全国おすすめ釣り場ガイド。神奈川県足柄下郡、「真鶴半島・道無の地磯で釣るメジナ(グレ)」をご紹介します。
道無の磯は午後からがチャンス
解説◎上坂哲史
この記事は月刊つり人2020年4月号の記事を再編集しています
全国おすすめ釣り場ガイド。神奈川県足柄下郡、「真鶴半島・道無の地磯で釣るメジナ(グレ)」をご紹介します。
上坂哲史
昭和42年生まれ。神奈川県茅ヶ崎市在住。好きな釣りは磯の上もの釣りとアユ釣り。バンドマン、釣り雑誌の編集部勤務を経て、現在はフリーライターとして活動中
寒メジナシーズン真っ只中の2月
2020年2月中旬、相模湾沿岸の水温は16℃前後を推移している。例年なら13℃台まで落ちることがあることを考えると、異常とも思える高い水温だが、真鶴半島から東伊豆にかけては、地磯周りでも順調に良型のメジナが釣れている。
道無の磯の背後には採石場跡の岩肌がそびえる。採石が行なわれる前は切り立った崖が水際まで迫っており、磯伝いに進めなかったことが「道無」という名の由来といわれている
今回は、本業のかたわら小田原マリンターミナルを手伝っている青木一郎さんにお願いして、真鶴半島の地磯を案内していただいた。釣友の早野恵一郎さんもサポートとして駆けつけてくださった。向かったのは半島の南岸に位置する「道無」という磯である。
道無の磯には、岩ごとに「トンガリの1~3番」と呼び分けられている。この日サオをだしたのは「トンガリ2番」。足もとから10m前後の水深がある
「ここは相模湾に入った潮が当たる北側とは反対の磯なのですが、海底がすり鉢状に掘れていて、特に乗っ込み前の今時期は、沖から入ってきたメジナが一時的に溜まる場所なんです。ただ、産卵を控えた個体はナーバスになっていますし、また入りやすい場所だけに釣り人が多く、魚は相当スレています。ときとしてハリスは1号、ハリも細軸の3号まで落とすことがありますね」
第1号のメジナは早野さんにきた。30cmと控え目なサイズではあるが、当たり外れの大きい釣り場だけに、この1尾が我々にもたらした希望の大きさは計り知れない
近年はメジナねらいの釣り人が増えたが、もともと道無はクロダイ場として人気があった場所。また、ハンバノリエサでのブダイ、5月の連休以降は回遊魚もよく釣れる。その他、春はアオリイカ、夏はオオモンハタやアカアタといった根魚やカマスなど、多彩な魚がねらえる場所とのことだ。
モゾモゾとしたアタリで釣れたのはカワハギ。ドウヅキ仕掛けで専門にねらっても面白そうだ
40cmオーバーが2尾
青木さん、早野さんともに、オモリを打たない全遊動仕掛けで、無段階に、かつゆっくりと付けエサを送り込んでいくねらい方。いざサオをだしてみると、朝イチからエサ取りが多く、付けエサがほとんど残ってこない。
「今年は水温が高いせいか、厳寒期とは思えないほどエサ取りが多いですね。ここはさほど速い潮が入ってくる場所でもなく、足もとからきっちり付けエサと寄せエサを合わせるほうが釣れるのですが、これだけエサ取りがいると少々しんどいです(苦笑)」
ウキは00 ~ 0 号。ウキ止めを付けない全遊動スタイルで、付けエサを寄せエサと同調させながら無段階に送り込んでいく
寄せエサはオキアミ6~9kgに配合エサ2~3袋が1日分。付けエサは生オキアミのほかに、エサ保ちのよい加工オキアミも用意した
仕掛けは細いものの、大型が食うことを想定してサオは1.25 号のしっかりしたものを使用した
リールは小型LBが使いやすい。ミチイトは風の影響を受けにくいナイロン1.5 号がメイン
サオをだしてしばらくして、早野さんが30㎝クラスのクチブトメジナとカワハギを釣りあげたが後が続かない。
「もともとここは午後からがよく食う場所なんですよ。午前中はしっかり寄せエサを入れて、ポイントを作ることに専念しますね」
正午を回った頃、しばしば付けエサが残ってくるようになった。「そろそろ食うと思いますよ」と青木さんが言うやいなや、早野さんのサオが大きく曲がった。
まさに会心の一発。「前日の釣りでは悔しい思いをしただけに、うれしい1尾です!」
ハリスは1号。慎重にやり取りし、青木さんが差し出す玉網に収まったのは40㎝クラスのクチブトメジナ。青木さんが釣り座に戻った1投目、今度は青木さんのサオにも同クラスがヒット。ものの10分で40㎝オーバーが2尾も食ってきたのである。
青木さんが釣りあげた立派な40㎝オーバー。「午後から食いますよ」との読みを見事に実証した
この直後に南西風が急に強まり、無念の早上がりとなってしまったが、これから迎える乗っ込み期が実に楽しみだ。
イチオシギア
サンライン「トルネード松田スペシャルブラックストリーム」
新技術「プラズマライズ」 により、表面にゴムのようなクッション性を持たせたフロロカーボンハリス。衝撃や摩擦に強く、特に道無のような魚がスレている釣り場で、細ハリスを多用するような場面においては実に頼もしい。
小田原マリンターミナル
住所=神奈川県小田原市江之浦184
営業時間=24時間(年中無休)
連絡先=☎0465-29-0239
交通●R135・JR 真鶴駅前の信号を案内標識にしたがって真鶴半島方面へ進み、最初の信号を右斜め方向へ曲がり、県道739 号を道なりに直進。道無へ入る場合、車は「高浦海岸自然郷」看板向かいの無料駐車場に止めるのが便利
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