魚種別釣りガイド。「クロダイのウキフカセ釣り」をご紹介します。
乗っ込みシーズンは釣りやすいビッグイベント!
この記事は月刊つり人2018年5月号の記事を再編集しています
魚種別釣りガイド。「クロダイのウキフカセ釣り」をご紹介します。
目次
基本的な道具立て
チヌザオは柔軟で0号クラスからラインナップがあるが、ビギナーには汎用性の高い1〜1. 5号がおすすめ。ミチイト2号、ハリス1. 5号が標準的なイト使いだ。定点をねらうことが多くウキは軽めより重めB〜3Bを目安にウキ下をきっちり決める
円錐ウキは風波に強いメリットがあり、立ちウキは細かいアタリを取りやすい。どちらを使ってもよい
ウキ止メとウキ止メゴムはウキフカセ釣りのマストアイテム。ガン玉も7〜3Bくらいまでは揃えておく
「小は大を兼ねる」のがクロダイ釣りのハリ。吸い込みやすい小バリが奏功する場面も多いが、フグが多い時は4号5号といった大きめを使うとロスが少なくてすむ
寄せエサの考え方
寄せエサはオキアミと配合エサを混ぜ合わせてつくる。クロダイ用と銘打つ配合エサは比重が大きく海底まで一気に沈下し底にエサが溜まりやすい。
回遊するクロダイを足止めするのである。浅場を釣る時は比重よりも拡散性の高いメジナ用の寄せエサを好んで使う名手もいる。
一点集中でエサを底に溜めるよりも寄せエサの煙幕をポイントに漂わせたほうが魚を呼びやすいケースもある。釣り場に応じて配合エサの性質を見極めたい。
ムギやコーンが配合されている配合エサはヒラヒラと沈下するムギおよびコーンがアピール度を高めてくれる。
これに粘りと比重の大きな配合エサを組み合わせ、オキアミ3㎏を混ぜる。クロダイ釣りではオキアミと粉の比率は粉多めでOK
重く粘りのある寄せエサなので手でしっかりと混ぜ込むのが理想的である
基本は底ねらい。底ダチを正確に取る
肝心なのはウキ下である。ウキ止メを付けずに全遊動で探る釣法もあるが、東京近郊のクロダイ釣り場は浅く定点をねらい撃ちするほうが効率的なポイントが多い。ここではウキ下をきっちり決める半遊動の釣りを解説する。
底取りオモリ。ウキ下を決めるうえで必需品だ
クロダイは海底を回遊する。ゆえに底ねらいが基本になる。底が根や藻場になっていれば、根掛かりしない程度のギリギリのウキ下に設定する。砂地がポイントであれば、付けエサを海底に這わせるのも一手。この場合は底ダチよりも長くウキ下を取る。こうしてウキ下を決めるには正確に水深を測ること。ウキの浮力よりも重いオモリをハリに付けてポイントに入れ込み、その浮かび方を見て適正な底ダチを判断する( 図2)。こうして海底形状を把握しておけば釣りの組み立てもしやすくなる。
ポイント別攻略法
ウキフカセ釣りはエサを撒いてポイントを構築する。そして寄せエサの煙幕に付けエサを同調させて魚を釣る。海には流れがあり寄せエサの溜まりやすいスポットが必ずある。それは払い出す流れが根などにぶつかって生じるヨレであったり、潮と潮の境目にあったりする。目の前の海にどんな流れが生じているのかを注視する。それもこの釣りの技術であり面白さだ。ではいくつかのポイントを例に釣り座の決め方や釣り方を見ていこう。
堤防の探り方
1、なるべく障害物のあるポイントを選ぶ。沈み根、テトラ、船道、船揚場のスロープの際などに注目して釣り座を構えたい。そして根掛かりを恐れず、なるべく障害物の際をタイトにねらっていく。
2、周囲とずらしたラインを探る。仮に堤防の一文字部分に釣り人が並堤防の探り方んでいるとする。潮が左右どちらか一方向に流れていれば、仕掛けを流しっぱなしにすると隣の釣り人とオマツリしてしまう。こうした釣り場では自分の正面を釣るのがマナー。寄せエサを効かせる位置、付けエサを合わせる位置を計算に入れて投入点を決める。
地磯の探り方
1、潮通しのよい岬の先端付近ほど魚が入ってきやすいが、満潮時は溝の奥の浅場でも大釣りできる可能性がある。潮位に応じた釣り座選びが奏功するケースも多い。基本的な考え方は深場からつづく海溝部にねらいを定める。東京近郊の地磯は往々にして溝のはしる釣り場が多い。
2、サラシや払い出しなどがあればその付近を探る。寄せエサが溜まりやすいのはサラシの切れ目など流れが緩むスポット。そこに沈み根などの障害物があると、より好適なポイントになりうる。
3、根掛かりをしにくいエリアに魚をおびき寄せて釣るのも手。たとえば溝の中にある砂地帯などにねらいを定める。
次回は潮位、エサ取り対策、メンディングについてご紹介します。
【クロダイ】 潮位を読むと見えてくる!? 乗っ込みシーズン勝利の方程式 その3