4月16日(日)千葉県・片倉ダムのレコードとなる更新する60cm4000gのビッグバスをキャッチしたローカルの高橋洋一さんに釣り方を聞きました。ブレイクエッジに浮くメスをねらうルアーセレクト&アプローチとは?
ブレイクエッジに浮くメスをねらうルアーセレクト&アプローチ
写真提供◎高橋洋一さん
4月16日(日)、千葉県・片倉ダム(笹川湖)で同湖のレコードを更新する60cm4000gのビッグバスがキャッチされました。レンタルボート店・笹川ボート公認の公式記録で、釣ったのは年間80日ほど同湖に浮かんでいるローカルの高橋洋一さんです。
産卵のためにシャローを意識してブレイクの沖をクルーズしているプリスポーンのメスをねらい、自己記録更新魚を手中に収めました。
ヒットルアーは背バリチューンを施したリップレスのビッグベイト。「この釣りにはハードのビッグベイトが唯一無二」という、ルアーセレクトの意図からエリアセレクトのキモまで、インタビューしました。
■高橋洋一さんのKRK205用タックル
ロッド:ワイルドサイドWSC64XH “Big Bait Special Finesse”(レジットデザイン)
リール:バンタムMGL HG(左ハンドル/シマノ)
ライン:シューター・FCスナイパーBMSアザヤカ 20Lb(サンライン)
※リールはツインボールベアリング(アルカス)でチューン。スプールの立ち上がりがよくなるので、オーバーハングの多いフィールドでの低弾道のキャストが行ないやすい
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遠くから見つけてほしいけれど水を動かしたくない。だからリップレスのビッグベイト
千葉県・君津市の片倉ダム(笹川湖)は亀山湖の上流に位置するレンタルボートレイク。前日は雨に見舞われていたものの、この日は朝から晴天に恵まれました。
高橋さんは行きつけの笹川ボートから出船し、ビッグサイズのみをねらってシャローに隣接するブレイクをラン&ガンしていきました。ねらっていたのはまだ一度も卵を産んでいないプリスポーンのメスです。
「先週の大潮でシャローに上がってきた個体が、晴れて水温が上がったタイミングで浮くはずなので、その魚をねらって条件のいいスポットを釣っていきました。浮き気味になったプリのメスは、ブレイクエッジに沿って泳ぎながら、ハードボトムや大きな岩や切り株など、気になったところで立ち止まります。とくに反転流が発生する場所には特大サイズが上がってくるんですよ」
高橋さんがこのロクマルをキャッチしたのは朝9時すぎのこと。
笹川ボートのスタッフが現地へ駆けつけ計測・現認した公式記録だ
場所は笹川ボートの上流に位置する中島エリアです。このエリアは比較的ストレートなバンクが続きますが、高橋さんはそのなかにある地形の変化を見逃しませんでした。
「広めに張り出した地形で、なおかつチャネルが岸に寄っていくスポットです。岸から10~12mのところに水深2mから10mまで急に落ちるブレイクがあって、バスは沖側の深さ2~2.5mのところをふらふら泳いでいるイメージ。ボートポジションはバスの上に乗らないように岸から20mほど距離を取って釣りました」
ルアーはリップレスビッグベイトのKRK205(カエス)。背中側にトレブルフックをセットできるようにチューンしていました。
ボトムをずる引きするための背バリチューン。付属のタングステンボールでシンクレートを調節でき、タングステンボールを3個(+プラスティックボール1個)に設定。ヒットルアーにはベリーフックのアイにシンカーを追加して使用
「浅い側に投げてルアーをボトムまで沈めたら、ボトムから離れないようにずるずる引いてきます。ラインの重さ(フロロ20Lb)でルアーが引かれるように、リトリーブはラインのたるみを巻き取るだけの操作です。バスはカレントに対して上流を向いているはずなので、ルアーがバスの前方から近づいてくるように、ボートの斜め前方へキャストします。ラインは流れに押されてわずかに下流へ膨らむので、そのラインにルアーを引かせてバスと行き会わせます。ブレイクのエッジに差し掛かったらそのままルアーをフォールさせて、下方向に逃がす動きで食わせました」
背バリチューンをしてまでリップレスビッグベイトを選んだ理由や、バスの前方にキャストするプレゼンテーションのねらいは、神経質な春のデカバスを本気食いさせるためのだという。
「遠くからバスにルアーを認識させておいて、エサだと思って口を使ってくれる魚をねらっているんですよ。リアクション気味に食わせるとどうしても掛かりが悪くなってバレてしまうので。それに、この時期のメスは水を動かすものを警戒して避けている印象があります。ラインのシェイクはもちろん、スイムベイトのテールのひと振りさえ、自分が意図しないところでは出てほしくないんです。リップレスのビッグベイトなら、ほとんど水を動かさず、ラインでアクションをつけなくても、その大きさで遠くから見つけてもらえます」
4月といえばスポーニング真っ只中のフィールドも多いが、ネストのサイト以外でも特大サイズをキャッチできることを教えてくれた高橋さんのロクマル。
ビッグベイトを手に湖へ繰り出してみてはいかがでしょうか?