近年のバスフィッシングシーンに大きなインパクトを与えている「ライブスコープ」。特にトーナメントではその傾向が顕著で、先日桧原湖にて行なわれたJB TOP50の試合においてもほぼすべての選手がこのデバイスを自身のボートに搭載していました。
基本的な性質とそのメリット
Basser編集部=文と写真 取材協力=青木唯(JB TOP50アングラー)
トーナメントシーンでは普及率高し
近年のバスフィッシングシーンに大きなインパクトを与えている「ライブスコープ」。特にトーナメントではその傾向が顕著で、先日桧原湖にて行なわれたJB TOP50の試合においてもほぼすべての選手がこのデバイスを自身のボートに搭載していました。反対に、高価なことから(モニターと振動子で50万以上!)一般アングラーの間にはまだまだ浸透していないのが実情で、「すごい道具とは聞くけど、ライブスコープって結局どんな感じなの? 魔法みたいに釣れるの?」という人も多いはず。取材でたびたび目にはしていますが、自分で所有はしていない記者もそのひとりです。
そこで、「ライブスコープとは何なのか」という基本的なことJB TOP50屈指のライブスコープの使い手である青木唯選手に改めてインタビュー。この魚探で何ができるのか。そのメリットは何なのかを教えてもらいました。
2021年TOP50桧原湖戦で最終日に大会最重量ウエイトをマークし、4位入賞した青木唯選手
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見たいものが「常に」見えるというメリット
その名のとおり、ライブスコープの特徴は「LIVE」。つまり水中を画像ではなく映像(動画)として見れるところにあります。それだけで「なんかすごそう」とはなりますが、動画的に水中を確認できるとことメリットは何なのでしょうか。ベイトもバスも、水中のストラクチャーも、従来式の魚探(2Dやサイドイメージ系、ダウンイメージ系)でも確認できるからです。■関連記事
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青木「僕にとっての最大のメリットは見たいものが『常に』見えるということです。
これまでの魚探は、対象の真上を通過することでその真下に何があるかを画面に映し出します。ただそれは写真と同じで、撮った1秒後には過去のものになってしまう。『今この瞬間魚がどう動いているか』はわかりません。
対してライブスコープは、映したいものを常に映し続けることができます。ストラクチャーの形状や立ち木の枝はどう伸びているか。それにバスとベイトがどう着いていて、どのように泳いでいるか。それを常に把握できるからこそ正確なアプローチができるんです」
青木選手はフロント魚探はライブスコープ1台で試合に臨んだ。風の中でも常にエレキを精密にコントロールし、画面上に自身のルアーを映し続けた
バスへのプレッシャーということを考えると、水中を離れたところから映せるというのも大きなメリット。対象の近くを通過しなければ機能しないそのほかの魚探とは、バスに与えるプレッシャーがまったく変わってきます。青木さんいわく、ライブスコープであれば30mくらい先まで魚をしっかり映せるとのこと。
また、「ボートが止まった状態で使える」。これも大きいです。従来式の魚探は常に動いていないと水中の様子を正確に映してくれません(例外あり)。
・動画として水中の状態を常に、正確に把握できる。
・離れたところから水中を映し出せる。
・動き回らず、ボートをステイさせた状態で使える。
まとめてみると、たしかにメリットはかなり大きそうです。
青木「得られる情報量とその正確さが圧倒的です。もはやライブスコープなしと言うのは考えられない。2D魚探でしかできないのはサーモクライン(水温躍層)の把握くらい。
桧原湖戦もそうでしたが、ライブスコープ魚探1台で事足りてしまうことが多いです」
使いこなすことができれば、青木さんのように水中のバスの姿を映し出し、それを直接シューティングでねらって釣果につなげるということも可能ですが、それはあくまで応用的な話。まずは水中を正確に把握するためのツールとして活用するのがオススメだそうです。
青木「ビーム(超音波)の照射角が左右20度と狭いので、ストラクチャーはともかく動いてるバスを映し続けるのは結構難しいんですよ。ちょっと方向がズレるとすぐに画面から消えちゃう。
だから、まずはバスを直接ねらおうとするのではなく、立ち木とか沈船など『あ、ここバスいそう』ってところをねらってみるのがいいと思います。 自分が投げたルアーがどう沈んで行くかも見えるのでかなり正確に撃てますし、映っていなくても実はバスがいて、いきなり映像に現れて食ってくることもあるので。これだけでも釣れる魚は増えると思いますよ」
実際の試合で青木さんがどうライブスコープを活用していたのかは次号10月26日発売の『Basser』12月号でレポート予定です!