近年個体数が増えたのか、身近な存在になってきたクロダイ。全国で楽しまれている落とし込み釣りの中でも堤防際にエサを落とすヘチ釣りは東京湾が発祥。特有の道具を使ったり、エサにこだわったり、と魅力は数多くあるが、足もとという距離の近さで大ものが釣れる可能性があることが何よりの魅力。身近な釣り場で、シンプルな道具立てで、クロダイが釣れる。
接近戦がおもしろい!ヘチ釣りを始めよう
文◎高木翔太 写真◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2021年8月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
近年個体数が増えたのか、身近な存在になってきたクロダイ。全国で楽しまれている落とし込み釣りの中でも堤防際にエサを落とすヘチ釣りは東京湾が発祥。特有の道具を使ったり、エサにこだわったり、と魅力は数多くあるが、足もとという距離の近さで大ものが釣れる可能性があることが何よりの魅力。身近な釣り場で、シンプルな道具立てで、クロダイが釣れる。
ヘチ釣りを教えていただいたのは横浜市にあるアークス根岸店の店長を務める佐藤弘充さん。横浜沖堤を中心に横浜エリアで広くヘチ釣りを楽しんでいる。
目次
ミチイトの視認性で釣果に差が出る
ミチイトはナイロン。しなやかで扱いやすく、水馴染みもよいため落とし込みやすい。ラインの違和感を捉えて掛ける釣りなので、オレンジや蛍光グリーンなど落とし込み専用の見やすいイトを使うことが釣果に直結する。太さは1年をとおして2号。ハリスはフロロがおすすめで、根ズレに強いため岸壁際を探るこの釣りに最適だ。1.5号を1ヒロセットしよう。ヨレを抑えることができるため小型のヨリモドシを使って接続するとよい。
釣具店で見てみるとクロダイ用のチヌバリの他にカニ専用や貝専用といった種類のハリが見つかる。これらのハリはチヌバリをベースにガン玉を装着しやすく作られたもの。それぞれ特徴があるが、まずはチヌバリで問題はない。ボサガニやイガイを使うので5号のハリが丁度よい。
ガン玉はハリのチモト付近にペンチを使ってしっかり噛ませる。B〜5Bまで用意して使い分ければさまざまな状況に対応できる。オモリは軽いほうが魚の食いがよいためできる限り軽いオモリを使うとよい。ただ潮の流れが速いときには感覚が掴みづらいため重めのガン玉を打つ。入門者の場合は操作に慣れるために重めのガン玉から使い、徐々に軽くしていこう。
基本的にガン玉はチモトに打つ。貝をまとめて使用するときにはフトコロだ。他にもハリを結んだ際に余ったイトに打つ人もいる
エサは入手しやすいボサガニがおすすめ
ボサガニは安価で、取り扱っている釣具店が多く入手しやすい。クロダイもよく釣れるがフグなどのゲストも引き寄せる。また、ボサガニは岸壁ギリギリに落した時に張り付いてしまうことがある。この難点を解決できるのがイガイだ。
エサは弱りやすいのでサカサオケから必要な分だけをエサ箱に入れて携帯する。エサ箱にはネットの切れ端などを入れておくとカニが弱りにくい。またエサ箱がプラスチックだと温度が上昇し弱りやすいので暖まりにくい木製がおすすめ。エサ取りが少ないようであれば1人20匹あれば充分楽しめるが、魚の活性が高い場合には50 匹と多めに用意しても足りないこともある
イガイは岸壁に張り付いている貝の仲間でクロダイの大好物。クロダイのほかにイガイに食いつく魚がいないためクロダイだけにねらいを絞ることができる。また岸壁にへばり着くことがないため壁際ギリギリへタイトにアプローチすることが可能になりクロダイとの距離がグッと縮まるのだ。ただし、難点はイガイを取り扱っている釣具店が非常に少ないこと。最近の東京湾では数が減ってきているようで入荷していないこともある。海釣り公園や沖堤防などでは採集禁止のところが多いため、自分で採集する場合は必ず事前に確認して欲しい。
イガイは干潮のときに露出して満潮時には潮をかぶるような高さに付着する。イガイが海面に沈む潮位になるとクロダイがエサを食べるために浮いてくるためチャンスタイムに突入する
またカニ型のワームやイガイのルアーも販売されている。これらも合わせて持っておくとエサの残量を気にせずに1日楽しめるのでおすすめ。
エサの付け方
カニは下から数えて1本目と2本目の間から入れ、4本目とハサミの間からハリ先を出す。
イガイの付け方①蝶番にチョン掛け。どちらか片方の辺からハリを入れもう一方の辺にハリ先を出す。
イガイの付け方②短く硬いほうの辺の蝶番付近からハリを入れ、ハリ先を同じ辺から出す
イガイの付け方③複数の小さいイガイをハリ付け。イガイが絡み合うために出している繊維にハリを絡める。1 つのイガイでは反応がないときに使うとよい
次回は釣り方のコツを解説します!
▶▶▶ 「クロダイ(チヌ)は足もとにいる!ヘチ釣り入門その3」
◆関連動画もチェック!