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編集部2022年5月25日

クロダイ(チヌ)は足もとにいる!ヘチ釣り入門その3(全3回)

クロダイ-海 魚種別釣りガイド

近年個体数が増えたのか、身近な存在になってきたクロダイ。全国で楽しまれている落とし込み釣りの中でも堤防際にエサを落とすヘチ釣りは東京湾が発祥。特有の道具を使ったり、エサにこだわったり、と魅力は数多くあるが、足もとという距離の近さで大ものが釣れる可能性があることが何よりの魅力。身近な釣り場で、シンプルな道具立てで、クロダイが釣れる。

接近戦がおもしろい!ヘチ釣りを始めよう

文◎高木翔太 写真◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2021年8月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。

近年個体数が増えたのか、身近な存在になってきたクロダイ。全国で楽しまれている落とし込み釣りの中でも堤防際にエサを落とすヘチ釣りは東京湾が発祥。特有の道具を使ったり、エサにこだわったり、と魅力は数多くあるが、足もとという距離の近さで大ものが釣れる可能性があることが何よりの魅力。身近な釣り場で、シンプルな道具立てで、クロダイが釣れる。

kurodai-heti (1)

ヘチ釣りを教えていただいたのは横浜市にあるアークス根岸店の店長を務める佐藤弘充さん。横浜沖堤を中心に横浜エリアで広くヘチ釣りを楽しんでいる。

常に一定のイトフケを作っておくことを意識する

 サオを軽く立てた状態でイトを引き出しておき、エサは水面のやや上にある状態から釣りが始まる。

 ゆっくりとサオ先を下げていき、エサをなるべく岸壁ギリギリに着水させる。クロダイは壁のほうを向いてエサを捕食しているので壁に近ければ近いほどよいアプローチになる。落とし込んでいく速度は1秒で10㎝くらいが基本。サオ先と同時に自分の姿勢も低くしていくことでリールの操作なしで水面から3〜4mは探ることができる。満潮時の水面付近にはイガイの層があり、食い気のあるクロダイはイガイの層の付近まで浮上する。イガイそのものもエサだが、イガイの層の中にはカニやイソメやエビなども潜んでいる。

kurodai-heti (14)「クロダイが警戒してしまうので水面はあまり覗き込んではダメです。風があたって波が立っている側は釣りづらいのですが、クロダイの警戒心が薄まります。慣れたら積極的にねらいましょう」と佐藤さん

 まずはこのイガイの層の上から下までをサオ1本分のストロークで探る。これからのハイシーズンはタナ釣りといって、このイガイの層の付近だけをスピーディーに探っていく釣りが有効だが、シーズン初期は全層を探ったほうがいい。

 さらにイトフケを出してサオで送り込むか、回転性のよいリールならスプールを回転させて仕掛けを落とし込んでいく。

 アタリがないまま着底したら仕掛けを回収し、5mほど移動して再投入。ポイントを変えると潮の流れが微妙に変化し沈降速度も変わってくる。沈下速度を一定に保つことがセオリーとされるが、季節や天候などによって効く速度は異なるので釣れなければ速度を変えてみるのも大事。また、仲間が釣れたときはエサやタナだけではなく、オモリの号数も確認したい。

 落としていく時はラインを張らず緩めずの状態で落としていくのがポイント。といってもフカセ釣りではないのでヘチ釣りではイトフケは作りすぎる必要はない。むしろ張り気味にして落とし込むことでライン変化が出やすくなる。たとえばイトを張って落とすから居食いのときにイトが入らずフケができるし(通称ストップアタリ)、張っていれば微妙な重みを感じることもある。イトフケがあるとどうしてもアワセが遅れ気味になる。

 アタリはとても繊細だ。水面とイトの接点の上あたりを点ではなく線で見て、サオ先付近にも注意を向け、小さな違和感を見逃さないことが大切。

kurodai-heti (10)サクっと切り取られたように食われているのはフグの仕業。クロダイの場合は石で擦りつぶされたようになる

kurodai-heti (15)堤防ではこのようなケーソンの切れ目が1級ポイント。河川では橋脚周りや矢板といった障害物周りを重点的にねらっていこう

 

違和感を感じたらサオでアタリを聞いてみる

  アタリがあったらサオ先を上げて聞いてみる。ここで重さが乗ったらしっかりとリールを押さえて鋭くアワセを入れよう。ただし、ツブと呼ばれるイガイの一枚掛けの場合は即アワセが基本になる。

 フッキングが成功すると1:1のタイコリールによるスリリングな接近戦が始まる。サオ尻を肘に当てサオを保持してファイトする。このときもリールをしっかり押さえてテンションが掛かり続けるようにする。サオの反発をうまく利用し、決して綱引きはしない。魚を引っ張り上げるのではなく、サオを曲げた状態をキープして自然と浮き上がってくるのを待ち、玉網を使って掬う。

  繊細なアタリからは想像もつかないような強烈なファイトが始まることも多い。他の釣りにはない足もとという至近距離でのスリリングなやり取りは一度味わったらこの釣りの虜になることだろう。湾奥の河川や港、堤防などクロダイは身近にいるので最寄りの釣り場で大ものをねらってトライしてみてほしい。

kurodai-heti (16)アオイソメで釣ったカサゴ。カニや貝だけでなくアオイソメも持っていけばスズキなどもねらえる

 

アークス根岸店

kurodai-heti (17)

神奈川県横浜市中区根岸町1丁目1

☎ 045・624・4168

ホームページ:https://ssl3.naviservers.net/saoyo2/

本牧海釣施設、磯子海釣公園のちょうど真ん中という立地から、周辺釣り場の情報が豊富。落とし込み釣りで必要な道具類やエサを取り揃えている。イソメはもちろんのこと今回紹介したボサガニやイガイ(10も扱いがある。活エサに関しては入荷が不定期なためHPや電話で確認していただきたい。

 

粂丸

神奈川県横浜市中区新山下1-4-1

☎ 045・622・0997

●営業時間や料金はホームページでご確認ください https://yamamoto-turibune.com/ 

●交通:首都高速・山下IC で下車し、山下埠頭方面出口へ。山下橋の交差点を左折、橋を渡ってすぐ左方向に延びる道路へ進むと到着

 

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