一日
地元に生える山の幸
山梨県南の南部町に暮らしている私にとって、4月は毎年忙しい季節となる。我が家には面積こそ広くないものの、ご先祖様から受け継いできた山があり、例年3月の彼岸を過ぎると「タケノコ」が顔を出すからだ。杉の植林帯の間に孟宗竹が生えていて、タケノコ掘りは年中行事。私は祖父に教えられ、中学生に上がる頃から40年弱掘っている。
ワラビは身近な裏山で採れる山菜。深い森より日当たりのよい里山の斜面に生え、アク抜きもやってみれば簡単だ
南部町には数軒のタケノコ農家もあり、例年であれば誰でも「タケノコ掘り体験」も楽しめる。残念ながら新型コロナの影響で、2020年度の「たけのこまつり」は中止となったが、いつもであれば4月中旬に開催されタケノコの直売などで賑わうイベントだ。今後、コロナが収束したならば、ぜひ足を運んでみていただきたい。情報は「南部町ホームページ」または「南町 たけのこ」で検索すればすぐに確認できる。南部町一帯のタケノコはアク(灰汁)がなく柔らかで美味しいと評判で、アク抜き作業も必要なく、水道水でそのまま茹でるだけで美味しく食べることができる。
このあたりの竹林は山の中。斜面は結構な急勾配だが、アク抜き不要の美味しいタケノコが採れる
我が家のタケノコに関しては、近年、イノシシやシカ、サルといった獣に食い荒らされ、今年に至っては何度か通ったがまだ一本も掘れていないという状況が続いていたのだが、4月初旬、釣友の笠井君を誘って山に分け入った。
すると20分ほどで地面から少しだけ出ている初物を発見。その後も数本のタケノコを収穫できた。普段から会社の同僚や地域の人など、興味を持った人がいると誘ってはタケノコ掘りを体験してもらっている。足の裏の感覚や土の盛り上がりで地中に隠れるタケノコを捜したり、鍬の入れ方、掘ったあとのタケノコの姿を見ると皆一様に驚くが、そんな顔を見て楽しんでいる。ほかにも「タラの芽」や「ワラビ」など旬のものを収穫し、近所の方たちと一杯やるのも楽しみの一つだ。この日もせっかくなので、午前中は引き続き笠井君と近所の山に登りワラビも採った。
タケノコを掘ろう!
1、ありかのサインは小さな芽。わずかな土の盛り上がりで判断したり、足であたりを払うようにして捜し当てることも多い
2、見つけたあとは途中で折らないよう、周囲を掘り進めながら根の曲がり方などを確認
3、GET!!
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