静岡県の西伊豆町で体験できるのが、仲間や家族と楽しく釣りができて、釣れた魚は地元の地域通貨に交換することが可能、さまざまなお店での支払いに利用できるというユニークなプランだ。
釣った魚を地域通貨に交換できる街がある
レポート◎編集部
静岡県の西伊豆町で体験できるのが、仲間や家族と楽しく釣りができて、釣れた魚は地元の地域通貨に交換することが可能、さまざまなお店での支払いに利用できるというユニークなプランだ。
この記事は月刊『つり人』2022年8月号に掲載したものを再編集しています
目次
何ユーヒになったかな?はんばた市場で買い取り体験
港に戻ったところで、船長に確認をいただき、はんばた市場へ魚を持ち込むための参加証明書にサイン。そしてこの日は、あらかじめランチをお願いしていた港近くの日本料理店「旬感竹内」にまず魚を持って行き、お昼に食べたい分のイサキとレンコダイをご主人と相談して預けた。イサキは刺し身、塩焼き、煮付けの3種類に、レンコダイは刺し身と塩焼きにしてもらうことに決まる。「準備は1時間ほどあれば大丈夫」ということで、美味しく調理してもらうのを楽しみにしながら、次にはんばた市場に向かう。
買い取りを行なっているのは市場奥 にある鮮魚コーナー。スタッフのお姉 さんに参加証明書を確認してもらった ところで、いよいよ値付けタイム。な お、規定のサイズに満たない魚や買い取り対象外の魚は持ち帰りになる。今 回は釣れた魚のうち、先ほどのランチ 分、さらに自宅で楽しむ分をのぞい た、イサキ8尾、レンコダイ7尾、そ してレンコダイねらいの時に釣れたタマガシラ2尾をお願いしてみた
結果はトータル1495円! 裕さんと紘一郎さんは「買い取り分をもっと多めにしておけばよかったかな」と笑いつつ、スムーズに査定を受けられるシステムに感心しきり。子どもたちも普段は知らない漁師さんの仕事を少し体験できた。買い取りに同意したところで、同額のサンセットコインがスマホに無事チャージされた。
レンコダイ、タマガシラを合わせたトータルは1495 円だったので、サンセットコイン1495 ユーヒが携帯アプリにチャージ。アプリは地域通貨を扱うchiica(チイカ)をダウンロードして利用する
このサンセットコインの使いみちは、それぞれ自宅でお留守番をしてもらっている、お母さんへのお土産購入に充てることに決定。はんばた市場で風味がよいと評判の鰹節をゲットした。もちろん、他の提携店でも同じように使えるので、これで町内にある複数の温泉に入ることもできるし、あるいはランチの支払いに充ててもよい。
新鮮な魚の料理に舌つづみ
ランチが出来上がるまでの時間は近くの沢田公園へ。断崖の上から海が望める沢田公園露天風呂が有名だが、展望だけを楽しむこともでき、目の前に堂ヶ島の奇岩と青い海が広がる。散策もして食欲もわいたところで、いよいよランチへ。
お店の座敷に上がり、「もう少しで焼けますよ」という塩焼きまですべてそろったところで、先ほどまで海を泳ぎ、自分たちで釣った魚たちをテーブルに並べてもらった。
イサキもレンコダイも目が黒々としている。そして身はプリッとして豊かな弾力がある。これは釣りたてだから当たり前というだけでなく、船の上でキンキンの海水氷に入れてしっかり氷締めしている効果が大きい。「仮に足もとのバケツで泳がせながら血抜きをしていたら、身はもっと柔らかくなります」とスタッフ。実際に食べれば違いはさらに明瞭。「真子もあったので、一緒に煮付けておきました」というイサキの煮付けは、西伊豆流という甘味の強い濃い味付けがご飯にぴったりで箸が進んだ。
子どもたちの食育や自由研究にもぴったりの「ツッテ西伊豆」。次の休日、あるいは夏休み、ぜひ利用してみてはいかがだろう。
この日のランチをお願いしたのは、仁科漁港からも近く、サンセットコインの加盟店でもある「旬感 竹内」(西伊豆町仁科458-5 ☎︎ 0558・52・0676)。座敷があり小さなお子さん連れも歓迎。魚の持ち込みによる料理と食事は、事前に要問合せで相談に乗ってくれる