釣りには数多くの道具や仕掛けが存在します。中でも釣りバリは魚との接点となる大変重要な要素です。この記事では、釣りになくてはならない釣りバリについて解説していきます。今回は「ハリの軸」について紹介します。
まとめ◎つり人社書籍編集部
この記事は『釣りバリのひみつ』に掲載したものを再編集しています。釣りには数多くの道具や仕掛けが存在します。中でも釣りバリは魚との接点となる大変重要な要素です。この記事では、釣りになくてはならない釣りバリについて解説していきます。今回は「ハリの軸」について紹介します。
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軸の長さの違いによるメリット
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まず、単純に軸の長短でハリの重さが変化します。軸が長いハリは重く、短いハリは軽い。またハリにイトを結んだ状態でハリが引かれる方向と、ハリ先の延長方向との間にできる角度、すなわち「ハリ先角度」も変化します。
軸が長くなるほどハリ先角度は小さくなり、貫通性能はアップしハリ先にアワセの力が伝わりやすく、魚の口元を貫きやすくなります。逆に軸が短いほどハリ先角度が大きくなり、貫通性能はダウンしアワセに大きな力を必要としますが、魚の口に触れやすくなり、すっぽ抜けが少なくなります。
A1 口元尾長
A1 短グレ
グレ(メジナ)用のハリを例に挙げると、口元で掛けてハリス切れを回避する必要がある尾長グレのハリは軸が長く、より軽いハリを違和感なく飲み込ませて釣ることが釣果につながる口太グレのハリは軸が短くなっています。
このように、対象魚の特徴や習性を考慮してハリ軸の長短が決められている場合以外にも、長い虫エサを使用する投げ釣り用のハリなどは、エサをしっかり刺せるという目的からハリ軸は長くできています。ワームをセットするワームフック、ジグヘッドなども軸の長いフック形状になっています。
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セオライズ
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余談ですがカンナと呼ばれるイカを釣る餌木のハリは、餌木本体をハリの軸に見立てるとハリ先角度が非常に小さい長軸のハリとなり、外向きのハリ形状であってもしっかり刺さる設計になっています。
エヴォリッジ
独特な形状をしている餌木のハリ
太軸のメリット・細軸のメリット
ハリ軸が太いか細いかでは、太軸のハリほど重くなるのは当然として、太くなるにつれて強度もアップします。
また、ここで注目したいのはハリ掛かりしてからの身切れについてで、細軸のハリほど身切れしやすく、太軸のハリほど身切れしにくくなります。たとえばアユ友釣りの掛けバリで身切れ軽減のメリットは太軸に軍配が上がります。
ハリの貫通性能は基本的に線材の断面積が小さい細軸のハリが優位ですが、細軸のハリほど力が掛かった場合にタワミが発生しやすく、必ずしも刺さりやすいというわけでもありません。また細軸のハリは軽く、いわゆるケラレというアユの背中にイカリが触れるものの、ハリ先が刺さり込まずに弾かれる現象も増えます。言い換えれば太軸のアユバリほど自らの重量でケラレが少なく、ハリ掛かりした後の身切れも発生しにくくなりますが、オトリと呼ばれる生きたアユにセットするため、オトリへの負担、泳ぎなどへの影響も考慮し、その時々にマッチする太さのハリを選ぶとよいでしょう。
グレやチヌのフカセ釣りでも太く重いハリは魚の食い込みが悪くなる傾向にあるので、潮の速さやねらうタナにマッチする太さのハリを選びたいものです。たとえば全遊動仕掛けで深いタナまで早くエサを届けるために、あえて「層たなグレ」という太軸のハリが考案されました。また同じ全遊動でも、可能な限り仕掛けをゆっくり落としたいときに、がまかつの磯バリのなかでも最細軸の「T1ファイングレ」を使うなど、そのときの優先事項で使用するハリの太さを使い分けると釣りの幅が広がります。
また、ハリ軸の太さでエサの刺しやすさも変化します。一般的に細軸のハリほどエサは刺しやすくなります。