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編集部2022年3月31日

大津清彰と川村光大郎が水槽で見つけた「本当に釣れるロール」:①

ブラックバス Basser バス釣り

大津清彰さんと川村光大郎さんが気になる15種のソフトベイトをピックアップし、ミドスト時のアクションを徹底的に水槽で観察!「釣れるロール」の秘密は暴かれるのか!?

ミドスト賢者のふたりが15種のルアーアクションをインプレッション!

編集部=文

この記事は『Basser』2022年5月号スト系特集号に掲載したものを再編集しています。Basserのバックナンバーは定期購読をお申し込みいただくとデジタル版バックナンバーが4年分以上読み放題! 詳しくはこちらをどうぞ

 大津清彰さんと川村光大郎さんが気になる15種のソフトベイトをピックアップし、ミドスト時のアクションを徹底的に水槽で観察!「釣れるロール」の秘密は暴かれるのか!?

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川村光大郎(かわむら・こうたろう/右)
1979年生まれ。ボトムアップ社代表。ブルスホッグやヴァラップスイマー、スクーパーフロッグなどのヒットルアーを開発。その経験から、ソフトベイトの形状がアクションにもたらす変化について鋭い観察眼を持つ。

大津清彰(おおつ・きよあき/左)
1979年生まれ。ティムコ社に勤務し、ルアーテストで月の半分はフィールドに繰り出す。アングラーとしても、相模湖や津久井湖などのハイプレッシャーレイクにおいてミドストで釣りまくっている。本誌巻末にて、「マッチザベイト学概論」を連載中。

バスの気持ちになって観察してみました

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 ミドストでよく使われているルアーのアクションについて、エキスパートに解説してもらおうという本企画。対象となるルアーのセレクトは大津さん、川村さんご本人に依頼。ふたりが気になっているルアーを、ボトムアップ社の水槽で泳がせてみた。

 操作役は普段からミドストをやり込んでいる大津さん。観察役はルアー開発のため水槽での観察を日常的に行なう川村さん。

川村「屋内の水槽なので風も吹かなければ流れもない。ルアーにとってはもっとも環境がいいんですよ。逆にいえば、ここで思ったとおりのアクションが出なければ、実際のフィールドではもっと不利であるといえます」

大津「僕は、ミドスト専用のルアーを開発したことはないんですよ。今日は川村さんの開発目線での意見も聞けるということで、楽しみにしてきました!」

 ロールアクションのチェックに川村さんが着目していたのは、フックのブレ具合。ボディーに注目していると、カラーや形状によっては錯覚してしまうから、とのこと。大津さんのロッドはフェンウィックエイシス64SULの“MidStrolling Special”。リールは2500番で、ラインはフロロ3Lb。ジグヘッドは基本ヴェスパの1.3gで統一。大津さんが普段メインで使っているミドストタックルだ。

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今回の検証でジグヘッドは、ほとんどのルアーでヴェスパ1.3g(リューギ)を使用して泳がせた。川村「ジグヘッドの重さは1.3gを基準に、ねらう深さや飛距離、流れなどに応じて調整します。あと、ペラ付きのジグヘッドも欠かせません。フラッシングやサウンドで、バスを寄せる力がアップします」

 以下、検証パートでは、「ロールの幅広さ」を5段階で数値化。5はロールが大きく、1はロールが小さい、の意。検証が進むにつれ、ふたりの口からは「このテール、美味そう……」なんてセリフが漏れる場面も多々。バスの気持ちになって、観察してみました。

スタッド5in(ギャンブラー)

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ロールの振れ幅 1
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 ミドストの先駆けともいわれる、「名古屋釣法」でメインベイトとなったスタッド。ロールはまったくといっていいほどせず、ヘッドからテールまで、全身が波打つようにクネクネと動いた。

川村「テールが横扁平だからロールは出づらいですよね。それより、軽いジグヘッドでも遠投が利いて、岩やウイードに対して軽いタッチ感で自然に泳がせられること重要だったんだと思います。軟らかなノンソルト素材も、軽いタッチ感と動きのよさを可能にしている」

大津「相模湖で釣れそう。このクネクネ感があるワームはほとんど投げられていないから、スタッドは今こそ出番かもしれません」

スティーズリアルスラッガー3in(ダイワ)

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ロールの振れ幅 1
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 アライブシャッドをベースに目玉を装着したモデル。初期のミドストの代表格である小魚系ワームだ。ロールは非常に控えめながら、リアルシェイプで細かくテールを震わせるようすはきわめてナチュラル。ちなみにジグヘッドを薄刺ししても、ロール幅は変わらず控えめだった。

川村「かつてはアライブ4inの、マスバリちょん掛けダウンショットリグでよく釣りました。水平姿勢でテールを細かく震わせながらわずかにロールする動きは、本物の小魚にもっとも近いと感じさせました」

大津「アライブシャッドが登場したころは本当によく釣れた。当時はもっとギラギラ動くグラブっぽいやつしかなくて、バスにとっての真新しさという点で釣れていたんだと思います」

フラッシュJ3in(フィッシュアロー)

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ロールの振れ幅 5
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 今回検証した中では1、2を争うロール幅で、時にはフックが完全に1回転するほどだった。アルミ泊の反射板が挿入されており、フラッシング効果による集魚力が強い。

大津「反射板のフラッシングを活かす、すごいドリルロールですね!」

川村「少し動きが硬いけれど、目まぐるしいロールと相まって、フラッシング効果はピカイチ!周囲にいるバスをもっとも強く惹きつけてくれそう」

PDLスーパーリビングフィッシュ3、4in(ティムコ)

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ロールの振れ幅2~4(フック上反りセッテイングでロール増幅)  
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 薄い縦扁平型のフィンテールが艶めかしく動いた。また、通常のフックセッティングだとロールはイレギュラーに起こる程度だったが、少し上反りに刺すと同じルアーとは思えないほどに増幅。4inはノーマルのフックセッティングでもロールした。

大津「僕が思っていた以上に、フックの刺し方が影響するんですね。これは意外でした。ロールの振れ幅が思ったより狭かったということですね。いつもあまり意識せずフックを刺していたので、新たな発見ですね」

川村「テールを左右に振るのが本物の小魚みたい! 一般的なピンテールワームでは出ない動きです。とくに4inはよくロールするので、つられてテールの動きもより艶めかしい」

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川村さんがテールの動きを大絶賛したスーパーリビングフィッシュ。薄いフィン型のテールの動きがほかと一線を画した。川村「シェイクという縦の入力に対して上下方向に震えるのが普通ですが、これは左右にも振っている。魚の尻尾って、水を左右に蹴って推進力を得ているわけですから。フリッシュも、これを意識したんです」

シャッドシェイプワーム3、4in(ティムコ/ゲーリーインターナショナル)

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ロールの振れ幅 4
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 高比重マテリアルの扁平型ワーム。尻下がりの姿勢が基本で、4inのほうがその傾向は強かった。ボディーのロールがテールにもしっかりと伝わり、複合的なアクションになっている。

川村「形と比重が完全にマッチしてますよね。尻下がりの姿勢は決してナチュラルではないけれど、お腹の前面に水を受けて、水を押しながらロールする。高比重マテリアルと相まって操作感を得やすい。リアルさより波動で気づかせたいディープや、ボトストにも向いていますね」

大津「僕にとってミドストといえばこれだったんですよ。しかし、重いな~これ(笑)。この近距離でやっていてもよくわかる。3月中旬~下旬くらいの利根川はこれでめちゃくちゃ釣れますよ」

 

 

 

 

 

 

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