パコンッという小気味よい音でルアーが吸い込まれる魅惑のトップゲーム。なぜトップウォーターなのか。そしてどうすれば多くのバイトを引き出し、フッキングに持ち込めるのか。そのA to Z をキャスティング新大宮バイパス店の石川さんに教えてもらった。
水深50㎝の浅場で勝負!
写真と文◎編集部
こちらの記事は月刊『つり人』2022年7月号に掲載したものをオンライン版として公開しています。
パコンッという小気味よい音でルアーが吸い込まれる魅惑のトップゲーム。なぜトップウォーターなのか。そしてどうすれば多くのバイトを引き出し、フッキングに持ち込めるのか。そのA to Z をキャスティング新大宮バイパス店の石川さんに教えてもらった。
左が今回ナマズのトップウォーターゲームを教えてくれた石川さん。右は教わった編集部員クロハ
「トップウォーターでねらう!ナマズ釣り入門 その2」 ◀◀◀前回の記事はコチラ
Q.5 ルアーはどのように動かせばよいですか?
基本的にはただ巻きで、移動距離を抑えたいときはシェイク巻きがよいでしょう。ルアーは常に動かした状態をキープしてください。
まず、ポイントに近付くときは忍び足が鉄則です。ナマズは音に敏感なのでそーっと近づきます。ナマズは基本、流れに向かって頭を向けて定位しています。
昼間のナマズは障害物や物陰にピッタリと身を寄せて隠れているので、アシのポケットや護岸際、流れ込みなどの岸をねらうときには、なるべくルアーを岸際に入れます。岸際はナマズの有望ポイントです。対岸や沖に投げる前にまずは足もとの岸際からねらいましょう。その際に誘い方がややチョウチン気味(草や枝にラインをひっかけてチョンチョンと誘う保方法)になりますが問題ありません。むしろ1点で誘えるため、チョウチンが有効なケースは多いです。
真上から落としたり、枝や草にラインを引っかけてルアーをチョンチョンと1点で動かして誘うのも効果的だ
足もとを探って出なければ、対岸をねらいます。対岸に投げる際、私は真正面に投げて探る場合が多いです。
真正面のアプローチで反応がなければ、ナマズの背後からルアーを通してリアクションで食わせるイメージでダウンに投げます。
アップに投げるときはベイトがたくさんいて、流下してくるエサをナマズが積極的に待っているときです。
ルアーの動かし方の基本はただ巻きです。ただ巻きで重要なのは、イトをピンと張りすぎないこと。ナマズは吸い込んで押さえ込むようにルアーを食べるのですが、イトが張りすぎていると、活性が低いナマズはルアーを吸い込みきれません。しっかりと吸い込ませるためにイトのたるみを作ります。また、釣り人側がバイトに対して身構える時間を少しでも作るために、イトのたるみが必要だと考えています。
ただ巻きでルアーを動かすときはイトを張りすぎないようにする。ナイロンラインに比べてPE ラインのほうがヨレが少なく、イトのたるみを作りやすい
動かしているルアーを止めてしまうと、音や振動を頼りに追いかけてきたナマズがルアーを見失ってしまうので、止めずに動かし続けてください。
ただ巻きの中により複雑な動きを出したいときや、移動距離をおさえたいときはサオ先を細かくシェイクしながら巻きます。
着水してから3アクション目まででバイトが出ることが多く、同じポイントにルアーを3回通してバイトが出なければ、ナマズがいないかやる気がないかのどちらかです。そのスポットは見切って、テンポよく釣り探りましょう。
ナマズを目視できる状況であればヒゲや尾ビレがどのようになっているかを確認しましょう。私の経験では、ヒゲが起きていて尾ビレを動かしているナマズほど活性が高くルアーに反応させやすいです。逆に、ヒゲが寝ていて尾ビレが動いていないナマズほど活性が低くルアーに反応させづらいです。
Q.6 バイトがあったらどう乗せたらいいですか?
ナマズはミスバイトが多い魚です。サオ先にナマズの重みを感じてから合わせましょう
ナマズはミスバイトが多い魚で2~3度食い直してきます。バイトがあってもいきなり合わせずに、ナマズがルアーを吸い込んで、サオ先にナマズの重みを感じてから合わせましょう。ナマズがルアーをどの方向から食ってきたかを確認できればベスト。頭の向きと逆方向にサオをあおって力をより伝えることができればフッキング率が上がります。
ショートバイトで乗らないときや、掛かってもバレてしまうときはフックを調整しましょう。ダブルフックをトリプルフックに交換したり、スプリットリングを2 重連結してトリプルフックを付けると掛かりがよくなります。ですがその分根掛かりのリスクも増えます。
石川さんはフック交換をしてルアーをこまめに調整していた。水門や流れ込みなど、着水直後のバイトが期待できる場所はフロントフック、リアフックともにトリプルフックに交換しハリ掛かりをよくしていた。一方でアシ際などトリプルフックが引っかかりやすい場所ではダブルフックを使った
また、フックにティンセルを付けると水中で抵抗を受け、フックが垂れ下がらずにルアーと水平に浮き上がりやすくなり、ナマズに吸い込まれたときに口に入りやすくなります。フック付近にバイトさせるためにフックにラバースカートを付けることも効果的です。
Q.7 釣りあげた後の扱い方について教えてください。
優しく扱って速やかにリリースしましょう。
ナマズは歯が鋭いので、フィッシュグリップを使って持ちましょう。細長い身体に負荷がかかってしまうので縦持ち推奨ですが、横に持つときはお腹を支えるように持つとよいでしょう。
ナマズの身体にはヌメリがあり、皮膚を守っています。ヌメリが取れると弱ってしまうので、コンクリートや泥、砂利の上に置くのは禁物です。撮影したいときは草を横に倒して濡らして置きましょう。また、ナマズの骨は柔らかく、足場の高いところからリリースするとナマズが骨折してしまいます。必ずランディングネットを使って水面近くでリリースしてください。
地面に直には置かず、草を横に倒した場所にナマズを置く
ランディングネットは、ランディングのため、そしてリリース時のためにも必携だ
ナマズをねらうとバス、ライギョ、ニゴイなどたくさんの魚種に出会える
ムシムシしている雨の日はナマズ日和。日中のナマズゲームをぜひ楽しんでいただきたい