メバリング&アジングで頻出する単語「フロートリグ」。ワームを遠くに飛ばすために飛ばしウキをつけただけのものと思われがちなフロートリグだが、それがあるだけでルアー操作の幅が広がる芸達者なリグなのだ。今回はメバリングを軸に、使用法のいろはをエキスパート藤原克則さんに解説してもらった。
解説◎藤原克則
静岡県賀茂郡在住。釣りはもっぱら伊豆半島のメバルという根っからのメバルフリーク。ジグ単からフロート、プラグ、ジグまで多彩なルアーとリグを使いこなす
フロートリグとは? 遠投できてスローな誘いができるリグ
これから紹介するフロートリグは、いずれもスローな釣りが得意だ。メバル釣りは低水温期、つまり産卵の前後の低水温ほどスローな誘いが効き、水温が上昇するほど速い誘いにも対応する。この事実だけでもいかにメリットの多いリグか理解できるだろう。そして風が強く波が高いとフロート自体が波に揉まれて釣りにならないので、ストレスなく釣りをするには穏やかな日が前提になることも覚えておきたい。
メバリングのシーズン
私のホームグラウンドである伊豆半島を例にしたメバルのシーズンは、前期と後期に分かれる。まず前期は、11月初旬から1月いっぱいまでの、まさに冬期で、言い換えればプリスポーン=産卵(出産)前のタイミングである。東京湾などで釣れるクロメバルは12月いっぱいがプリスポーンであるが、伊豆のアカメバルは水温の関係かひと月ほど産卵が後ろにずれる。
| 時期 | タイミング | メバルの状態と特徴 |
|---|---|---|
| 前期(11月〜1月) | 冬期(プリスポーン) | 産卵前の荒食い期。大型の記録級が狙える好機。 |
| 産卵期(1月末〜2月) | ピーク時 | 成熟した大型が捕食モードから産卵モードに入り、釣れにくくなる。 |
| 後期(3月〜7月) | アフタースポーン〜梅雨 | 産卵後、徐々に捕食モードへ。コンディションが向上し、シーズンも長い。 |
1月末ごろから産卵のピークを迎え、成熟した大型は捕食モードから産卵モードに入ってほとんど釣れなくなるが、3月に入るとアフタースポーン=産卵後のメバルが徐々に捕食モードに入り、後期の釣りが始まる。意外にこの季節が長く、例年、梅雨入り後の7月いっぱいまで続く。後期は季節が進むごとにコンディションがよくなっていくし、抱卵魚をねらうことになる前期よりも自然にローインパクトなのでおすすめだ。
メバルは釣れる場所やねらい方もシーズンによって変わってくる。取材を行なった年末のタイミングなら外洋に面した漁港や最干潮時でも1m以上の水深がある磯・ゴロタ場がメインになる。そして1月下旬は、プリスポーンの終盤に差し掛かっている時期。すでに産卵に入った個体も増えてねらえる魚が少なくなるが、私の経験上では記録級の大型をキャッチしているタイミングでもある。
2種類のフロートを浮力別に使い分ける
メバル用フロートには2タイプある。おなじみの中通しタイプと、最近は主流になりつつある管付きタイプだ。それぞれシンキング~フローティングがあり、適材適所で使い分けることが大切だ。
| タイプ | 形状・接続 | 主な操作感 |
|---|---|---|
| 中通しタイプ | ラインの中を通す(ぶっ飛びロッカーII等) | デッドスローのタダ巻きが基本。海藻帯の攻略に向く。 |
| 管付きタイプ | 端糸に接続するFシステム(シャローフリーク等) | 漂わせる釣りが基本。ジグ単感覚のダイレクトな感度。 |
中通しタイプはデッドスローのタダ巻きに
愛用している中通しタイプの「ぶっ飛びロッカーII」は、スローシンキング(SS)、エフゼロ(F0)、フローティング(F)、ハイフローティング(HF)の4タイプがあり、その中で私が多用するのが、SSとF0の2種類。SSはフロート自体がスローに沈み、F0はフロート自体の残浮力がないのでジグヘッドの重さ分だけ沈んでいく。SSは少し波っ気がありFでは波に揉まれてしまうときや海藻帯などをデッドスローのタダ巻きで使用するときが出番。F0はメバルがアミなど流れてくるプランクトンを捕食していてタダ巻きの横の動きに反応しないときに漂わせて使う。
管付きタイプ(Fシステム)はシャロー攻略に使いやすい
愛用している管付きタイプの「シャローフリーク」には、フロート自体に浮力があるフローティング(F)とフロート自体がスローに沈んでいくダイブ(D)がある。いずれもその名のとおりシャロー攻略に適しており、ショックリーダーを組んだ際に出るリーダーの端糸にフロートを取り付け、リーダー先端に軽量ジグヘッドを装着する「Fシステム」と呼ばれる釣り方で使用する。
Fシステムの利点は、フロートが端糸で繋がっているものの本線はジグヘッドから手もとまでフロートを介さずに一直線になることから、はるか沖でのメバル特有の「コンッ」という繊細なアタリもダイレクトに手元に伝わることだ。また、中通しの場合は遊動式とはいえ極小ジグヘッドのレンジを上下させるのは摩擦抵抗もあるためなかなか難しいが、ある意味で直結仕掛けのため1g以下の極小ジグヘッドですらジグ単(ジグヘッド単体)と同じ感覚でダイレクトに操作できる。そもそも軽いジグ単では遠くに飛ばせないから飛ばしウキの役割でフロートをセットするのだが、飛ぶ以外にもアタリがはっきり分かり、操作性がよくなり、さらにはフロートが潮の抵抗を受けて、流れの変化をしっかりと伝えてくれるメリットもある。FシステムはおもにDではなくFを多用する。
基本操作は「遠投してスローに巻く」
私の釣りの起点はジグ単であり、状況さえよければジグ単だけで通す。それくらいジグ単は便利で使いやすいリグである。
ただしジグ単で探れる距離には限界がある。ジグヘッドを重くしていけばある程度飛ぶが、小さなシルエットだからこそ口を使うという部分も大きい。そのため、堤防の際や近距離を細かく探るときはジグ単、遠くを広く探るときはフロートリグという使い分けで始めるのがセオリーだ。
中通しの「ぶっ飛びロッカーII」を使った釣りはデッドスローのタダ巻きの釣りになる。キャストして着水したらスラックを取り、ラインを張った状態でジグヘッドをカーブフォールさせる。ラインを張っているためアタリも取れるし、海藻や岩にコンタクトした際も分かりやすい。
メバルは海藻帯に潜んでいることが多いので、F0を使ってなるべくフロートが常に海藻に触っている感じで巻いてくる。海藻の感触が希薄なときはチャンスも少ないと思っていい。そしてメバルのアタリが多いのは、海藻の感触が一瞬抜けるタイミング。ウイードポケットの上を通過するルアーは非常に目立つため、見逃すことなくバイトしてくる。ただし、条件がある。月夜ではなく闇夜であること。月はなるべく小さいほうがよく、海面からの位置も低いほうがメバルは上を意識している。
ゴロタ場などの海藻が少ない岩場を攻めるときはSSを使い、常に中層を意識してリトリーブする。目安としてカサゴが釣れたらレンジが低いのでもっと上のレンジを通す。


ジグ単感覚のダイレクトな操作感とポーズも可能
フロートの使い分けの基準としては、海藻帯や少し水深のある場所は「ぶっ飛びロッカーII」による遊動式リグをチョイス。シャローなら管付きの「シャローフリーク」による固定式リグのFシステムをチョイス。ぶっ飛びロッカーIIはスローなタダ巻きが基本だったのに対して、シャローフリークは漂わせる釣りが基本になる。
Fをキャスト後にスラックを取ってラインを張るまでの操作は同じ。ここからフロートの重みを感じながら、軽くシェイクしてからポーズを入れる。このシェイクはラインメンディングとアクションを兼ねており、ロッドの角度は時計の10時の位置を意識するとやりやすい。
シェイク&ポーズの動作を繰り返しながらリグを漂わせていくが竿先からフロートまで常にラインを張った状態にしておくのがキモで、遠くの微かなアタリも明確に感じることができるはずだ。


フィールド別のフロートリグ活用ポイント
※このページは『つり人 2021年3月号』の記事を情報更新・再編集したものです。
