フェルトソール、ラバーソールどっちを選べばいい?そもそもサイズ感はどうすれば?そんな悩みを解決します。
靴選びで快適度が変わります
西野淑子=解説
渓流シューズの選び方とは
源流釣りでは山中を歩き、渓を遡行しながら釣りを楽しむ。濡れた岩や苔むした石の上を歩くことを想定し、これらの条件でも歩きやすく滑りにくいシューズが必要で、フェルトやラバーのソールを採用している。さらに、足場の悪い水中や山道を長時間歩き続けるため、安定して疲れずに歩くことができるよう、ソールに剛性を持たせている。 水に浸かる場面が多く、渓流シューズには水はけのよさが求められる。 アッパーに水はけがよく乾きやすい生地を使用したり、水抜き穴を配置して靴の中の水を効率的に排出できるようになっている。 また、足もとの不安定な川原を歩いたり、 見えづらい水底でつま先が岩にぶつかったり、岩の間につま先が挟まっても痛くならないように、つま先をラバーで補強している。
サイズはどのように選べばいい?
登山靴などに比べてシルエットがタイトなのも渓流シューズの特徴のひとつだろう。シューズは水を含むと緩みが出るため、靴ひもをしっかりと締めて足の形に添わせられるようになっている。タイトなシルエットにより、水の中でも水流の抵抗を受けにくいメリットもある。 登山靴では「指先にややゆとりがあるサイズ」を選ぶことが多いが、渓流シューズの場合は、滝などでつま先に立ち込んだりすることも多いので、つま先にゆとりがありすぎるのは好ましくない。「指先に窮屈さを感じない程度のサイズ」を選ぶ。普段履いている靴と同じサイズの靴から試着をしていくとよいだろう。
試着のときは必ず、靴下と合わせて着用する。靴下はネオプレンなど発泡ラバー素材がベター。発泡ラバー素材の靴下を履いていてももちろん水は入ってしまうが、靴下の中で水が滞留することで多少水温が上がり、足先や足裏が冷えることを軽減できる。 昔ながらの地下タビの流れを汲む沢登り用のタビもある。 軽く機動力があり、価格もリーズナブルだが、ミッドソールや中敷などがない分、ソールの厚みはなく、沢登りで足裏や指先の感覚を重視しい人向けだ。
フェルトソールとラバーソールどちらを選べばいい?
フェルトソールのメリットは、ある程度シーンを選ばずにマルチユースであるところ。毛羽立ったフェルトの摩擦で、濡れた岩はもちろん、苔むしたりヌメった岩でも滑りにくい。岩などで擦れて摩耗するのがラバーに比べると早く、定期的なフェルトの張り替えが必要になる。
ラバーソールは岩でのグリップ力が圧 倒的に高いのがメリット。 ブロックパターンにより水はけをよくしており、乾い岩はもちろん、濡れた岩でも滑りにくく安定して歩くことができる。土の登山道や尾根道なども気兼ねなく歩けるメリットもある。一方で苔むしたり、ヌメリの強い場面では、フリクションがほぼ全く効かず、非常に滑りやすくなる。
苔のついた岩や水アカでヌメる丸太などを歩くような場面も多い源流釣りで初めの一足として揃えるなら、フェルトソールが無難だろう。ある程度経験を積み、ラバーソールでも問題なく使えるかの判断ができるようになったところで、セカンドシューズとしてラバーソールを持つのがよさそうだ。
買い替えのタイミングは?
フェルトソールの場合は、もともとのソールから半分ぐらいの厚みに減ったら買い替えまたはソールを張り替える。ソールが薄くなるとフェルトの性能が生かされないだけでなく、靴底が変形し、歩きにくくなってしまうのだ。ミッドソールまで削れてしまうと張り替えもできなくなるので早めの交換をしよう。
ラバーソールはソールを手で触ってみてブロックパターンにひっ掛かりがないと感じたら買い替えをしよう。また、アッパーのステッチが切れかかっていたり、つま先やかかとのラバーが 剥がれそうになっていたら、早めに修理をすることでシューズを長持ちさせることができる。
使用後のメンテナンスは?
使用後は必ず水洗いを。時間がたつと苔や泥などのにおいは落ちにくくなるので、できる限り早く洗うとよい。「きれいな沢の水で洗って済ませる」のではなく、水道水で洗うことをおすすめする。タライなどに水を張り、シューズを入れて汚れを落とす。フェルトソールは、柔らかめのブラシなどでフェルトに詰まった泥汚れも落とす。靴の中敷を外し、できればシューレースも外してベロを広げ、靴の中にしっかり風が入るような状態にして乾かすとよい。
乾いたら室内に入れ、風通しのよい環境で保管する。通気性のないビニール袋などに入れて保管するのはおすすめできない。乾かし終えて保管する前に、ソールの劣化、アッパーのステッチのほつれ などシューズの状態を確認しよう。 また、頻繁に沢に入るのでシューズは 車の中に置いておく、というのもNG。真夏の暑い日などに放置すると、高温で靴の接着剤が剥がれるなど靴が劣化する可能性があるので注意しよう。
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