「ボートフィッシングを始めてみたいけど、乗り方がわからない」というアングラーへ、2014年3月号に掲載した茂手木祥吾さんによる解説記事を紹介します。
第2回:フットコンエレキとは?
第3回:ボートのセッティング手順と注意点
第4回:バッテリーの取り扱い
第5回:操船の初歩と釣るためのコツ
フットコンエレキとは?
編集部=写真・文
「ボートフィッシングを始めてみたいけど、乗り方がわからない」というアングラーへ、2014年3月号に掲載した茂手木祥吾さんによる解説記事を紹介します。茂手木さんがオススメするのはフットコンエレキ×レンタルボートのスタイル。
第2回は、動力であるエレキについて解説します。
解説=茂手木祥吾(もてぎ・しょうご)
1974年5月26日生まれ。JB TOP50で活躍(2012年桧原湖戦優勝)するとともに、ダイワのスタッフとしてルアー開発に携わっている。総合釣り具店・キャスティングに勤務しており、エレキにまつわる相談を受けることも多い。
※この記事は2014年3月号に掲載したものを再編集しています。
1974年5月26日生まれ。JB TOP50で活躍(2012年桧原湖戦優勝)するとともに、ダイワのスタッフとしてルアー開発に携わっている。総合釣り具店・キャスティングに勤務しており、エレキにまつわる相談を受けることも多い。
※この記事は2014年3月号に掲載したものを再編集しています。
フットコンエレキが断然お薦め
ボートフィッシングは手漕ぎでもハンドコントロールエレキでも楽しめるが、僕のイチ推しはフットコントロールエレキ(フットコン)。手漕ぎでは移動が大変ですし、釣り中にボートが動かないようにするのも難しいので、慣れないうちは「ボートフィッシングって大変……」となりかねない。フットコンは手がフリーになるので圧倒的に釣りに集中できる。
船首に装着されているのがフットコンタイプのエレキ。水中にのびるシャフトの先にモーターがある
エレキ本体はこんな形。写真はモーターガイドX3
このようにペダルを使って操船する。両手がフリーになるので操船しながら釣りができる
これがペダル(※写真はFWシリーズのもの。取材時はモーターガイドFWシリーズとTRシリーズを例に解説してもらった)。前後にシーソー式に傾けることで方向転換が行なわれる。右上の白い部分がマイクロスイッチ。ここを踏むとモーターが作動する。また、ペダルから伸びる+と-のケーブルは販売時は短いので延長が必要。ショップで伸ばしてもらったり、延長コードを購入して自分で接続しよう。短いままだとバッテリーをフロントに置かなければならないため、船のバランスをとりにくい
ヘッド部の矢印が進行方向を示してくれる。ペダルを前に踏み込むと右に、後ろに踏むと左に向かう
ペダルには3つの小さなスイッチ(トグルスイッチ)が付いている。コンスタントオンモード(FWシリーズでは白丸)にするとマイクロスイッチを踏まなくてもモーターが回転し続ける。モメンタリーモード(FWシリーズではTマーク)ではマイクロスイッチを踏んだときだけモーターが作動する。ハイバイパスモード(FWシリーズではウサギマーク)では、設定スピードに関係なく、マイクロスイッチを踏むと最速でモーターが作動する。基本的にはモメンタリーモードを使用。コンスタントオンとハイバイパスは長距離移動のときに便利。ただし、「気付かないうちにハイバイパスモードになっていて、マイクロスイッチを踏んだ瞬間落水」「セッティング時にコンスタントオンモードに切り替わり、プロップでケガをした」などのトラブルもよく起きている。ことあるたびにこのスイッチを確認する癖をつけよう
マウント装着済みのバウデッキ。エレキをボートに取り付けるにはマウント(エレキを固定する金具)が必要。マウントがレンタルボートに直接付いている場合もあるが、ほとんどの場合はマウント付きバウデッキをボートに装着する仕組み。バウデッキはショップオリジナル品やサウザー製のものが出回っており、釣具店で1万円前後で購入できる。ちなみにマウントはモーターガイドの場合エレキとセットになっている。ショップによってはエレキとバウデッキを同時に買うと、バウデッキにマウントを取り付けてくれるサービスもある。セット販売も多い
フットコンエレキの選び方
僕は故障が少なく扱いやすいモーターガイド製のフットコンを愛用している。予算と釣行スタイル、回数に合わせたセレクトがいいと思うが、バスフィッシングとライフワークとして関わるのであれば80Lbクラスの無段階変速モデルを推奨する。バッテリーの減りが遅く、パワーがあるのでアルミボート、バスボートへの転用も可能だ。とはいえ、ひとり乗りであれば40Lbクラスのモデルでも充分なパワーを備えている。ローパワーのモデルは遠出には向かないが、落水などのトラブルが起きにくいというメリットがある。
また、エレキは定期的にオーバーホールに出すようにしよう。大事に使っていても多少はコイルが焼けたり、ブラシが磨耗したりするからだ。たとえばエレキ限定フィールドに月に2回釣行するアングラーであれば、2年に一度はメンテナンスしてもらおう。これを欠かさなければ10年以上故障なしで長持ちしてくれる可能性が高い。モーターガイドの場合、オーバーホールに出すには販売店に持ち込めばOKだ。
5段階変速と無段階変速の違い
エレキの速力を5段階で選べるものと、最小から最大速力まで無段階でスピードを選べるものがある。
FWシリーズの5段階変速ダイヤル(ロータリースイッチ)。画像中央の窓の部分に1~5までのダイヤルが表示される。バッテリーの減りが速い
TRシリーズの無段階変速ダイヤル。無駄な電力が消費されないので5段階変速と比べてバッテリーが長持ちする。スピードの微調節も可能
シャフト長
ヘッド部からモーターまでのシャフトの長さも何種類かラインナップされている。
レンタルボートの場合は32in、36inなどの短いほうが使い勝手がいい。水上に出ているシャフトが長いと、キャスト時にエレキヘッドにロッドやルアーをぶつけるトラブルが起きやすくなり、逆に水面下のシャフトが長いとシャローに入りにくくなるうえに、シャフトが水の抵抗を受けやすくなるのでスピードが出にくい。水面からプロップ(中心)の距離は30~40cmになるようにセッティングしよう。水面下ギリギリだとスピードは出やすいが、波があるときにプロップが水面上に出やすくなり操作性が著しく損なわれる
siteBがお薦めするフットコンエレキ
X3シリーズ(モーターガイド)
エントリーモデルでありながら、操船しやすさを追求したモデル。VRSテクノロジーを採用しており、直進性が高い。また、シャフトにコンポジット素材を使っているためモーターが障害物にヒットした際など、衝撃を吸収してくれる。
■X3-45-36″
45Lb・12V・シャフト長36in・5段階変速・8万5000円+税
■X3-55-36″
55Lb・12V・シャフト長36in・5段階変速・10万5000円+税
■X3-55V-36″
55Lb・12V・シャフト長36in・無段階変速・14万円+税
X5シリーズ(モーターガイド)
茂手木さんをはじめ多くのアングラーに愛用されるTRシリーズの後継機種。VRSテクノロジーやコンポジットシャフトの採用に加え、ローランスの魚探と互換性のある振動子を内蔵したSNRモデルもラインナップされている。
■X5-80V-36″
80Lb・24V・シャフト長36in・無段階変速・22万円+税
■X5-80V-45″ SNR
80Lb・24V・シャフト長45in・無段階変速・振動子内蔵・22万8000円+税
日相園
取材時にお世話になった相模湖のレンタルボート店。目の前に大場所(旧橋脚跡や島周り/冬から春にかけて実績多数)があるため、操船初心者の練習を兼ねた釣りにぴったり。バーベキュースペースやコテージもあるので家族旅行にもお薦め。
■レンタルボートラインナップ
免許不要艇(10ft) 3000円
ローボート(12ft) 3000円
14ft 3000円
10馬力エンジン付きアルミボート 6500円
※料金は一名乗船の場合
・フットコンエレキのレンタルあり(2000円)
・バッテリーのレンタルあり(1000円)
・ライフジャケットの無料貸し出しあり
……次回、フットコンエレキ×レンタルボートで始めるボートフィッシング入門
第3回「セッティングの順序と注意点」は
2017/1/26