増田聖哉さんが河口湖で実践するふたつのギルパターン :第1回
ひとつめはギル食いバスをねらう方法
Basser編集部=文フィールドのどのエリアで釣りをするのか決める優先事項はアングラーによってさまざまだ。そんななかでもここ数年、注目を集めているのがブルーギルの存在。
この記事では河口湖を舞台に増田聖哉さんが実践するふたつのギルパターンを紹介する。
この記事はBasser2014年9月号に掲載したものを再編集しています。
解説=増田聖哉(ますだ・まさや)
1969年12月生まれ。静岡県出身。JBトーナメントに参戦するアングラーで、トーナメント歴は20年以上。地元静岡県のバスアングラーをサポートしたいとの思いでプロショップ「バンガード」を立ち上げて以来、経営者としても多忙な日々を送っている。
ルアーフィッシングプロショップ「バンガード」
ブルーギルを追いかけてバスを手にする2通りの方法
増田聖哉さんは20年以上の参戦歴をもつトーナメントアングラーだ。そもそもバス釣りのスタートはブルーギルが見える野池のオカッパリだったため、ブルーギルの存在を意識するのは自然のことだった。
この取材では河口湖で増田さんのブルーギルパターンをふたつ実践してもらった。
当日は台風通過による濁りと高気圧の影響でバスの反応が鈍ることが予想された。バスがルアーを追える状況なのか目視で確認するためにショートディスタンスでキャストする。ルアーはギル型のI字系、ゾーイ。ここはチョイ沖にウイードの帯があり、岸際のベジテーションとウイードを一度に探れる一級スポットだったが、追ってくるバスはまばら……
「ひとつめは、ブルーギルを捕食したがっているバスをねらう釣りです。このパターンでは、そのものズバリでベイトとなるブルーギルを模したルアーでシャローを釣ります。もうひとつはブルーギルが食べているものを横取りしようとするバスをねらうパターンです。この釣りではわざとブルーギルにルアーをバイトさせます。その口からルアーを外したときにバスに捕食のスイッチが入ります」
どちらの釣り方も、バスとブルーギルが同じエリアにいることがバスを手にするためのキーになる。河口湖は水色がクリアで、シャローであればブルーギルのようすが目視できる。また水深6m付近までブルーギルの住処になるウイードが生育しているので、魚探でウイードを探していけばブルーギルの居場所を予測しやすい。
バスがブルーギルを食べたがるときとは?
ひとつめのパターンは、ブルーギルをベイトフィッシュととらえ、これを捕食するバスを釣ろうというものだ。バスがブルーギルを食べたがるのはどういうときなのだろうか?
「河口湖でこの釣りがハマりやすいのは6月中旬から下旬、アフタースポーンのバスと産卵のためにシャローへ差してくるブルーギルがリンクする時期です。水温が20℃を超えるとバスのスポーニングが終わりに近づき、多くの個体がアフタースポーンの状態になります。それと入れ違いでブルーギルが産卵行動を始めます。スポーニングから体力が回復していないバスは動きの速いベイトを食べられません。ブルーギルは遊泳力が弱く、素早く泳げないので、アフターのバスにとって絶好のベイトになります」
ブルーギルは砂利底のシャローにネストを作るが、遊泳力が弱いのでカレントが強く当たらないスポットを好む傾向がある。ウイードが水流になびかず直立しているスポットの周辺を重点的に探るのが有効だ。
当日は大石公園沖エリアでブルーギルが多く見られた
河口湖のようなクリアウォーターレイクでは、バスがルアーにバイトするときに視覚の重要性が高い。そのため、ゾーイなどブルーギルをリアルに模したルアーが効果的という。
ゾーイ(T.H.タックル)
ただし、この種のルアーはバスが追ってくるもののバイトまで至らないというケースが起こりやすい。気圧が下がり、雨が降ったり風が吹いたりとバスの活性が高まると捕食のスイッチが入りやすくなり、このパターンがハマる状況になる。ほかにチャンスがある時期は?
「秋に試すのも効果的です。水温低下やターンオーバーなどで、一時的にレイク全体の魚の活性が低くなったときは、バスの行動も制限されます。動きたいのに動けないバスが相対的に動きの鈍いブルーギルを食べるのはアフタースポーンの時期と似ています」
Basser7月号では、初夏から梅雨にかけてとくに有効になるフローティングジャークベイトを特集しています。沖田護さん、川口直人さん、山木一人さん、泉和摩さん、北大祐さんらの解説のほか、このルアーを使いこなすためのタックルセッティングやウエイトチューンの方法、フックセレクトなど細かいコンテンツも満載。第2特集で取りあげるスイムジグとチャターベイトタイプも見逃せない内容です!
2017/06/15