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編集部2022年6月8日

京都府/亀岡・南丹周辺 里山タナゴ探検 その2(全3回)

タナゴ 全国おすすめ釣り場 京都

田んぼに水が引かれ、カエルの合唱が響くころは、水路の小魚たちも生き生きと泳ぎだす。牧歌的な自然を愛でる、里山のタナゴ探検。その魅力を紹介しよう。

色鮮やかな日本の淡水魚を釣ろう!

写真と文◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2021年7月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

 

田んぼに水が引かれ、カエルの合唱が響くころは、水路の小魚たちも生き生きと泳ぎだす。牧歌的な自然を愛でる、里山のタナゴ探検。その魅力を紹介しよう。

タナゴ探索の方法

 

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仕掛けは親ウキを沈めない。浮力を残した状態で使うことが多く板オモリではなくガン玉で浮力を調整。ウキでアタリを取るよりも捕食の瞬間をサイト(見釣り)で合わせることが大半だ

 

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里川探索の愛竿はフエルコNB120-3Z(1.2 m)、NB210-3Z(2.1m)、NB300-3Z(3 m)。全長を3段階に調整できる小継ぎノベザオで、いずれもショルダーポーチにすっぽり収まる仕舞寸法。タナゴの釣れるフィールドは小水路や堀割、大河川から湖沼と多彩だ。この3 本があれば大抵の釣り場に対応できる

 

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卵の黄身とホットケーキミックスを混ぜ合わせた黄身練りを100 均ショップの小型ジップロックに入れて携帯。専用ポンプを使うと洗わなければならないが、これなら使用後にそのまま捨てられる

 

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黄身練りで反応が悪い時はアカムシも使う。ヤリタナゴやアブラボテは大らかに釣れるのが魅力だ

 

初めて訪れた土地で中西さんは何を基準にタナゴを探るのだろう。

「本流や湖とのつながりを見ます。本流から支流へ、小川や水路と流れを遡っていく中で、魚の越えられない堰堤があるかないかをチェックします。水脈がしっかりとつながっていれば小深くなったマスやカーブに注目します」

地形図を見て目星を付け、実際に川や水路を歩いて確かめる。多くの場合タナゴは目視で確認できる。川底や水草の際でピカピカと身をひるがえす平打ちを見つけ出せればポイント捜しは正解である。

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暗渠や小堰堤の近くは好ポイント。藻が揺れている水域は特にタナゴが有望だ

 

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水路のクランクには小深くなったマスが多い。増水後にタナゴがよく溜まる

二枚貝の有無もタナゴ探釣の手掛かりのひとつ。タナゴはドブガイなどの二枚貝に産卵する。産期の初夏は特に貝の多いエリアに集まる傾向が強いといえる。

「雨が降って増水すれば、魚は動きます。ヤリタナゴやカネヒラは回遊しやすい魚で、水路の行き止まりに溜まっていることも多いんです。ただ代掻きの濁りが入るとタナゴは釣れにくい。魚影も確認できません。代掻きエリアは大きく移動したほうがよいです」

たとえ魚影が見えなくてもタナゴの潜む要素が揃っていれば、仕掛けを入れてみると答えは出る。このポイント探索こそタナゴ釣りの最大の魅力と中西さんはいう。

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二枚貝の貝殻が見られる場所は生きた貝もいる可能性が高い。タナゴのいる確率も高まる

 

 この日、中西さんが最初に目星をつけたポイントは、小川から引かれたタテ水路。すぐ側には田園につながるヨコ水路の吐き出し口り、水底にはトタンの残骸が沈んでいる。それがタナゴの住処になっていると推理した。

食いしん坊なアブラボテ

サラサラと流れる小川の隅に仕掛けを振り込む。エサは黄身練り。たちまち小さな魚影が水底に走って、ウキが忙しなく動く。合わせるとアブラボテが躍り上がった。それからは入れ食いである。親指くらいのサイズが一投一尾で中西さんの手のひらに舞い込む。

「かわいい顔のボテですね。気温も上がってとても活性が高い」

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アブラボテは障害物に付きやすい。とりわけ食いしん坊で我先にとエサに飛びつく傾向がある。中西さんはサイズアップと婚姻色を求めて動く。横から流入する小水路を辿ると、行き止まりとなる場所には二枚貝がたくさんいる。が、水深が浅く魚影は見えない。その側を流れる幅4mほどの川筋に行き、中西さんが注目したのは蛇行点。そこは水路の吐き出し口があり小深い。目を凝らせば小魚が泳いでいる。

吐き出しの脇にある反転流にエサを落とすと、再びアブラボテが頻繁に当たりだす。そこも小型ボのスクールのようだ。中西さんはサオを2・1mに持ち替え、やや下流のカケアガリにねらいを絞った。すると、一回り大きなアブラボテがヒットした。

「いい色ですよ」

油色で腹部がボテっと膨らんでいるのがアブラボテの名の由来。中西さんが手にするのはまさに名のとおりの個体だった。

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ヌマチチブも中西さんにとっては楽しいターゲット。見えている魚は何でも釣りたいという。ちなみにこうした底生魚もタナゴの繁殖に欠かせない存在だ

 

ひとしきりアブラボテを愛でることができたので、今度はヤリタナゴを求めて水路の下流部に向かう。ヤリタナゴは全国的に最も自然分布域が広く、多くの人が探釣しやすい在来タナゴである。

所々で魚影を確認しながら土手道を歩く。ヤリタナゴらしき魚影を発見したところで仕掛けを入れた。そこでも反応が早いのはアブラボテ。根気よく探るとヤリタナゴが食いついた。

「ヒレがうっすら色付いてます」

 尻ビレの先端がオレンジ色で可憐な魚体だ。その後も同じような魚が3尾ヒットした。

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ヤリタナゴをキャッチ! 流れっ川に多い在来タナゴの代表選手

 

中西さんは撮影台の木皿に水を張った。ヤリタナゴとアブラボテを乗せ、カメラを取り出すとシャッターを切る。出会った魚たちを記し、釣れた水域に帰す。そうして中西さんのタナゴ釣りは完結する。

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写真で魚を記録するのも中西さんの釣りの一部。魚のエラや口から泡が出ないように細心の注意を払ってシャッターを何枚も切る左)ヒレが広がるように水を張って魚体全体の美しさをとらえる。木皿が愛用の撮影台だ

 

 

次回はオヤニラミのねらい方について紹介します!

▶▶▶ 京都府/亀岡・南丹周辺 手のひらの感激 里山タナゴ探検その3(全3回)

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