編集部2017年12月22日

レジットデザイン鬼形毅さんが解説 ロッドガイドと飛距離の関係: 第1回

Basser バス釣り

Basser2015年10月号「Strategy of Distance」特集号では、レジットデザイン鬼形毅さんがロッドの性能とガイドとの関係を解説している。 一見すると抵抗が大きそうな小径ガイドと飛距離の関係についてディープに掘り下げてもらいました。

鬼形 毅(おにかた・たけし) 15年以上のキャリアをもつロッドデザイナー。レジットデザインでワイルドサイドシリーズの開発を担当。AbemaTVによるBasser Allstar Classic 2017生中継ではスタジオ解説を担当していただきました

今の主流は性能をトータルで底上げする多点小径セッティング

Basser編集部=写真と文


近年のバスロッドは、ひと昔前と比較してガイドの径が小さく、数もより多く取り付けられているのがトレンドだ。 Basser2015年10月号「Strategy of Distance」特集号では、レジットデザイン鬼形毅さんがロッドの性能とガイドとの関係を解説している。 一見すると抵抗が大きそうな小径ガイドと飛距離の関係についてディープに掘り下げてもらいました。

※この記事はBasser2015年10月号に掲載された記事を再編集しています。

ロッドパワーを引き出す多点化


―― 鬼形さんが設計したロッドは、昔から標準よりもガイドの数が多かったですが、使ってみるとルアーがよく飛ぶので衝撃を受けました。富士工業が1995年に「ニューガイドコンセプト」を提唱するまでは6ftのベイトロッドにはガイドが7個セットされているのが標準でした。「ニューガイドコンセプト」のロッドを見て小さいガイドがたくさんついてる、と驚いたものですが、鬼形さんのロッドは同じタイミングでさらに1個多かった。

●富士工業……ガイドやグリップパーツなどを製造するロッドパーツメーカー。
●ニューガイドコンセプト……飛距離、感度、パワーの向上を目的に富士工業が1995年に発表したガイドセッティングのコンセプト。ガイドの数を8~9個まで増やし、ティップガイドの径は6~7㎜とそれまでより径を小さくした。


鬼形 僕のロッドでガイドの数が多くなったのは、とくに飛距離重視というわけではなく、サオをきれいに曲げたいから。

b_01_01_05a
 たとえばガイドがロッドティップにひとつしかないロッドを想像してみてほしい。曲げるとリールとトップガイドの間でラインが一直線になってブランクのパワーがまるで生かせない。ガイドの数を増やしていくと、ラインの曲がりがブランクに沿うようになる。本来力がかかるべきところがちゃんと曲がってくれるわけです。パワーをロスしないようにガイドを多くつけて曲げると、結果的に大きな反発力がつくから、それがルアーを遠くに飛ばす、あるいはまっすぐ飛ばすという力に変換されていくんです。

 ガイドの数が増えれば抵抗値も増えるから、少ないほうが飛ぶんじゃないの? という意見もある。それはもっともなんだけど、ガイドを増やしてブランクをきれいに曲げてあげれば、抵抗値を上回るだけのパワーを出せると考えることもできます。

小径化で軽さと感度が向上


―― ガイドが増えると重くなってしまいますよね?

鬼形 だから小さい径のガイドをつけたかった。小さくすればたくさんつけられるからね。ひとつのきっかけとしては、日本でベイトフィネスが一般的になる前、米国のキスラーというメーカーがマイクロガイドのコンセプトを打ち出した。

●マイクロガイド……米国のロッドメーカー、キスラーが2009年のICASTで発表したガイドシステム。小径(4㎜)の同一ガイドをティップからバットまで並べた構造で、日本のロッドデザイナーにも大きな影響を与えた。

b_01_02DSC_5105a
 マイクロガイドのメリットはふたつあって、軽いからたくさんつけてもロッドが重くならないことと、イトが常にガイドに接してるため感度がいいこと。僕もキスラーのロッドを見て、これはアリだ、と思ったよ。でも、日本のバスフィッシングのスタイル、使うルアー、ロッドのアクションを考えると、そのままじゃダメだった。

 どうしようか、と考えているときにベイトフィネスの釣りが出てきた。沢村幸弘さんのリールを見せてもらって、サオも進化していかないとせっかくのリールの性能が生かせないと思ったから、まずはベイトフィネス用のロッドにマイクロガイドの考えを採用した。ベイトフィネスで利点がより発揮されるセッティングだと思ったから。

 でも、すべてのガイドを小径にしてしまうとデメリットも出てくる。リールから暴れながら出ていくラインをいきなり小さい穴で迎えると大きな抵抗になってしまう。だから暴れているラインをどうやって収束させるかが、多点小径ガイドセッティングの大きなテーマですね。

 Basser最新号、2018年2月号は12月26日発売!

 今号は、SHAD(=ニシンダマシ)が生息していない日本で広く浸透した「シャッド」を特集。
 通年シャッドを使いビッグバスを手にしている山木一人さんのシャッド論に始まり、福島健さんと木村建太さんがシャッドとクランクベイトの境界線を語る対談、折金一樹さんのフック考、五十嵐さんのPEライン戦略など、シャッドを多角的に掘り下げます。
 また、編集部員がシャッドについて気になることを徹底検証。さまざまなシャッドを水槽で泳がしてアクションの質やピッチ数を計測したり、巻きスピードによる釣果の差を調査したりと、釣行に役立つヒントが満載です。
 不定期連載「イヨケンのCar Top! Go Top!」では、伊豫部健さんが高山ダムにエレキオンリーのジョンボートスタイルで臨みます。
 新連載「ぶっつけ初場所ATTACKER」では、並木敏成さんによる冬の三島湖チャレンジ「前編」をお届け。初めてのフィールドで何を考え、どのように釣りを組み立てていくのか。並木さんの理論的な考察は必見です。
 そしてB.A.S.S.エリート史上、最年少でAOYを獲得したブランドン・パラニュークのロングインタビューや、オールドルーキーとして今シーズンに臨んだ「住所不定45歳」、ジェイミー・ハートマンの秘話を掲載。さらに来期B.A.S.S.エリートに参戦する深江真一さんの15年目の渡米(成田空港でのインタビュー)や、青木大介さんのアメリカへの思いなど、オフシーズンの注目ネタまで満載でお届けします。


表紙をタップすると試し読みができます hyo1

……次回、次回レジットデザイン鬼形毅さんが解説 ロッドガイドと飛距離の関係:第2回「飛距離のためのふたつの思想『低抵抗型』『収束型』」

2017/12/22

おすすめ記事

記事検索

    月刊つり人 最新号

    つり人 2020年5月号

    列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。