11月下旬に開催された第20回大会。この戦いのウイニングエリアはカワベブレイク。タフコンディションのなか美浦の浚渫跡でフットボールとキャロを操った河辺裕和選手が優勝しました。 バス釣りの専門誌バサーが、バス釣りのテクニックから道具、試合の最新情報、初心者のバス釣り入門までバスフィッシングのすべてを公開しています。
カワベブレイクが三度河辺裕和選手を優勝に導いた第20回大会
Basser編集部=写真と文
第20回大会・霞ヶ浦・北浦(出場19名)
※表中ならびに文中、敬称略にて失礼します Place | Name | Total weight(g) |
---|---|---|
1 | 河辺裕和 | 4570 |
2 | 沢村幸弘 | 4430 |
3 | 赤羽修弥 | 3420 |
4 | 吉田幸二 | 2990 |
5 | 成田紀明 | 2910 |
2006年のオールスタークラシックは、冬の足音がはっきり聞こえてきた11月25・26日に開催された。状況は極めてタフ。結果から書けば、優勝した河辺裕和でさえ、2日間計10尾のリミット枠のうち4尾を埋めるだけにとどまったほどだ。
完全に冬へ移行したあとのほうが、タフではあってもスポットが絞り込めるだけにまだ釣りようがある。しかし11月の末となると、秋から冬への過渡期も終盤。バスのポジションはまだ定まっておらず、広く散っていた魚が最低気温4℃の冷え込みによって口を閉ざした。
この絶望的状況下で1日目をリードしたのは沢村幸弘。桜川、与田浦、鰐川から、ワンナップリングのネコリグとワンナップスピンで4尾・3240gを持ち帰った。一方の河辺はこの日、1尾・580gで12位に沈んだ。
明けて2日目、朝の凪いだ湖面を見た瞬間に、河辺はカワベブレイクへ勝負に走る決意を固めた。このプランを立てたのは前夜に天気予報を見たときだった。どう見ても朝のうちは風が吹きそうにない気圧配置。「もう、これは浚渫跡しかないと思った」と河辺は述懐する。
確信をもって河辺が美浦の浚渫跡に入るとき、「何か」が起こるのはもはやオールスタークラシックのセオリーといっても過言ではないのかもしれない。7時4分に伝家の宝刀フットボールジグ+6inダブルテールグラブで1200gを手にすると、立て続けに1300gと1500gが6inダブルテールフラグラブのキャロに食ってきた。ファーストヒットからここまで、わずか20分の出来事。
こうしてカワベブレイクは河辺にギリギリで逆転優勝できるだけのスコア(3尾・3990g)を釣らせると、その後パタリとバイトを途絶えさせた。以来10年もの長きにわたって、オールスターでのカワベブレイクは沈黙を静かに守り続けている。美浦の浚渫跡は今、何をどれだけ溜めこんでいるのだろうか。そして、その地獄の釜の蓋を次に開けるのもまた河辺なのだろうか……。
掲載は2007年2月号
2016/10/25