8月となると東北といえどもさすがに暑い日が続きます。 水温も30℃を超える日が多くなり、風が吹かないタイミングにはアオコが湖面を覆う時間が長くなります。
写真と文◎編集部
この記事はBasser2019年9月号に掲載したものを再編集しています。
成田紀明(なりた・のりあき)
1972年生まれ。JBワールドシリーズ(現TOP50)、TBC、W.B.S.という国内主要トーナメントすべてで優勝経験をもつプロアングラー。フルタイムガイドとしても活躍しており、釣果だけでなくバスフィッシングの楽しさと技術を提供するスタイルが好評
風に応じたエリアとルアーのアジャスト
本湖では風が吹くとたちまち水が濁りだす。
ほぼ全面が石積みで囲われている八郎潟は、石積みの隙間に堆積した砂泥や汚れが巻き上げられることで濁る仕組みだ。
昔はアシとガマが岸から何十mも沖までまばらに生えており、そのさらに沖にはウイードもたくさん生えていた。
そのため風で湖が荒れてもウイードが第1フィルター、アシとガマが第2フィルターとして機能し、岸近くのカバーは濁りから守られていた。
しかし、現在の八郎潟の植物相に以前ほどの水の浄化作用は期待できない。
よって風の吹き始めにプライムタイムが訪れることはあっても、時間の経過とともにパワーダウンしてしまう。
とはいえ、アシもガマもまったくなくなってしまったわけではない。
風が吹いて水がかき回されたタイミングでアシやガマは最高のフィーディングスポットとなる。湖が落ち着いているときはインレットを巡ってライトリグ中心の釣りをするのがバイトへの近道だが、風が吹いて水が動きだしたタイミングでは、バスにしっかりとアピールできる大きめのルアーをセレクトしたい。
「いつでもどこでもライトリグ」が通用しないのも八郎潟の特徴だ。
私がここでフルタイムガイドをしていたときも、「濁り対策には強波動ルアーとボリュームのあるベイト」が絶対的マストアイテムだった。
ベイトフィネス偏重のアングラーにはアタリさえないことも珍しくなく、「濁ったらルアーを強くする」ということを多くのゲストさんに現場で学んでもらえた。八郎潟は本当に素敵な教科書であり教室だと思う。
DEXクランクベイトCR55SR/R(バークレイ)
DEXクランクベイトCR55SR/Rによる釣果。ちなみに「ラトルイン」モデル
カラーについて
最後に、大事なカラーについて。不人気カラーだけど、濁ったときに持っていないと間違いなく損をするのがワームの「ブラック」だ。
〇〇シュリンプとか〇〇〇シャッドとか、エサしか連想できない名前のカラーは基本的に濁りに弱い。
キツイ濁りに太刀打ちできるカラーはブラック。シルエットがしっかりと出て、魚に集中させられるからだ。
矛盾するようだが、プラグの透ける系カラーである「RDシャッド」の誕生にも八郎潟が関係している。強風で激しく濁った状況から、水が若干落ち着いてきたときまで、幅広いフィールドコンディションで使えるカラーとして閃いたのがこのRDシャッドだからだ。
5-3/4inカットテールワーム(ネコリグ/ゲーリーインターナショナル)
フック:モスキートダブルガード#1/0(モーリス)
シンカー:タングステンカスタムシンカーネイル1/32oz(ジャッカル)
フックは、ハチマキから数えて5つめと6つめのリブの間に掛けるとベストバランスになる
使用タックル
[DEXクランクベイト用]
ロッド:ファンタジスタFC-611MXG-FM(アブ・ガルシア)
リール:レボ SLC IB7(アブ・ガルシア)
スプール:KAHEN(K.T.F)
ライン:ナイロン16Lb
[6.5inカットテールワーム用]
ロッド:レジスタFNC 64ML FookSet UT(アブ・ガルシア)
リール:レボSLT IB8(アブ・ガルシア)
スプール:KAHEN(K.T.F)
ライン:フロロカーボン10Lb
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