水温上昇や夏の到来でシーバスやライトゲーム、アオリイカなどが厳しくなる頃に反応がよくなるこの魚種に、鞍替えするアングラーが少なくない。見た目もキュートでかわいい『ロックフィッシュ』を釣りませんか?
夜の釣りなら暑くない!
成田颯雅=写真・文
九州の釣りに特化している季刊誌『ルアーパラダイスKyushu 2022年盛夏号』掲載記事からロックフィッシュについての記事を一部オンラインでも特別公開!
目次
- 前編
- クロダイ、マゴチがいる
- ワームと小型ミノー
- 後編
- ちょっとの変化を探る
クロダイ、マゴチがいる
梅雨ならまだしも、盛夏を迎えてショアで終日釣りをするのはとてもタフな話だ。日に日に水温は上がり、炎天下の釣りは過酷だ。幸いそんなド日中は見込み自体が薄くなるゆえ、夕方から日没や夜明けから数時間といったマヅメ時の短時間がねらいめになる。
釣り場の有力候補は、河口域や汽水域。
河口域は汽水域じゃないかというツッコミが入りそうだが、ここで言う汽水域は、河川が注ぐワンドの河口から離れた一帯を指す。
夏は流れのある場所に魚が集まる傾向があり、河川のフレッシュな水はソルトターゲットにとっても心地よい。河口域やそこから続く汽水域は元来エサが多いところなので季節的に機能しやすくなる。
そのなかで注目すべきがシャローフラットだ。
実際のところ、こういうロケーションはあまり釣り人の手が入っていないと言っても過言ではなく、九州中にごろごろしていると思われる。
叩いてみれば思わぬ楽しさに出会える可能性が大きい。
可能性ではなく、それを体感したのが今回紹介する一宮安幸さんの釣行だ。
ソゲに始まり、キビレ、キビレ、シーバス、マゴチ、マゴチ、キビレ、そして本命としていたクロダイを短時間のうちにコンプリートした。これだけの魚種、終日釣っても約束されないのに、正味4時間で達成。ぎゅっと凝縮した圧巻の連発劇だった。
過ごしやすい季節は拡散するのに対し、タフな季節はまとまるというのを見事に表していた。こういうのを引き当てると病みつきになる。
ここまでのパフォーマンスはともかく、このうちの1、2魚種でも可能性があれば、それはそれで探る価値はある。
一宮さんも本命と言っていたくらいだからクロダイをねらっていた。あとは季節的にもマゴチを視野に入れていた。
クロダイとマゴチなら九州全県に生息し、人間の生活圏内で釣れるため、短時間釣行の定番ターゲットに位置づけられる。
極端な話、釣り場開拓を兼ねて当たって砕けろ的な釣行をしても可能性はある。そういう釣行も心躍るものだ。
クロダイはさまざまな釣法でねらえる
ボトムをねらうとマゴチがヒットすることも
ワームと小型ミノー
携帯すべきはボトムを叩けるワームとリグに、そのちょい上をトレースできる小型のシンキングミノー。フローティングやトップウォータープラグでもよいが、飛距離を稼ぐためにも使い勝手のよさからもシンキングミノーは頼りになる。
一宮さんが用意していたのは、ちびチヌヘッドとチャンクロー2.8クロダイ、ビッグバッカーフィットミノー、フリーリグ用のシンカーと#2フックだった。
もちろん、それら以外もケースには入っていた。蟹クライマーチヌやライザーベイト006など、クロダイや河口に入ったシーバスがベイトを突き上げたときにスクランブル使用できるようなかっ飛び系のプラグである。
しかし、取材では結局それらの出番のないまま完結。
車内にはアジ用のジグヘッドとワームもあったというから、必要が出てくればそれも繰り出すことは可能だった。
この手のゲームのよいところは、アイテムを豊富に用意しても手に負えない量にはならず、用があるときにパッと出して使えるところだ。
ちびチヌヘッドはいわばジグヘッドで、シンカーとフックが分離しているため自由度が高い。シンカーが扁平なのでボトムへの座りがよい。
チャンクロー2.8クロダイはクロー系ワームだ。
ビッグバッカーフィットミノーは60㎜を持参していた。強い向かい風など、ワームでは飛距離が出ずに使いづらい状況でマッチする。さざ波が立つようなコンディションではルアーの安定感も求められ、そこで真価を発揮するのがシンキングミノーだ。
そのほかの役割分担は、川幅が限られた河口域ではワームを中心にし、広い汽水域ではシンキングミノーで手返しよくチェックしていく。
ボトムを釣るときに重要なのは、いかに根掛かりなく釣りが続けられるかで、根掛かりが多いところではフリーリグに徹するのが一宮さんの勝利の方程式だ。
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