釣りには数多くの道具や仕掛けが存在します。中でも釣りバリは魚との接点となる大変重要な要素です。この記事では、釣りになくてはならない釣りバリについて解説していきます。今回は「ハリの曲がり(ベンド)」について紹介します。
まとめ◎つり人社書籍編集部
この記事は『釣りバリのひみつ』に掲載したものを再編集しています。釣りには数多くの道具や仕掛けが存在します。中でも釣りバリは魚との接点となる大変重要な要素です。この記事では、釣りになくてはならない釣りバリについて解説していきます。今回は「ハリの曲がり(ベンド)」について紹介します。
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ベンドを制するものは掛かりを制する!?
おさらい!フックの各部名称はコチラ→→→ 釣り針入門 知っていますか!?各部の名前
一般的にフトコロ幅が狭いハリは身切れが起こりやすく、広いハリほどキープ力は高くなります。
キスバリやカレイバリなど、投げ釣り用のハリはおおむねフトコロが狭いですが、これはキープ力よりも魚の口の中への吸い込まれやすさを優先しているからです。対して魚体にハリを掛ける友釣り用のハリは、掛かりやすさ+身切れを防ぐためにフトコロ幅が広く設計されています。強度的にはフトコロ幅が狭いほうが強くなります。
また、フトコロが深いほうがキープ力は高く、浅いほどハリが外れやすくなります。友釣り用のハリで早掛けタイプのものは、ハリ先が短く掛かりが早い傾向にあります。
そのフトコロを形成するのは「曲げ」ですが、曲げのパターンについては明確な呼称があるルアーやフライフックのベンドを例に説明します。
ベンドには大別してリテイナーベンド、ラウンドベンド、スプロートベンドの3パターンがあります。
これらはシャンク(軸)を垂直にしたとき、フトコロ幅のセンターに対して、フトコロ最深部がどちら側にあるかが分類の基本です。最深部がフトコロ幅のセンターよりシャンク寄りにあるものがリテイナーベンド、ポイント(ハリ先)寄りにあるものをスプロートベンド、フトコロ幅のセンターと最深部が同じ位置にあるものをラウンドベンドと呼びます。特徴としては同じ軸、同じポイント位置のハリと仮定し、魚が掛かり負荷が掛かったとき、よくたわんで粘るためハリが折れにくいのがスプロートベンド、逆にたわみが小さく折れやすいのがリテイナーベンドです。逆にいうとスプロートベンドのハリは伸びやすく、リテイナーベンドのハリは伸びにくいということになります。
またハリが魚に刺さり込んだとき、身を保持する部分、つまりハリ先からフトコロ最深部までの距離が長いリテイナーベンドのほうがキープ力が高くなり、ハリ先まで長い分、ハリが抜けにくくなります。ラウンドベンドは、すべてその中間です。
ジギングフック貫
たとえば青ものをメインターゲットにした「ジギングフック貫つらぬき」はバレにくさを優先したリテイナーベンドです。折れ対策として太軸にすることで強度を出しています。ほかにもライトゲーム用で太軸のジグヘッド「ミニフットボール」やフライフック「R10-B」「R19-1F T」は、いずれもバーブレスでありながらバレにくいようにリテイナーベンドを採用しています。
ミニフットボール
R10-B
R19-1FT
日本のエサバリでは一部のカワハギバリや餌木のカンナなどを除いてリテイナーベンドは少なく、ほとんどがラウンドベンドかスプロートベンドです。グレバリなど磯用のハリは、極端ではないもののスプロートベンドです。