全国おすすめ釣り場ガイド。兵庫県 南あわじ市の「沼島のマダイ釣り」をご紹介します。
フカセ釣りで70cmオーバーに期待!
解説◎高崎冬樹
この記事は月刊つり人2020年4月号の記事を再編集しています
全国おすすめ釣り場ガイド。兵庫県 南あわじ市の「沼島のマダイ釣り」をご紹介します。
高崎冬樹
昭和35年生まれ。神戸市北区在住。得意な釣りは磯のグレ釣り。フリーのライター・カメラマン・編集者
冬場が好シーズン
春の乗っ込みシーズン、1人で20尾、30尾という爆発的なクロダイの釣果も珍しくない兵庫県最南端、南あわじ市の沼島の磯で、冬場に盛り上がりをみせるのがマダイ。東に紀淡海峡、西に鳴門海峡というブランドマダイで有名な海域に挟まれた沼島だけにマダイが多くて当然なのだ。
淡路島の南、紀伊水道に浮かぶ沼島の磯へは手前の土生港から渡船で渡る
とはいってもマダイだけをねらって釣行する人は希で、ほとんどは「メジナもクロダイも」というフカセ釣りパターンでの釣果なのだが、ときには70cmオーバーの大型もヒットするので侮れない。例年、エサ取りが少なくなる年末くらいからマダイがまじり始める。
ちなみに沼島の磯の四季の代表的な釣りものを列記すると春のクロダイに始まり初夏になると「トツカ」と呼ばれる25㎝クラスの良型アジがよく釣れるようになる。底もののイシダイが釣れ始めるのもこのころだ。
秋になるとハマチ。メジロなど青ものの回遊が始まりルアー、ノマセ釣りの最盛期を迎える。ここ何年かは少なくなったがアオリイカも秋がベストシーズン。水温が下がり始める晩秋からはクロダイにまじってメジナがフカセファンを楽しませてくれる。近年は40cmオーバーの良型メジナも珍しくなくなった。そして冬、寒クロダイに加えてマダイ……というぐあいに季節は巡る。
2020年2月9日、この日は日曜とあって沼島の磯に渡す川口渡船さんには地元淡路島はもとより神戸、大阪、姫路方面からのお客さんでぎっしり。
お世話になった川口渡船。快速なので土生~沼島はあっという間
軽めの仕掛けでエサはボイルが絶対
午前6時半に沼島の対岸にある土生港を出船、ヤカタ周辺から釣り客を下ろしていき、まるは釣具洲本店スタッフの井手良一さんと渡ったのはトノトビという磯。
漢字では殿飛と書く。「天正9(1581)年、梶原秀景が阿波・三好勢の攻撃を受け、馬に乗ったまま入水して最後をとげた断崖で、この岩に耳を近づけると馬のいななきが聞こえると言われている」というのが、そのいわれ。
その昔「殿様が馬ごと飛んだ」というトノトビ磯
船長によると、ここ何日かクロダイが安定して釣れているとのことだったが、残念ながら終日、本命である南下する潮とは逆の、磯際に当ててくる北上潮が変わることなく、北東風にも翻弄されながら朝一番に35cmクラスのクロダイが1尾ヒットしただけだった。
トノトビで釣れた35cmほどのクロダイ。「コブダイらしき怪魚に数回ハリスを飛ばされたのが悔しい」とは井手さん
しかしグンカン、大磯、岸の海のチョボなどでは60cm前後の良型マダイが釣れていた。ただしヤカタ、青磯、下立神方面の釣果はさっぱりと、磯によって釣果の明暗が分かれたが、水温14℃台のこの日も沼島のマダイは元気だった。
取材日、グンカン、大磯、岸の海のチョボでは良型マダイが!
しかし 月初旬でこの水温は異常だという。以前なら 高くて10℃強、10℃を切ることも多かった。船長によると「マダイはもっと水温が下がらないと」とのこと。2月末からクロダイの乗っ込みが本格化する3月末までがねらいめだ。
ちなみに沼島で使用するエサはオキアミボイルがほとんど。なぜか生オキアミでは食いが悪いと地元の人はいう。この日、試しに加工オキアミをハリに刺してみたが、ボイルにくらべ明らかにハリに残る率が高かった。
仕掛けはクロダイ、メジナ併用なのでハリスは太くて2号まで。水深もさほどないので2B、3Bくらいのオモリでサオ1本半程度のタナまで、ゆっくりナチュラルに落としてねらうとよいだろう。
エサはマキエもサシエもオキアミボイルというのが沼島、地元・淡路島流。クロダイ用の配合エサもプラス
イチオシギア
プロトラスト/『エクセレントフローCN 』『エクセレントフロートAL』
コスパ抜群の磯ウキで遠投性に優れたCN、潮乗りがよいALと『エクセレントフロート』はクロダイだけでなくマダイねらいに最適。ともにツヤ消し塗装で視認性抜群。沼島の磯でクロダイやマダイ釣りに使用するならオモリ負荷2B~3Bあたりがレギュラー
まるは釣具 洲本店
●住所 兵庫県洲本市下加茂 1-656
●営業時間 月~金曜9~21時、土曜5~21時、日曜・祝日5~20時 ※3月までの営業時間
●定休日=年中無休
●問合先 ☎0799・23・1075
交通●神戸淡路鳴門自動車道 の西淡三原IC で降り信号を左折。県道31号、同76 号で渡船が出る土生港まで約30 分
渡船●川口渡船 ☎ 080・6156・9220 、渡船料は5000 円。要予約