稲作の農作期が終わる頃、いよいよ小ブナ釣りの好機を迎える。 今回は茨城県霞ヶ浦西浦の湖岸に沿って続く土手下のホソと干拓地を釣り歩き、 ビギナー向けに小ブナ釣りの道具立てから釣り方、ポイント選びまでチェックしてきた。 本命の小ブナに混じって掛かる脇役のユニークな顔ぶれも楽しみの1つだろう。
シモリ仕掛けのウキ下調整法とホソでねらえる魚たち
写真と文◎葛島一美
この記事は『つり人』2018年11月号に掲載したものを再編集しています。 稲作の農作期が終わる頃、いよいよ小ブナ釣りの好機を迎える。
今回は茨城県霞ヶ浦西浦の湖岸に沿って続く土手下のホソと干拓地を釣り歩き、
ビギナー向けに小ブナ釣りの道具立てから釣り方、ポイント選びまでチェックしてきた。
本命の小ブナに混じって掛かる脇役のユニークな顔ぶれも楽しみの1つだろう。
シモリ仕掛けのウキ下調節
ヤッカラ周りなどピンポイントの付き場を見つけてエンコ釣りでねらう場合、親ウキの下にイトウキを並べた連動シモリ仕掛けは親ウキを基点にして真下でウキ下を整える縦の釣りが基本。この際、親ウキのトップをわずかに水面に出すか数センチ沈ませるかは好み
連動シモリ仕掛けを使った探り釣りでは親ウキを寝ウキのように水面に横にして、凹凸を確かめながらポイントを探り歩くこともOK
標準シモリ仕掛けや2段式羽根シモリ仕掛け、数珠シモリ仕掛けは水面上に数個のウキを漂わせた状態でウキ下を調節し、振り込むたびにウキの浮き沈みによって変わる水深を知ることができる
本命の小ブナにコイっ子などの脇役も混じって大にぎわい!
水田とハス田が入れ混じる霞ヶ浦西浦の南岸に対し、同北岸は広大なハス田が広がっている。秋になると水を干してしまう水田に対して、ハス田につながるホソのほうが水位は残っている傾向がある。同じ地名が付いたホソでも、左右両端では小ブナの有無が大きく変わるので、釣り仲間が協力して広範囲を探ってみるのが手っ取り早い
田沼さんもホソのクランク部に小ブナの溜まり場を見つけたらしく、早速エンコ釣りでねらう
「秋の小ブナらしい数釣りポイントを発見しました。100尾を超える束釣りは無理としても、50 尾は釣りたいですね」
当日釣れた11魚種!
小ブナ同じ霞ヶ浦育ちの小ブナはキンブナとギンブナの2種。水域などによって個体差は大きく、顔付きや体色をはじめ体型もスリムタイプ、ぽっちゃりタイプといろいろ
コイ
大型のコイは厄介者だが、10cm 未満のコイっ子は意外とかわいい
オカメタナゴ
和名はタイリクバラタナゴ。春産卵タイプだが秋になっても婚姻色バリバリのオスが釣れた
タモロコ
細長い体型の脇役で、クチボソに比べるとややおっとりタイプ
クチボソ
和名はモツゴ。ジャミと呼ばれるエサ取りの筆頭で、荒々しく消し込むウキの動きはこれの仕業
ダボハゼa
チチブもヨシノボリも判断が難しく、釣り人の間では全部ひっくるめてダボハゼの愛称が通り名だ
ダボハゼb
口のデカいハゼの仲間のようだが、これもダボハゼ
ツチフキ
これはツチフキの幼魚。ここ最近、霞ヶ浦のホソでよく釣れる
小エビ
テナガエビらしいが判断不能。小ブナと同じようなアタリ方で煩わしい
カダヤシ
メダカに似ているが、尾ビレが丸いのがカダヤシ。秋田キツネ2.5 号のハリにヒット
ブルーギル
全長4cm の幼魚。近年、少し魚影が薄くなった気がするが、全長10cm を超える成魚もいる。このほか霞ヶ浦のホソではオオタナゴやヤリタナゴといったタナゴの仲間、チャネルキャットフィッシュなどが釣れることもある
「本当は小ブナの一荷釣りがうれしいですが、クチボソとのダブルヒットも乙なものです」とご機嫌の田沼光太郎さんは親ウキ、羽根のイトウキとも手作り。この日はコマウキ型の親ウキが心地よいアタリを伝えてくれた
「小ブナ20 尾分の値打ちがありますかね?」とユーモアたっぷりの金森健太郎さん
「小ブナの兄貴分がよく釣れるので、無駄な底バレを防ぐためにハリは大きめの秋田キツネ2.5 号にスイッチしました」と金森さん
「チョロチョロと水が落ちている排水口の下、小ブナが溜まっていそうですよ」。サオをだす前には橋の上から川相を見渡し、ねらうポイントの構想を練る