近年、人気急上昇中のビッグベイトシーバス。ビッグベイトと言われる、デカいのルアーでシーバスをねらう超エキサイティングなゲームだ。 秋はあらゆるベイトが大型化する1年でもっともハマりやすいシーズン。ぜひ、このチャンスにビッグベイトシーバスにチャレンジ!!タックル選び編です。
ビッグベイトシーバスを始めるなら、秋がチャンス!
写真と文◎松本賢治
近年、人気急上昇中のビッグベイトシーバス。ビッグベイトと言われる、デカいルアーでシーバスをねらう超エキサイティングなゲームだ。
秋はあらゆるベイトが大型化する1年でもっともハマりやすいシーズン。ぜひ、このチャンスにビッグベイトシーバスにチャレンジ!!タックル選び編です。
松本賢治
(まつもと・けんじ)京都府在住。シーバスライフをはじめ、数多くのシーバスムック本で活躍するフィッシングライター
この記事は『つり人』2021年12月号に掲載したものを再編集しています。
目次
川の上流部まで入るシーバス。おすすめは小規模河川
ビッグベイトシーバスは、シーバスが生息する場所ならどこでも可能性がある。そうなると海から川の上流部までと幅広く、絞り込みが難しいはずだ。サーフや干潟のウエーディング、磯場でもビッグベイトシーバスは成立するが、外洋に面したオープンウオーターよりも、もっとねらいを定めやすい狭いエリアをおすすめする。それは、川(河口を含む)だ。しかも、小~中規模河川がよい。フルキャストして対岸に届くか届かないかの川から、数mという水路まで。
シーバスは思った以上に広範囲へ生息している。堰など海からの魚の遡上を妨げるものがなければ、シーバスはどんどん遡上していく。狭いところほど存在感の大きなビッグベイトは有効であり勝負が早くなる。こういった都市型河川は最高のポイント
小~中規模河川を薦める理由は、ねらうべきポイントを定めやすいからだ。狭いことによってシーバスがルアーを発見しやすいという利点もある。ただでさえ存在感のあるビッグベイト。そして、着水音も大きい。釣れる時は数投で釣れる。岸際(足もと)のシェードを中心に流れ込みや地形変化をねらうとよい。川の規模が小さいからといって、釣れるシーバスのサイズが小さいわけではない。川幅が数mという小規模河川で水深もないところからでも90 cmオーバーが出る。それを出せるのがビッグベイトのチカラなのだ。
なぜ、狭く浅い場所でビッグベイトがランカーシーバスに有効なのだろうか? それは、エサを追い込みやすい浅場で、シーバスが1回の捕食で効率よく腹を満たそうとしているのではないかと推測する。つまり、そこはフィーディングゾーン(捕食場所)であり、常にスイッチが入っているわけではない。干満差で水位が減ってきてエサを追い込みやすいタイミング、もしくは上げ潮に乗ってベイトが入ってきたタイミングなどで口を使う確率が高くなる。そのタイミングをねらってビッグベイトを投入してほしい。
コノシロは大きくて30cmにもなる。一回の食事でお腹を満たそうとするシーバスにはうってつけのベイトフィッシュ(魚のエサとなる魚)だ
ひとつ覚えておくべきことがある。それは、ビッグベイトが持つアピール力の強さが、小規模河川では不利に働く場合があるということだ。投げ過ぎるとスレてしまうケースがある。釣れる時は1投目で出るが、狭いエリアでは投げるほどに釣れる確率は減ることを忘れないでほしい。
ちなみに、小規模河川のポイントの選び方としての目安はボラの存在だ。ボラが入っているということは、シーバスも入ってこれる場所だと判断できる。
ベイトタックルとPEラインが一般的
もし、シーバスロッドのMH、Hパワークラスの50gを背負えるような硬めのスピニングロッドで釣りをされているなら、そのままでも問題ない。14~16cmで30g前後のビッグミノーというスタイルも充分、ビッグベイトシーバスといえるスタイルだ。ラインもPE2号、リーダー20~30ポンドあれば50g前後のビッグベイトも問題なく使えてランカーとのやり取りも安心だ。だが、どうしてもスピニングだとルアーの巻き取りだけでもベイトに比べると機構上、パワーに物足りなさや疲れを感じる場面が多い。今からビッグベイトタックルを揃えるなら、やはりベイトタックルがいいだろう。ビッグベイトとして代表的なルアーである『ジョイクロ』(ジョインテッドクロー・ガンクラフト)の178mmで約56g。シンカーチューンなどして、50~60g前後ある。
まだまだ選択肢は少ないが、近年、各社からビッグベイトシーバス専用ロッドがリリースされている。ブラックバス用との違いは、PEライン専用のガイドセッティングや軽めのルアーまで対応できる汎用性の高さ。ガチガチなロッドではないためキャスト時の体への負担も軽減され扱いやすいところ。既にジャイアントベイト専用ロッドも存在する。これら専用ロッドのメリットは、ビッグベイトの重さを感じさせないバランスのよさだ
川幅数mの小規模河川なら、ナイロンラインを使用したビッグベイト用バスタックル(ベイト)でもいい。だが、ビッグベイトシーバスゲームにはPEラインをおすすめする。基本的にビッグベイトはルアー自体のウエイトが重く引き抵抗も大きいため、伸びのあるナイロンラインだとポイントの広さや流れの強さによっては扱いにくさを感じる場面もあるはず。フックも基本的に太いので、ほぼ伸びのないPEラインでフッキングパワーを伝えたい。PEラインの太さだが、万が一の根掛かりや物理的なラインの劣化を考えるとPE4~5号にリーダーはナイロンの40~50ポンドをおすすめする。中には2号前後の細いPEでビッグベイトを使う方もいる。確かに、太いラインの存在感を嫌う魚がいることも事実だろう。だがビッグベイトはそれ以上にルアー自体の存在感が大きいので問題ない。ラインブレイクやルアーロストのリスクを減らせる安心感もあるため、太いラインを使うべきである。ベテラン勢も太いラインを使っている人が圧倒的に多い。
オカッパリで使うビッグベイト専用ロッドは8フィートが主流だ。対応ルアーウエイトは100gを背負えるロッドがいいだろう。小場所から大場所まで問題なく使える。ビッグベイト専用と謳ってはいるが、スタンダードサイズのルアーも使えるようなバーサタイル性の高いロッドが今の流行り。ゼナックの「SOPMOD」という8フィートのサオが例に挙げられる。ガチガチなロッドをイメージされる方もいるかもしれないが、先に述べたロッドは軟らかめであるため体への負担も軽減され非常に使いやすい設計となっている。PEライン専用にガイドセッティングされているためトラブルもほぼない。
ベイトリールは目安としてはPEラインの4号を100m 以上巻ける容量の大きめなリール(200~300番)が安心。シマノの「カルカッタコンクエスト」やダイワの「リョーガ」というモデルが好んで使われている。小規模河川限定なら100番でもいいが、万が一のライントラブルのことを考えると大きめがいい。多めにラインがあると安心できるはずだ。
ビッグベイト使用時は物理的な強度を考えラインはPEラインの4~5号が理想。スピニングなら細くても2号はほしい。リーダーはフロロでもナイロンでもいいが、よりしなやかなナイロンを選ぶアングラーも多い。太さはPEラインに合わせて、PE2~5号なら20~50ポンドを目安に。長さは1~1・5m でいい。ビッグベイトのウエイトによりノット部やラインの劣化は想像以上に激しいため、マメにチェックしたいところ
フックサイズは#1/0や#2/0がビッグベイトのスタンダードではあるが、ルアーのボリューム(スリムやファット)に合わせるなど難しいところがある。スタンダードサイズに比べ選択肢もそう多くはないためベテランもフック選びは悩むところ。きっと今後、改善されていくだろう
スタンダードゲーム時は一般的なスナップでもいいが、ウエイトのあるビッグベイトとなると、いくらクロスロックタイプで十kg という強度が謳われていても、ねじれることで簡単に外れてしまうことがある。そのため、「オーシャンスナップ」#3S か#3をおすすめする
次回はシーバスを釣るためのビッグベイトと、アクションの付け方をご紹介します!