ハゼ釣りの素朴な疑問が解消されること間違いなし。子どもや友人とハゼ釣りを楽しみませんか?
ハゼ釣りの素朴な疑問が解消されること間違いなし。子どもや友人とハゼ釣りを楽しみませんか?
文◎編集部
この記事は2021年つり人10月号の記事を再編集しています
目次
江東区在住。自身のYou Tubeチャンネル「398ワールド」でハゼの魅力を発信している。ハゼのありのままを伝える水中映像や検証動画は発見の嵐だ。You Tubeでの活動を通して「東京ハゼ釣り研究会」に所属するなど、398ワールドを拡大中。
ハゼが釣れる場所の特徴を教えてください
地形変化のある泥底を好みます
ハゼは基本的に泥底を好みます。一般的に6 ~ 9 月は30cmくらいの浅場でも多く見かけますが、秋が深まる頃から徐々に深場に落ちていきます。私は冬にレインボーブリッジ近くの水深10 mの釣り場でハゼを釣ったことあります。
汽水域に生息しているため、泥質の河口付近で釣れやすいですが、都内の護岸された運河にも多く生息しており、底だけでなく、護岸の壁にも張り付いています。潮位が高くなれば浅場にも寄ってきて、潮位が低くなると段深いところに集まります。こうして水位の変化に合わせてポイントを探るのも大切です。
底の凹凸や水門周りなど、地形や流れの変化がある場所は、ハゼが食べている底生生物が豊富にいますから、ハゼも集まりやすいポイントです。
流れの強弱に関わらずハゼは釣れますが、流れが強い場所ほどエサが多く集まるのか丸々と太った良型が釣れることが多いです。
釣果が落ちてしまうのは台風後などの大雨が降った後です。水が酸欠状態になり、底のヘドロが巻き上げられ、ハゼの活性が著しく悪くなります。そんな時は水門や流れ込みなどの水が動いて酸素が供給される場所がよくなります。
今回の釣り場である東京都墨田区を流れる北十間川は、押上(スカイツリー前)駅から徒歩5 分とアクセスがよく、護岸されていて足場がよいです。コンビニや公衆トイレも近いので、これからハゼ釣りを始めようとしている方にも最適な運河です。特に東武橋の下は、運河の行き止まりになっていてエサが溜まりやすい場所です。川に噴水が設置され水に動きがあります。水底にも変化があるので、安定した釣果が期待できます。
北十間川にある噴水。流れの変化と水底の変化があり安定した釣果が期待できる
398さんが用意したのは右から、釣ったハゼを入れておけるバッカン、サオ、替えの仕掛け3セット、エサ、ウェットティッシュ、ゴミ袋、ハゼを持ち帰るためのフリーザーバッグ、エサ入れだ。ハゼ釣りは手軽な装備で楽しむことができる
ハゼが釣れやすい時間や潮について教えてください
潮止まりの時間帯は食いが悪くなります
昼も夜も関係なくハゼは釣れます。
水門で水位を調節している運河は潮回りを特に気にしませんが、潮位差が大きな河川の場合は、潮止まりのタイミングは釣れないことが多いです。潮が動いていないので、エサが流れにくくなります。なお潮位によって水位変動の激しい河川の場合は、満潮時に注意が必要です。場所によっては荷物を置いている場所が水浸しになってしまうことがあります。
仕掛けはどのようなものがおすすめですか?
ノベザオを使ったミャク釣り仕掛けがおすすめです
ウキ釣りや投げ釣りでも充分に釣れますが、初心者こそ私はノベザオを使ったミャク釣りをおすすめします。
なぜならミャク釣りはシンプルでトラブルが少ない。初めての方でも扱いやすくハゼの引きや微妙なアタリを楽しみやすいです。また、投げ釣りのように遠くに投げるのではなく、サオの届く範囲で釣りをするので根掛かりしにくいのも魅力です。
ミャク釣りに適したサオを教えてください
先調子のサオがアタリを取りやすいです。長さはポイントに応じて選びます
一般的にハゼは足もとで釣れることも多く、1.5~ 2.1 mといった短めの清流および渓流ザオでも対応できる釣り場ばかりです。足場やポイントまでの距離などの条件によっては、3.6 ~ 5.2 m程度の長ザオも用意できれば万全です。長さを変えることのできる可変ズーム式を使えば、釣り場の状況に柔軟に対応することができます。注意点として長すぎるサオはアタリが取りづらく操作性も悪くなります。ポイントに応じたなるべく短めのサオを選んだほうが使いやすいです。
調子は7:3、8:2 といった曲がりの先調子がおすすめです。アタリが取りやすく、アワセが効きやすいからです。5:5、6:4 といった胴調子のサオは引き味を楽しめますが操作性に欠けます。
私の釣りのこだわりは仕掛けを垂直に落として探ることです。つまり沖に振り込むのではなく、穂先の真下を釣る。その際、サオの角度が水平~水平より20°下がった状態がアタリを見やすい。このため足場の高さや水深など釣り場の条件に合わせて、穂先の直下を釣りやすい長さのサオを選んでいます。今回の北十間川もそうですが、私がよく行く墨田区・江東区の運河では2.1 mを基本にし、沖めをねらいたい時は2.7 mを使います。
ミチイトは何を選べばいいですか?
PEライン0.4 号をおすすめします
ナイロンでもフロロカーボンでも釣果は出ますが、初心者の方にこそ使っていただきたいのがPE ラインです。なぜならアタリが伝わりやすいからです。
私が愛用しているのはユニチカ「シルバースレッドアイキャッチPE Ⅱ」の0.4号です。高比重でイトフケが出づらく、単色の蛍光イエローで視認性がよいのです。なぜ0.4 号かといえば水切りがよく感度もよいと感じるからです。私は目印を使いません。イトの視認性さえよければ必要ないと考えています。
なお、ミチイトはサオの全長と同じ長さにします。サオを立てて仕掛けを回収した時にオモリが手もとに返ってきやすく、魚を外すまでの一連の動作がスムーズになり手返しがよくなります。
オモリは何号を選べばいいですか?
アユ釣り用のシンカー0.5 ~1 号を使っています
ゴム張りタイプのアユ釣り用シンカーを愛用しています。着脱がしやすいのがメリットです。
重さは0.5 ~ 1 号を用意して、流れの強弱でオモリを変えます。小さいアタリも伝わりやすいのは軽いシンカーですが、流れの強い場所だと仕掛けが流されてしまいます。流れに合った、なるべく軽いシンカーを使います。
オモリはハリス止メの直前に付けます。ハリスからの距離が近いことでアタリが伝わりやすいです。
アユ釣り用のダイワ「ワンタッチシンカーロックR`」
ハリス止メはどのようなものを使っていますか?
オサノン「完全ハリス止 極小」を使っています
溶接で作られていてハリスが外れにくく、切れにくいのでのおすすめです。それとシンプルな構造が好みです。私はスイベルの付いたハリス止メが好きではありません。エサに近い結束具になるので、なるべく軽いほうがいいと考えます。
ミチイトのPE をチチワにして、ぶしょう付けでハリス止メに結束しています。
オサノン「完全ハリス止極小」
ハリスの長さと号数はどのようなものがいいですか?
ハリスは短く1cm、号数は太く1.5 号です
市販完成仕掛けのハリス長は10cm前後が多いです。それでもハゼは釣れるのですが、私はハリスを1cmと極端に短くしています。そうすることで、アタリが伝わりやすくなります。ハリスが長いとイトがたるみます。ひったくるようにエサを食べればハリスが張ってアタリが出ますが、その場でパクっと食べて動かない「居食い」のような繊細なアタリは出にくいはずです。ハゼがエサを押さえ込んだ時やくわえた瞬間をとらえるためにハリスを1cmにしています。
サオの項目でも触れましたが、私は穂先の真下で仕掛けを垂直に立てて釣ることがほとんどです。なぜならそのほうが小さなアタリをとらえやすいからです。この際エサが川底にべったり付いているとアタリが出にくい。そこでハリスを短くすると着底後にサオをわずかに上げるだけで、エサが底スレスレを漂いやすく、アタリもしっかり出やすいのです。
ハリスはフロロカーボンの1.5 号を使っています。完成仕掛けでは0.8 号が使われていることが多いのですが、細いイトだと使っているうちに縮れてしまいます。やや太いイトを使うことで、長い時間使用しても傷みにくい。また張りとコシがあるため底から持ち上げた時にハリが変な方向を向きにくく、オモリの下でハリ先がしっかりと上を向きます。
ハリスは短く1cm
ハリは何号を使えばいいですか?
ハゼの大きさによって合わせます
ハリのサイズが小さすぎると飲まれやすくなり、大きすぎると食い込みにくく なります。ハゼの大きさに合わせたハリ選びが必要です。
場所にもよりますが、6月に釣れるハゼは生まれて2~ 3ヵ月ほどのデキハゼで、体長が5~ 6cmほどであることが多いです。私の場合こうした小型の多い時期は、袖バリの2 号を使います。8月になり、釣れるハゼが10cmを超えてくるとハゼバリの4~5号にします。9月末から10 月以降にかけて、15~ 17cmの大きさが釣れるようになるとハゼバリの7~ 8号というぐあいに使い分けています。
今回の北十間川ではハゼバリの5 号を使いましたが、私が愛用しているハリのひとつがささめ針「キスリベロ」5~8号です。釣れるハゼのサイズに合わせて使っています。このハリは刺さりが鋭く、ハリ先が鈍りにくい特徴があります。また、ヒネリが入っているのでハリ先が口に触れやすく、フッキングしやすいと感じています。
ヒネリがあって刺さりやすいささめ針 「キスリベロ」
エサは何を使えばよいですか?
私のオススメは冷凍ホタテとボイルエビです
ハゼ釣りのエサはアオイソメが定番ですが、私のおすすめは冷凍ホタテとボイルエビです。どちらもスーパーで購入でき、アオイソメを使うことに抵抗がある女性やお子さんも使いやすい。
ホタテやボイルエビはアオイソメと比べても釣果に遜色がありません。注意点としては、アオイソメに比べ耐久性が弱いことです。こまめなエサの交換が必要です。1尾釣れたり、反応がなくなった時は面倒がらずに新しいものに取り換えてください。また、ハリにゴミが付着しているとハゼがエサを食わなくなります。必ず取り除きましょう。
エビは尻尾を使うと硬くてハリに刺しやすいです
エサにホタテの肝を使うと、ハゼがエサを吐き出して、ハリ掛かりが悪くなってしまう傾向があります。肝は外して、貝柱を使います。身をほぐして、なるべく丸く団子状に付けるのがポイントです。タラシはなくても釣れますが0.5cm以下が適当です。エサのタラシが長いとホタテが食いちぎられてハリ掛かりが悪くなります
どのように誘えばハゼが釣れますか?
垂直に落とし、サオを上げてイトを張ります。エサを底すれすれの状態にするのがポイントです
まず私の釣りの前提として沖めに振り込むことはしません。仕掛けを垂直に落として穂先の下を釣ります。沖めに振り込んでしまうと操作性が落ち、アタリに対する反応も遅くなります。また斜めに振り込んでいると根掛かりもしやすくなります。沖めを釣りたい時は長いサオを選んで垂直に落とします。
着底後にサオ先をオモリからエサまでの長さ分上げて、底すれすれにエサがある状態でアタリを取ります。
アタリがなければ仕掛けを入れ直します。ハゼは落ちてくるものに興味を示すので、入れ直すこと自体が誘いにもつながります。小刻みに穂先を動かしてエサを踊らせるような誘いはしません。
慣れてきたら、仕掛けが着底する直前にサオ先を上げてイトを張ります。イトを張った状態で仕掛けを底に落とすと、落ちた瞬間に食いつくアタリも取ることができます。
アワセの仕方と取り込み方のコツを教えてください
コツは小さく鋭く。取り込む時はサオを大きくあおらずにゆっくりと立てましょう
アタリはサオ先と水面に入っているミチイトに出ます。サオの項目で述べたとおり、アタリを取りやすいサオの角度は水平~ 20°くらいサオが下がった状態です。
アタリが出た瞬間にサオを鋭く上げます。コツは小さく鋭くです。小さく合わせることによって、ハゼが掛からなかった時に仕掛けをすぐに入れ直すことができます。ハゼは何回もエサを食べてくるので、入れ直せばアタリが出ます。
取り込みのコツはサオを大きくあおらずにゆっくりと立てることです。
アタリが出たら小さく鋭く合わせる。
釣ったハゼはどう持ち帰ればいいですか?
フリーザーバッグがおすすめです
釣りの最中は、ハゼをキープするバッカンやバケツに水を入れて、エアレーションで酸素を送り、ここでハゼをキープします。
水は入れすぎないようにしたほうがいいです。身体がひたひたになるくらいで充分です。水を入れすぎるとかえってハゼが死んでしまいます。スカリを使って川に入れておくのもよいでしょう。釣りが終わったら、フリーザーバッグに入れて持ち帰ります。暑い日はクーラーボックスや保冷剤があればベストですが、フリーザーバッグの中に魚体を湿らす程度の水を入れ、空気を入れるためにフリーザーバッグは閉めないで持ち帰れば、ハゼは1~ 2時間ほど生きています。
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