3月9日に相模湖で60cm3,060gのモンスターがキャッチされました。シャローのサイトで釣り上げた羽生和人さんに、その秘密を洗いざらい教えてもらいました。
食わせて獲る! 巨バスを手中に収める極限のアプローチ&ファイト術
写真◎羽生和人
琵琶湖のナナマルニュースで沸いた今週、3月9日には関東のレンタルボートレイク相模湖でもフィールドMAX級モンスターの60cm3,060gがキャッチされました。
釣り人はエンジンプロスタッフの羽生和人さんです。釣り方は肉眼によるシャローのサイトフィッシング。さっそくそのときの状況をインタビューして、サイトの秘密を洗いざらい教えてもらいました。
■羽生和人さんのヒットルアーとタックル
ヒットルアー:
ライクフィッシュテール2.3in(エンジン)
+ホバスト用フック
+タングステンネイルシンカー1/64oz(約0.45g/スタジオ100)
ロッド:スペルバウンドコアSCHS-66-1/2XUL-ST -MicroBait Special-(エンジン)
リール:16ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
ライン:PE0.2号
リーダー:ライトゲームリーダーFC 4Lb(ラインシステム)
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出会い頭のリアクションバイトを演出
羽生さんのホームは亀山湖をはじめとする房総リザーバーで、これまで相模湖は1年に1回来るかどうかだったという。そんな羽生さんだが、今年はワカサギに絡んだ表層パターンを練習するため2月から相模湖に通っていた。
この日は表層への反応が芳しくなく、羽生さんはサイトで魚を探すことに。実は、朝の気温がマイナス4~5℃の2月にもバスの姿が目視で見える日があったという。
羽生さんに当日の状況を聞くと、今回のロクマルキャッチには3つのキーがあるようだ。
ひとつはエリア。もうひとつはプレゼンテーション。最後はキャッチするためのファイト術だ。
まずエリアだが、羽生さんがこのバスをキャッチしたスポットは、大曲がりの上流左岸にある境ワンドの手前。竹のレイダウンがあるストレッチだ。
「このストレッチは春に大きいバスが入ってくるイメージがありました。水温が上がりやすい上流域で、流れ込みもある、ディープ隣接のシャローです。そのうえ、この日はワカサギが寄りやすいはずの岩盤ではあまり魚の気配がなく土のバンクで魚を見かけていました。なのでそういったバンク際を重点的に見てまわったのですが、境ワンドの手前はまさに条件がそろったスポットでした」
実際、このエリアに到着するとコイやヘラブナがたくさんいて、40~50cmクラスのバスもちらほら見えたという。天気は晴れ。陽が昇り上着を脱ぎたくなるほどのポカポカ陽気になったタイミングで、そのバスは浮いてきた。
優雅に散歩しているようなゆっくりとした泳ぎ方だったことから、羽生さんは口を使わせられるバスだと判断。竹のレイダウンの先端に沿って泳いでいるこの魚に、バンクから約10~15mボートを離したポジションからホバストのリグをプレゼンテーションしたのだった。
ルアーはライクフィッシュテール2.3inと0.45gのネイルシンカーの組み合わせ。上流から下流に泳いできたバスのスピードを計算して、進行方向前方にキャストした。
「竹のレイダウンの間を通してバンク際までルアーを入れました。ホバストの操作で手前に引いてきたときに、ちょうどバスの鼻先で鉢合わせするようにタイミングと場所を読んでキャストしました。バスから見てルアーが竹に隠れるコース取りでホバストさせて、視界にいきなりルアーが現われるようにしてリアクションで口を使わせたんです」
ピッチングで届くボートポジションではない。自身のキャスト技術の限界と、今使っているリグのスピード、そしてバスのレンジとスピードを完全につかんでいないとできない芸当だ。
バイトの瞬間、バスの頭をボートに向ける
しかし、いくらレイダウンのアウトサイドでバイトさせたとは言え、PE0.2号と4Lbリーダーでねらうのは無謀ではないのか。手練れなりの勝算があるのだろうと聞き取りを続けたところ、ファイト術の一端を教えてくれた。
「デカい魚ってかけた瞬間、動きが一瞬止まるんですよ。そこですかさずエレキを沖に向けて踏んで、バスの頭だけでもボートのほうに向けるんです。そうするとバスは岸ではなく下方向に走り始めるので、そのあとは岸から遠ざけつつ、ドラグを効かせてファイトすればキャッチできます」
ということはドラグの調整も重要なのでは。
「そうです。かけるまでは少し強めに設定しています。強めと言ってもPE0.2号なので強めに手で引いたら糸が出る程度です。かけた瞬間はバスの顔を沖に向ける必要があるのでスプールを指で押さえていました。そのあとバスが下に潜ろうとしたら、じわじわテンションを掛けながらやり取りできる程度にドラグを緩めます」
ロッドはSCHS-66-1/2XUL-STマイクロベイトスペシャル。「バスロッドとは思えないほどグニャっと曲がる竿です。ただしバットのパワーをしっかり残しているのでロクマルも不安なく上げられます」
「そのあとのファイトのコツは、余計なことをせず一定のテンションでリールのハンドルを巻き続けること。これがいちばんバレません。ある程度のサイズのバスって水中で止まって首を振ることがあるじゃないですか。そこでテンションが緩む隙を与えてしまうからバレるんです。このロクマルもフックが刺さり切っていなくてハリ先が少し食い込んでいるだけだったんですが、この方法でキャッチできました」
最後にこのロクマルについて聞いてみた。ほかの釣り方でもバイトさせられる魚だったのだろうか?
「そうですね。神経質でないゆったりした泳ぎ方をしていたので、水中で止められるジャークベイトや、一点で誘えるムシ系やピクピクでもチャンスはあったと思います」
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