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編集部2024年8月29日

シーズン後半の利根川で新製品のアユルアーを試す│浮力内蔵バイブレーションのポテンシャルは?

アユ 全国おすすめ釣り場 群馬

アユはどんなルアーに反応するのか?この釣りをいち早く楽しんでいるアングラーたちからは、「もっといろいろなルアーを試してみたい」という意見をよく聞く。昨年10月、シーズン最終盤の利根川に通っていた飯田重祐さんも、そんな「新しい一手」を試している一人だった。

アユはどんなルアーに反応するのか?この釣りをいち早く楽しんでいるアングラーたちからは、「もっといろいろなルアーを試してみたい」という意見をよく聞く。昨年10月、シーズン最終盤の利根川に通っていた飯田重祐さんも、そんな「新しい一手」を試している一人だった。

写真と文◎編集部

天然遡上に沸いた昨秋の利根川

アユをルアーで釣るアプローチにいち早く興味を示し、全国のアユルアー導入河川に講師として招かれる機会も多いパームス社の飯田重祐さん。トラウトミノーイングの名手でもあるが、ここ数シーズンはすっかりアユルアーの時間が長くなっている

飯田さんは昨シーズンの終盤、天然遡上が好調だった群馬県の利根川に毎週のように通っていた。同川でアユルアーが楽しめるのは前橋市内を中心とした群馬漁協管内になるが、シンプルによく釣れることに加えて、利根川のアユがいつまで釣れるものなのか、実際に目で見て確認したかったからだという。結果は「10月の下旬くらいで打ち止めでした。気温も水温もぐっと下がるタイミングがあって、そのあとはアユの姿そのものが徐々に川から見えなくなり、1日釣って0尾の日が来て、ああこれで終わりなんだなと実感しました(笑)」という。とはいえ、それを楽しんでしまうところに旺盛な探究心がのぞく。

その飯田さんが10月上旬のラストスパートの利根川で使っていたのが、自身でプロトタイプを用意したフローティングタイプのバイブレーションだった。今シーズンから「シャローチューン エスケードバイブフローティング」として発売されているモデルの原型である。そのねらいやきっかけを本人に聞いた。

ルアー

アユルアー

昨シーズンの利根川で実際によくアユが掛かったフローティングタイプのバイブレーション(写真はどちらもプロトおよび試作品)

 

「あの鮎を釣りたい」が原点

「ドシャローでいえば、従来タイプのルアーでも釣れなくはないですが、リップ付きのミノーだったり、シンキングタイプのバイブレーションだったりすると、やっぱり底に引っ掛かって効率が落ちる。そこはフローティングのバイブレーションだろうと思うわけですが、それ自体がアユでなければ考えなかったことですよね。トラウトであればそこまで浅場がよくなるシチュエーション自体がない。そういうところが、アユルアーをやるようになって自分でも釣りが楽しくなっている部分です」

ルアービルダーとしても知られる飯田さんはさっそく試作モデルを自分の手で用意すると、シーズン後半の利根川で、実際の釣れ具合やチェックに取り組み始めた。

「バイブレーションのよさはまず形状的に流れに強いことです。そしてある程度の水流があるところなら20~30㎝程度は素直に潜っていく。そこで今回のフローティングのバイブレーションも、ことさらボトムコンタクトの機能を持たせる必要はないと考えました」

「そのうえで最後まで迷ったのが、まったくのリップレスにするか、極小のリップを付けるかという点でした。試してみるとアユはどちらでも同じように釣れるんですよ。釣果は五分五分。そのうえで製品として世に出すことを前提にした時、より多くの人に使いやすいのはどちらなのか?という点がポイントになりました」

川

 

バイブレーションの楽しさとは?

現在のアユルアーで最もベーシックな1本といえばフローティングミノーといってよいだろう。その中でバイブレーションの使いどころや楽しさはどんな部分にあるのか? 基本的な部分では、フォルム的により強い流れに入れやすいといった点が挙げられるが、飯田さんはほかにもこんな要素を挙げる。

「アユルアーでのバイブレーションのよさというか面白さは、たとえば左右にロッドを倒してスライドさせた時の動きのよさにあります。それがフローティングタイプになるとなおさらで、ロッドを左に倒せばどんどん左に行くし、右なら右に行く。リップレスならさらにその自由度が大きくなります。自分で意図したスライド操作が簡単にできるのです。一方、リップがあるとその自由度が若干落ちます。つまり水を掴むので安定する。最後まで迷ったのはそのどちらを取るべきか?ということでした」

最終的に、今春にリリースされたフローティングのバイブレーションには極小のリップが付いた。ただし、そのリップは基板リップであり、自分で削ることができる。「リップはあってもなくても、本当に同じようにアユは釣れます。ですので、最終的にエスケード(ミノータイプ)を作った時も同じだったのですが、あとは好みに合わせて自由に調整してもらえればいいなと。そこで基板リップにすることで、自由に削ってもらえるようにしました。ショートリップの安定性も生かして釣るか、あるいはリップレスならではの動きやすさを取り入れて魚を誘うか、どちらもいいんですよ。あえて言えば、個人的にはリップなしを細かくコントロールして釣るのが結構好きではあるんですが(笑)」

「ほかにもフローティングのバイブレーションだと、先ほど言った石の頂点をねらうような釣りにも使いやすいと思っています。流れの中に石が見えたら、そのてっぺんだけをフローティングのバイブレーションでねらってみるとか。あるいはアユ釣り場だと、流れの中の水面下10㎝くらいのところにテトラポッドが沈んでいる場所ってありますよね。その平らな部分にいいアカが生えるのか、執着しているアユを見ることが結構あります。そういうところもフローティングのバイブレーションにはいいポイントになるだろうというイメージがありますね」

アユルアーはここ数年で釣り場が拡大しているが、ルアーアングラーの目からアユの習性を見る機会が増えれば、さらにいろいろなアプローチが見つかる可能性がある。自由な発想から生まれるルアーやその使い方が、さらにこの釣りの楽しみを広げてくれるに違いない。

アユ、川

ショートリップタイプにヒット

 

釣り

「今はアユという魚を知ること自体が面白い」と語る飯田さん。トラウトルアーの世界ではすでに多くの人気モデルを世に送り出している。完成したモデルは今春から「シャローチューン エスケードバイブフローティング」として100mm と140mm(各8 色)が発売されている

 

鮎

「前の週に比べるとかなり渋い状況」と言いつつ昼前後の数時間で複数尾をキャッチ。釣り場も広い利根川の遡上には今期も期待したい

 

 

 

 

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※このページは『つり人 2024年8月号』を再編集したものです。

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