木負突堤や足保港などの人気スポットが連なる西浦地区の久料漁港は、ほとんどの釣り人が素通りする小場所だが、ハタ類の多さは駿河湾でも屈指。直リグや根魚玉のような根掛かり回避能力の高いリグでボトム付近を探るとアカハタやオオモンハタの数釣りが楽しめる。
いまこそ行きたいルアーで楽しめるおすすめ海釣り場
写真と文◎伊藤巧
この記事は『つり人』2020年12月号に掲載したものを再編集しています。静岡県沼津市・久料漁港
人気堤防が連続する西浦でハタ類の魚影が濃い穴場
人気釣り場が目白押しの西浦で釣り人の少ない久料漁港。そのポテンシャルは高く、人気のオオモンハタも手にできる
木負突堤や足保港などの人気スポットが連なる西浦地区の久料漁港は、ほとんどの釣り人が素通りする小場所だが、ハタ類の多さは駿河湾でも屈指。直リグや根魚玉のような根掛かり回避能力の高いリグでボトム付近を探るとアカハタやオオモンハタの数釣りが楽しめる。
釣り場は漁船が係留してある岸壁とスロープの沖向き。岸壁は中央から海に向かって左一帯が有望。何の変哲もない岸壁に見えるが、潮通しがよく水深も足もとから10m以上ある。組んである基礎石が大きくて隙間も広いので数多くのアカハタが着いている。スロープも手前こそ浅いが沖に急角度のブレイクが控えている。回遊性の高いオオモンハタをねらう場合は、遠投して最初に底を取ったら、あとはスローリトリーブで中層を泳がせる。
オオモンハタについては40cm超もヒットする。ライトなタックルではなかなか取れない。タックル選びが重要だ
近年急増しているアカハタもよく釣れる
●問合先:つり具のタイシ(TEL055・932・8848)
静岡県静岡市・清水港
大ものの気配漂う江尻岸壁でマダイやクエと真剣勝負
定期的に大マダイの情報が流れる江尻岸壁。得体の知れない大ものが掛かって翻弄された話も珍しくない
清水港といえば江尻岸壁で80cmクラスの大マダイが釣れることで知られる。2020年の厳寒期にも80cm超がカゴ釣りで上がっているなど、晩秋から厳寒期にかけても期待値は高い。ルアーならジギングが定番だが、ジグ単の釣りで40~50cmがキャッチされるなどワームでの実績も高い。江尻岸壁の他にも日の出埠頭のオザシキなど実績のある岸壁が点在しているので、風向きと相談して釣り場を選びたい。また、年によっては晩秋から体高が指5本幅を超える大型タチウオが回ってくることもある。こちらもジグ単の釣りが有効だ。そして、清水港は焼津新港と並ぶ駿河湾のクエスポット。こちらも日の出埠頭オザシキや江尻埠頭の東洋冷蔵前などが有望だ。個体数が多い魚ではないので簡単には釣れないが、ライギョロッドなどの強いタックルを用いて一発に期待したい。テキサスリグや直リグでボリュームのあるワームをセットする。荒れ気味の夕方がねらい目。50cmまでなら充分可能性がある。
清水港に隣接する三保海岸でも大マダイが出るので、堤防の混雑ぐあいを見て対応したい
タチウオは例年冬を迎えると良型の群れが回ってくる。11月の釣況に注目したい
●問合先:かめや釣具清水店(TEL054・344・1191)
愛知県田原市・伊良湖港
上げ潮の堤防先端、反転流にブリが沸く
伊良湖水道に面した赤灯台堤は、沖向きに当たった潮が先端で渦を巻くように反転する。その近辺でナブラが沸く
渥美半島の先端に位置する伊良湖港は、愛知県を代表する青ものスポット。伊良湖水道に面した赤灯台堤には、夏にハマチやショゴが回遊し、秋が深まるとワラサやブリが姿を見せる。赤灯台堤は400mほどの堤防で足場は良好。堤防は長いが基部に駐車スペースがあるので楽にエントリーできる。回遊が見られるのは上げ潮のタイミングで、堤防の先端に大きな反転流が生じると潮目の周りでナブラが沸く。ジグやポッパーを使うアングラーが多いが、ナブラは堤防から近い場所で沸くことが多いのでソフトルアーでも充分ねらえる。2019シーズンはハマチであれば10尾近く釣る人もいた。本命のブリは空が白む僅かな時間に回遊するので、日の出前には釣り場に入っておきたい。また、赤灯台堤が混雑していたら伊良湖港の北に広がる西ノ浜で青ものからサーフのフラットフィッシュに目先を変えてみるのもあり。
夏はハマチやショゴの釣果に沸いた伊良湖周りだが、いよいよブリやワラサの回遊が始まる
●問合先:ヒグチ釣具店(TEL0531・32・1138)