身近な川で楽しめて、工夫の面白さも実感できるのが小気味よい引きが魅力のオイカワ釣り。大人もきっと夢中になる!
ウキ、サビキ、フライ。身近な川で夏を楽しむ「オイカワトライアスロン」
写真と文◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2021年9月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
身近な川で楽しめて、工夫の面白さも実感できるのが小気味よい引きが魅力のオイカワ釣り。大人もきっと夢中になる!
目次
夏の元気印、オイカワを釣ろう
本州を中心に各地の清流に棲息し、白銀のボディーで群れ泳ぐオイカワ。川遊びができる郊外の川はもちろん、川虫が棲息するような場所なら都会の川でも姿が見られる。
夏のオイカワはコンディションもよい。上が婚姻色のはっきりと出たオス
7月上旬、「今シーズンはオイカワが絶好調です」と教えてくれたのは、埼玉県の飯能市に住む齋藤竜也さん。齋藤さんは東京都出身ながら、今は自然も多い飯能市に家族と住んでいて、地元入間漁協の組合員にもなっている。上流に行けばヤマメも釣れる入間川だが、中流部はオイカワが面白い。
今の時期のオイカワ釣りは、夏にかけて鮮やかな婚姻色に染まる大型のオスが混じる。その姿は時に風格すら感じるほどで、自然の造形に思わず見とれること間違いなし。
浅い瀬の中に立っての釣りは気分も爽快だ。サイズにかかわらず、流れの中で掛かる魚は「クククン」という引きのよさも味わえる。
シンプルな「ウキ釣り」にひと工夫
この日は、まず市販の川釣り仕掛けで釣ってみた。市販仕掛けは便利な一方、現場でのちょっとした調整で釣果が変わることがよくある。実は勤め先の会社で、釣り堀の管理人をすることもある齋藤さん。まずはウキ釣りの仕掛けを手に取った。
ウキ釣りで使用したのはカツイチの「アジャスト仕掛 池・川」。夏の水辺で遊べるオーソドックスなウキ仕掛け。サオの全長に合わせて「ミドル(3. 6 ~ 4. 5 m)」か「ショート(2. 7 ~ 3. 6 m)」を選べる
見やすいトウガラシウキが付属する
最初に決めたのは、エサを川で採取する川虫にすること。夏のオイカワは比較的流れの通った開けた瀬でよく釣れる。この時に有効なエサの筆頭格が川虫だ。オイカワ釣りでよく行なわれる釣りの1つにピストン釣りがあるが、ウキ仕掛けでこれに近い状態を再現する。
見や川虫は膝下程度の流れにある、これくらいの大きさの石からが採りやすい
「ウキ釣りならエサは川虫が断然おすすめです」と齋藤さん
オイカワのいるような清流で、膝下程度の流れの通った場所から、片手で持ち上げられる範囲の大きめの石を拾い上げると、そこに川虫が付いている。手早く捕まえたら、少し濡らして自分の手や腕に張り付けておくと大人しくなる。これでエサがストックできる。
あとはウキ釣り仕掛けのハリにこの川虫を刺して流すが、齋藤さんはハリスの長さを調整。パッケージに入っていた元の状態より短く付け直して、オモリからハリまでを5㎝ほどにした。夏のオイカワがいる膝下程度の平瀬を釣る場合、オモリからハリは短いほうが余分なフケがなくなり、活性の高いオイカワが川虫を食ったらすぐにテンションが伝わって、ウキへの反応も出やすくなる。この使いこなしで、少し深い場所から浅くなる場所をウキ先行で流すと、元気なオイカワがツンとウキを引き込んでまずキャッチできた。
ハリスはパッケージに入っていた状態よりも短めにセットした。川虫は数匹を手に張り付けておく
少し硬い胴の中央にハリを刺す
木道のたもとが少し掘れ、浅くなるカゲアガリに仕掛けを流すといい反応。ハリからウキまでは水深より少し深い(長い)程度にする
次回はサビキ釣りとフライをご紹介します! ▶▶▶ 「夏のオイカワ釣りをウキ、サビキ、フライ、3つの釣り方で堪能 その2」
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