磯のメジナ釣り大会で全国的に認知が進んだ九州を代表するメジナ釣り場。米水津渡船組合が一丸となってメジナ釣り大会の受け入れ体制を強化。
東九州を代表するメジナ釣り場
レポート◎形田 淳
磯のメジナ釣り大会で全国的に認知が進んだ九州を代表するメジナ釣り場。米水津渡船組合が一丸となってメジナ釣り大会の受け入れ体制を強化。この記事は『つり人』2019年8月号に掲載したものを再編集しています。
釣具メーカー主催大会目白押し
一昔前までは米水津(よのうず)を読むことのできない釣り人が多かったが、近年は磯のメジナ釣り大会に熱心に取り組む釣り人の間で全国的に認知されつつある。その要因は、米水津渡船組合の努力にあるだろう。米水津渡船組合が一丸となってメジナ釣り大会の受け入れ体制を強化したおかげでエリア別の予選大会だけでなく、全国大会決勝を開催するメーカーも複数ある。今回は米水津の当番瀬の1つである「横島3番」での釣りのようすを取材させてもらった。「横島3番」は横島の東端にある独立瀬で、最大6人まで同時に釣りができる。潮通しがよく、上げも下げも両方ねらえて、6月から7月にかけては30~35㎝のメジナの数釣りが楽しめる。メジナの魚影の濃さでいえば、九州の中でもトップクラスだ。また、この時期にはクチブトメジナ以外にオナガメジナやマダイ、イサキも釣れる。
初夏の米水津のメジナ釣りのキーポイントは、浅ダナ&軽い仕掛けだ。メジナのタナは海面から1ヒロ半ということが多いので、付けエサが着水した瞬間も油断できない。ハリスにガン玉を打つと、海面近くのアタリを取れなかったり、付けエサの沈む速度が寄せエサよりも速くなって、メジナに見切られたりするので、できるだけノーシンカーでメジナにアプローチしたい。
米水津で人気の名礁、北から横島1番、2番、3番、4番。横島の1番、3番、4番は当番制のため、上礁するには予約が必要。今回取材させてもらった横島3番は、その中でも特にメジナの魚影が濃い
今回の取材で協力していただいた「政進丸」(米水津竹野浦)。問合先= 090・5294・1977
横島2番との間のワンドの反転流をねらう汐月敦志さん
寄せエサの先打ちがトレンド
近年、地元の釣り人の間で主流になりつつある釣り方は、寄せエサの先打ち。そのねらいは、ハリを刺した分だけ重くなる付けエサを寄せエサを打った後に投入することで、寄せエサの層よりも付けエサを深く沈めないことにある。潮流によって誤差があるものの、海面から2ヒロまでで付けエサと寄せエサを同調させる目安は、メジナ用の軽めの配合エサを混ぜた寄せエサを3杯程度先打ちしてから15秒後くらいに、付けエサを投入すること。米水津では寄せエサにメジナが好反応を見せても、付けエサに対しては意外にシビアだ。そんな時ほど先打ちの寄せエサでアプローチすると釣果につながりやすい傾向にある。なお、アタリが出ずに付けエサだけを取られる時は、ハリの軽量化が効果を発揮することがある。細軸のグレバリ3号程度を持っておくとよいだろう。 さて、この日の「横島3番」では急激な海水温の低下により魚の活性も下がり、爆釣を期待して臨んだ釣り人たちは思わぬ苦戦を強いられた。梅雨メジナが開幕した5月下旬では、サオ頭は40㎝級混じりで軽く20尾以上釣っていたが、この日は35㎝を頭になんとか10尾に届いた程度。これは一時的な食い渋りによるものだったようで、翌週には回復した。
本誌が発売される6月下旬からは、オナガメジナの回遊が活発になるのが例年のパターン。潮替わりなど、流れの変化のあるタイミングは太ハリスに替えてオナガの一発に備えるのが米水津の楽しみ方の1つ。真夏は涼しい半夜釣りや夜釣りにも対応してくれるので、オナガメジナの出やすいマヅメの時間帯に絞って釣行する釣り人も少なくない。また、夏の夜釣りではイサキやケンサキイカもねらえる。
寄せエサと付けエサの同調が、最も重要なテクニック。ノーシンカーの沈め釣り、つまり軽い仕掛けでアプローチするのが米水津の磯釣りの特徴の1つだ
35㎝のメジナをタモに収めた汐月さん
メジナ以外に、良型マダイを釣った汐月さん。春から初夏にかけては、マダイが釣れるのも横島3番の魅力だ
南寄りの風が吹き、波しぶきが大きく舞い上がる。その中から姿を現わしたのは……
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