横浜のベイエリアは文明と自然が交錯し多彩な船が行き交う海がある。そこには思いのほか豊かな魚が生息する。海のポテンシャルを存分に味わえるのがボートフィッシング。3~4人収容のチャーター船なら、機動力、小回りを活かした釣りが欲張りに楽しめる!
チャーターボートならよくばりプランを実現できる!
写真と文◎編集部
横浜のベイエリアは文明と自然が交錯し多彩な船が行き交う海がある。そこには思いのほか豊かな魚が生息する。海のポテンシャルを存分に味わえるのがボートフィッシング。3~4人収容のチャーター船なら、機動力、小回りを活かした釣りが欲張りに楽しめる!
目次
- その1
- 4目釣りを提案!
- その2
- テッパンのシロギス
- スリル満点!落とし込みクロダイ
- その3
- タコ餌木で入れ乗り
- フォールアタリを掛け取ってマアジが乱舞
タコ餌木で入れ乗り
続いてマダコである。2019年、夏の東京湾は各地でマダコフィーバー。横浜港周辺も「爆沸き」といってよいほどに釣れ盛っている。この日、我々の前に乗っていた午前のお客さんも充分すぎるマダコを手にしたようす。池田さんは沖イカロッド、松田さんはタチウオロッド、瞳さんはバスロッドにタコ餌木をセットすると船下に落とす。あとはトントンと小突くのみ。仕掛けは以下の図の通りだ。
タコ釣りといえばワタリガニを付けたテンヤ仕掛けが古くから用いられる。それが近年はタコ餌木が大人気。というのも中・小型が乗りやすいメリットがある。1個、もしくは2個付けで餌木と一緒に30号のオモリをセットすればOK。
座って静かに小突いていた松田さんが「ムムッ」と違和感を察知。タコのアタリはポンポンと動かしていた餌木が踏んづけられたかのようになる。イトが張り、穂先が止まり、重さが乗る。そこでイトを送り込むようにし、一間置いて思い切りサオをあおる。タコが乗ればその重さでバットが軋む。あとは穂先を下げず、テンションを抜かず、水面まで一気に巻き上げて船内に入れる。そうして松田さんがファーストヒットを決めると、池田さんも続く。
アタリが分からないと言っていた瞳さんに「乗ってるよ」と船長がアドバイス。「これか!」と合点がいくと、そこからが凄かった。松田さん、池田さんに対し「イカでも釣ってなさいよ」と言わんばかりに連発。それも良型ばかりを揃えるのだから不思議だ。3人の違いがあるとすれば、ロッドが少し軟らかめなことくらいだ。
船長が用意したタコイケスがみるみるといっぱいになったところで太陽もだいぶ西に傾いた。最後の1目であるアジを釣りに船長が舵を切る。
フォールアタリを掛け取ってマアジが乱舞
当ボートですすめるアジ釣りは寄せエサを使わない。サビキ仕掛けのみ用意すればOK。アジの付いた障害物周りに船が近づくので、そこにサビキ仕掛けを落とすだけ。仕掛けは以下の通りだ。
「アタリは大抵、仕掛けが落ちていくフォール中に出ます。仕掛けが止まるなど、不自然な動きをしたらそこで聞き上げると乗っていることが多いですね。やばい時は1時間で50尾くらいヒットします」
と家田船長。アジは回遊性の強いクロアジ型と根などに居着くキアジ型の2タイプがいて、両者を比べればキアジ型のほうが美味。地域によっては「金アジ」と呼ばれる。ここで釣れるのは障害物周りに付いたキアジ型が多く脂もよく乗っている。
水通しのよさそうな障害物との間に仕掛けを落とし込んだ松田さん。次の瞬間「これはアジでしょう!」と気持ちよくサオを曲げ、躍り上がったのは25㎝クラス。瞳さんも続いてダブルヒット。船が流れてポイントから外れるとアタリが止まるが、入りなおせば再び当たる。シンプルな釣り方ながらフォール中の違和感をとらえる繊細な一面もあり、とても面白そう。よく肥えた食べごろサイズを10尾ほど釣ったところでストップフィッシング。
親子でも、カップルでも、仲間同士でもよい。身近な海の幸をいっぺんに味わえるボートに乗ってこの夏を満喫しよう。