静岡県の西伊豆町で体験できるのが、仲間や家族と楽しく釣りができて、釣れた魚は地元の地域通貨に交換することが可能、さまざまなお店での支払いに利用できるというユニークなプランだ。
釣った魚を地域通貨に交換できる街がある
レポート◎編集部
静岡県の西伊豆町で体験できるのが、仲間や家族と楽しく釣りができて、釣れた魚は地元の地域通貨に交換することが可能、さまざまなお店での支払いに利用できるというユニークなプランだ。
この記事は月刊『つり人』2022年8月号に掲載したものを再編集しています
目次
イサキ&レンコダイにチャレンジ!
6月の日曜日、ツッテ西伊豆の4時間ファミリーフィッシングプランを体験しにやってきたのは、神奈川県川崎市の阿久津裕さん・心さん親子と、田邊紘一郎さん・楓さん親子。お世話になるのは提携釣船店の1つである堂ヶ島の「龍海丸」だ。
集合は朝5時半。出船は6時。釣り場は船の出る仁科漁港から7~8分の近場の沖合。釣りはオキアミを使ったコマセ釣りで、前述のとおり必要な道具はすべて船が用意してくれている。できれば持ってきたほうがよい荷物としては、自宅に魚を持ち帰るためのクーラーと、手拭きタオル、ハサミ、ハリ外しなどの小物くらいだ。
慣れていれば爪で1ヵ所を切ればOK
血抜きからキンキンに冷えた海水の中で行なうことで身が締まる
この日のねらいはイサキとレンコダイ。水深60mほどのポイントでまずイサキ、次に水深100mほどのポイントでレンコダイをねらう。仕掛けは船長お手製の2本バリ。他に何が釣れるかはその時のお楽しみだ。
釣り場に着くとまず釣り方のレクチャー。電動リールの使い方も教えてくれる。そして、魚が釣れたところで血抜きと氷締めの方法も教わる。
ここが大切な部分で、ツッテ西伊豆の提携釣船店では、あとで買い取りができるよう、魚の鮮度を保持するための取り決めをそれぞれが守っている。そして、船から上がったあとに魚を買い取りに持ち込むには、利用者と船長の両方が所定の参加証明書に内容を確認してサインするというルールがある。
船を下りたら買い取りに必要な「参加証明書」に、船長と利用者の双方がサインをする
まずはイサキ釣り。釣り方は船長が「45mです」とアナウンスしたら、それプラス5mの深さまで一度仕掛けを下ろす。そこからサオを軽くゆすってコマセを出しつつ、リールを1~2回巻く操作を2~3セット行ない、指示されたタナでアタリを待つ。するとさっそくサオ先を細かく叩く明確なアタリが来た。
血抜きと氷締めは2つのクーラーで行なう。どちらにもたっぷりの海水氷を張り、1つは血抜き専用で、釣れた魚のエラの一部を爪やハサミで切ったらそのまますぐに入れる。5分もすれば血も充分抜けるので、その後は保管用のもう1つのクーラーに移す。
刺身もとれる良型のイサキもまじりながら、食べ頃サイズのアジ、両手で抱えるような大きなサバと、船上はあっという間に賑やかに。後半は予定通り少し深場に移動してレンコダイねらいだ。仕掛けもエサも同じものをそのまま使うが、レンコダイの場合は、を取ったらシンプルに仕掛けを2mほど巻き上げてアタリを待つ。するとこちらもガンガンとサオ先を叩く良型もまじって順調に釣れた。釣り終了となる午前10時までには、クーラーにはきれいな魚がたっぷり入った。
一年を通じてよく釣れるイサキが前半の本命ターゲット。他にアジや丸々としたサバもヒットした
後半は深場でレンコダイねらい。アマダイやタマガシラが釣れることもある